History

 

1930-1940 | model 伝説のマシン

1930-1940 ― 世界最速の自動車
8C 2300

生産年 1931〜34年
エンジン 直列8気筒/軽合金・2ピース鋳鉄シリンダーブロック、シリンダーヘッド
排気量 2,336 cc
最高出力 142hp/5,000rpm (ショート/ロング)
155hp/5,200rpm (Spiderレース仕様)
165hp/5,400rpm (Monza)
155hp/5,200rpm (Le Mans) (1931年)
165・180hp/5,400rpm (Le Mans)(1932〜34年)
最高速度 165km/h (ロング) 〜225km/h (Monza)

「洗練を重ねた車」。スポーツカー分野における自社のレーシングモデルの優位性を堅持するため、アルファ ロメオは、6C 1750(2,336 cc)と同じボアストロークを持つ8気筒エンジンの生産を開始する。このエンジンは、ショートホイールベースシャシー(おもにSpider)、ロングホイールベースシャシー(Torpedo)、またはグランプリ用の特製1シーターシャシーにそれぞれ搭載された。エンジン構造は6気筒と異なり、バルブタイミングをコントロールする複数のカスケードギアをエンジン中央部に採用。シリンダーブロックは、リベットで止められた鉄、軽合金のふたつのブロックからできており、同じくふたつの部品からできていていたシリンダーヘッドにも、世界で初めて軽合金が使われた。1931年の「ミッレ ミリア」では不運なレースデビューとなった8C 2300だが、「タルガ フローリオ」で優勝。その後、4シーターの8C 2300 LE MANが、「ル マン24時間」で4連覇、2シーターの8C 2300 Monzaもグランプリシーンで活躍する。ヤーノ設計の8C 2300は、31〜34年の生産期間中さまざまなバージョンが生み出され、合計188台が生産された。

6C 1900

生産年 1933年
エンジン 直列6気筒/鋳鉄エンジンブロック(一部モデルは軽合金)
排気量 1,917 cc
最高出力 68hp/4,500rpm
最高速度 130km/h

6C 1500シリーズの最終モデル。6Cシリーズに初めて搭載されたこのエンジンは、軽合金製のシリンダーヘッドを持っていた。排気量は1,917 ccにアップされ、後の6C 2300の登場を予感させていた。生産台数は、合計197台。

6C 2300

生産年 1934〜37年
エンジン 直列6気筒/鋳造合金シングルシリンダーブロック、軽合金シリンダーヘッド
排気量 2,309 cc
最高出力 68hp/4,400rpm (Touring)
76hp/4,400rpm (Gran Turismo)
95hp/4,500rpm (Pescara)
最高速度 120〜145km/h

「美しさが基準」。6C 1750、6C 1900に代わる新しいモデルは、エレガンスに満ちたフォルムと「スポーツ精神」を兼ね備えていた。軽合金のシリンダーヘッドとシングルユニットとなった鋳造合金のシリンダーブロックを持つ6気筒エンジンを搭載。さらに、単板クラッチ、3速4速ギアにフリーホイール機構とシンクロ機構を装備した4速+バックギアのトランスミッションが搭載されていた。リアのショックアブソーバーは、油圧コントロール式のアジャスタブル フリクション式で、運転席から調整することができた。6C 2300は、1934年から勝利に勝利を積み重ねる。レースデビューは、34年の「第1回イタリアツアー」であった。ペスカーラでの24時間耐久レースには、トゥーリングが手がけたボディとスラストエンジンを装備した3台の6C 2300 Gran Turismoが参加し、総合で上位3位を独占した(これが「ペスカーラ」の名前の由来となる)。1935年から37年まで製造されたTouring、Gran Turismo、Pescaraの3バージョンは、ともにヨーロッパで初めて独立サスペンションを使ったモデルでもあった。

8C 2900

生産年 1935〜39年
エンジン 直列8気筒/軽合金・鋳鉄2ピースシリンダーブロック
排気量 2,905 cc
最高出力 220/5,300rpm(8C 2900Aレース仕様)
180/5,200rpm(8C 2900Bショート/ロング)
最高速度 230km/h(8C 2900Aレース仕様)
185km/h(8C 2900Bショート)
185km/h(8C 2900Bロング)

「世界中でもっとも速く、美しいスポーツカー」。第二次世界大戦前にアルファ ロメオが生産した「Gran Turismo」の中でも、8C 2900は最高峰のプレステージカーである。そのフォルムの美しさ、ロードホールディング性能、驚くほどスムーズな操作性は、多くの人々に感動と驚きを与えた。1934年に生産された初期バージョンの8C 2900Aは、同年のグランプリカー、Tipo Cの4輪独立懸架型サスペンションを備えた2シーターのシャシーに、同じく1シーターのグランプリカーTipo Bの2,905 ccエンジンを搭載していた。このおかげで、8C 2900Aは数々のレースに参加することができたのである。1937年、アルファ ロメオは、8C 2900Aから得た経験をもとに、熱狂的ファン向けの8C 2900 Bを発表する。ショートホイールベースの2シーター「Spider」は20台生産され、トゥーリング設計のエレガントなボディをまとったロングホイールベースのクーペ「Lungo」は10台生産された。レースでは無敵を誇り、8C 2900Aは36年の「ミッレ ミリア」でデビュー、参加した3台とも上位3位を独占。38年の「ミッレ ミリア」でも上位3位まで入賞を果たし、8C 2900 Bの勝利とほぼ平行して、39年まで連続して優勝を飾ることになる。

12気筒/Tipo A

12気筒/Tipo Aグランプリ1シーター 1931年/12気筒モデル
生産年 1931年
エンジン 直列6気筒ツインエンジン/軽合金製エンジンブロック
排気量 3,504 cc (エンジン1基につき1,752 cc)
最高出力 230ps/5,200rpm (エンジン1基につき115ps)
最高速度 240km/h

「ペースメーカー」。12気筒エンジンとともに、1シーターの時代が始まった。それぞれが1,752 ccの排気量を持つふたつの6気筒エンジン、エンジンと一体化されたふたつのトランスミッション、2本のドライブシャフト、さらに各ホイールを制御する円錐型のアセンブリーをリアに備えたモデルが、高速サーキットでのドライビングのために製造された。モンツァでの練習走行、そして「コッパアセレボ」での圧倒的な勝利は、その速さの実証であった。幾つかの小さな変更を必要としていたものの「これは素晴らしい車である」とエンジニアたちは確信した。オリジナリティ、斬新さ、スピード、パワーを兼ね備え、あらゆる路面で安全だった。Tipo Aはわずか4台しか生産されなかったが、1936年、37年の12気筒モデルには、大きな変更が加えられ、優れた技術的特徴を持った車が生まれた。

P3

生産年 1932〜33年
エンジン 直列6気筒/2ピース軽合金製エンジンブロック
排気量 2,654 cc
最高出力 215hp/5,600rpm
最高速度 232km/h

「もっとも美しい1シーター」。1932年に生産されたTipo Bは、洗練された優雅なモデルで、先駆となった「P2」を記念して後に「P3」と名前が変わったが、「天才」ヴィットリオ ヤーノが設計したグランプリカーである。モンツァでレースデビューを果たし、またしてもアルファ ロメオが勝利を収めてしまう。ヌヴォラーリが運転した「Nuvola」は、時速167.52 km/hを記録し、トップでゴールインした。P3には、斬新な技術がさまざまなところで使われていたが、もっとも独創性にあふれていたのがギアボックスと一体化したディファレンシャルギアと、V字型に配置された2本のドライブシャフトである。ボディの中心にドライバーズシートが設置された後輪駆動のP3は、計6台が生産された。

1935ツインエンジン/Bimotore

生産年 1935年
エンジン 直列8気筒ツインエンジン/軽合金2ピースシリンダーブロック
排気量 6,330 cc (3,165ccx2)
最高出力 540hp (270hp/5,400rpmx2)
最高速度 325km/h

「光速で走る車」。スピードという点では、記憶に残る高性能を示した1シーターのマシンである。エンツォ フェラーリのためにルイジ ヴァッツィが設計したツインエンジン搭載の「Bimotore」は、1935年にトリポリ、チュニジ、ランスで開かれたレースでドイツ車と競争するために造られた。一方で、3,822 ccの8気筒エンジン、さらに4,046 ccの12気筒エンジン搭載の新しいアルファ ロメオの開発も進められていた。ふたつのエンジンを前後、ひとつは前に、もうひとつをリアのギアボックス クラッチとシートの間に配置。された。この「Bimotore」のアイデアは、フロントノーズを短くする上では独創的な解決策だった。この車は、2台だけしか生産されていない。