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2011.04.22

ひとは、誰一人として掛け替えの無い、心を持っているのだから

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村上裕
心理カウンセラー

村上裕さんはゲイの心理カウンセラーだ。セクシャルマイノリティのカウンセラーでも、LGBTのカウンセラーでもなく、ゲイの心理カウンセラー。村上さんのブログを見ると、彼があえてそう名乗る理由が記してあった。

「セクシャルマイノリティという言葉は、現代の日本ではLGBTに置き換えられます。(中略)しかし、この4つのセクシャリティはセクシャルマイノリティ(性的少数派)であるという共通性があるだけで、別々なセクシャリティなんです。そう考えたとき、ゲイにとって困ること、レズビアンにとって困ること、バイセクシュアルにとって困ること、トランスジェンダーにとって困ること、は、それぞれ違うものではないかと思うのです。」

たしかにそうだ。セクシャリティにおける少数派という意味でLGBTというくくりが存在しているが、互いのコミュニティの関係性はさほど強くはないのだと、あるレズビアンの女性も話していた。

ブログの文章はさらに続く。「私はゲイなので、ゲイとしての視点や、ゲイとして困ったこと、悩んだことは実感しています。そして、そのゲイとしての視点、困りごと、悩み事も、ゲイひとりひとりで異なっています。ですから、私には、他のセクシャリティ当事者の状況を実感することはできないと感じるのです。もちろん、セクシャリティが違っても、心理カウンセリングは成立します。心理カウンセリングは、心のコミュニケーションだからです。どんなふうに表現されるセクシャリティでも、ひとは、誰一人として掛け替えの無い、心を持っているのだから。」

彼の言葉はとても丁寧で、論理的で、相手への思いやりに満ち、それでいて強い信念が感じられた。その印象は、実際に会って話をしてみることで、確信へと変わる。

「自分も生き方やセクシャリティに悩んでいた時期があります。病院へも行けないし、相談する相手もいない。とにかく誰にも言えない時代でしたから。今は、セクシャルマイノリティの存在は認められつつありますが、状況はさほど変わっていません。悩んで苦しんで病院に行っているのに、治療者が「ゲイ=異常」と決めつけている。ゲイとして生きるのはその人にとって自然なことなのに、異常だ、かわいそうだ、特殊だと、悩みを取り除くはずの治療者がそう思いこんでいるんです。これでは悩みから解放されるわけがない」

この上なく優しい語り口調は、村上さんがふだんどんな風に相談者と接しているかを想像させてくれる。彼と語らうことで、悩みから解放される人はとても多いだろうと思った。そして、トランスジェンダーもゲイもレズビアンもバイセクシャルも全く特殊な存在ではなく、自然なことなのだとあらためて思う。

村上さんのブログの文章は、こんな言葉で締めくくられていた。「過去にはとても悩み、苦しみ、いま私は、ゲイとしての自分が好きです。だから、ゲイではないセクシャリティの方にも、敬意を持っていたいと思います。」

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