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2013.06.18

イタリアが誇る帽子の最高峰、ボルサリーノ


ボルサリーノは企業名であり、同社が作り出す帽子のブランドである。しかし一方で、「クラウン(頭部分)トップにdent(くぼみ)を持たせたCenter Dent、前部をpinchした(つまんだ)Front Pinchのフォルムを持つつば付き帽子」そのものをボルサリーノと呼ぶ人もいる。それくらい、ボルサリーノの名は世界に知れ渡っているのだ。

世界に帽子メーカーは数あれど、ボルサリーノがこれほどまでに高く評価され続けているのはなにゆえだろうか。150年の歴史。伝統に忠実な製法。最高級の素材。それらは無論、ボルサリーノをボルサリーノたらしめる構成要素のひとつである。しかし、それを上まわる大きな理由は圧倒的なスタイルの良さではないだろうか。実際に被ってみたとき、かっこよく決まる。その単純な理由こそが最も重要であることは、誰しも納得がいくだろう。

ブリム(つば)6.5cm、クラウン11cm。「ボルサリーノ型」とも呼ばれるベーシックデザイン。パナマの中でもクオリティの高いエクストラファイン素材ならではの白亜色が高貴な印象を際立たせる。一度着用すれば、その被り心地とスタイルの良さに、ボルサリーノだけの風格を実感するはず。/PANAMA EXTRA FINE 75,600円

唯一無二のデザイン!世界最高峰の帽子!

まずご紹介したいのは盛夏帽の代名詞、パナマハット。パナマという名からパナマ共和国産のイメージがあるかもしれないが、世界に流通するパナマハットのほとんどはエクアドル製である。原料はエクアドルに生息する椰子科の植物、トキヤ草。その若葉を細かく裂いて日にさらし、それを手で密に編んで作られる伝統工芸品で、発祥は14世紀にまでさかのぼるともいわれる。

それだけにパナマハットは他社からも多数販売されていて、手頃な値段のものも多い。しかし実際に被って比べてみていただきたい。ボルサリーノの特徴である高いクラウン、深い中折れは、被ったときに耳に当たらず被り心地がいいだけでなく、スタイルとして優れていることがわかる。ブリムの広さ、楕円の形状もしかり。この唯一無二のデザインこそが帽子の真骨頂であり、ボルサリーノ最大の魅力なのだ。


 
素材が持つ光沢感、デザイン性の高さはもちろんのこと、手作業で施される編み上がりの緻密さはまさに別格。実際に被るとじつに涼しく軽やかで、盛夏でも快適。/PANAMA EXTRA FINE 75,600円

そして、そのスタイルの良さは先ほども述べた伝統・製法・素材の良さに裏打ちされたものであることは言うまでもない。すべてにおいて妥協がないからかっこいいのだし、ワンシーズンでダメになってしまうような代物でもない。手入れと保管状態さえよければこのかっこいい形がよれることもなく、それこそ一生もの足りうる逸品なのだ。世界広しといえでも、これほど完成度の高い帽子がほかにあるだろうか。

世界最高峰のパナマハットとして知られるMONTECRISTI。この名は、産地である町の名前からついた。細やかな編み目の美しさは目を見張るほど。素材の良さとその緻密さのおかげで、極上の質感と被り心地が生み出されている。/PANAMA MONTECRISTI EXTRA FINE 210,000円
 

年間3個!? 職人によって作られる別格のパナマハット!

ところで、ボルサリーノ社の帽子は自社工場で作り上げられるのが基本だが、パナマハットに関してはエクアドル産の帽体(帽子のひな形)を使用する。これはどのメーカーにも共通のことで、いかに質のいい帽体を目利きし、いかに質のいい仕上げを施すかが、パナマハットの完成度を左右するといえる。

パナマハットは素材や製法によりクオリティが明確に分かれる。ボルサリーノのパナマはいずれも厳選されたトキヤ草を若葉のうちに刈り取り、硫黄でいぶすことで美しい色合いに仕上げている。これを元に帽体が作られるのだが、編み込まれる前にすでに階級が分類されており、たとえば最上級のMONTECRISTI EXTRA FINE COLLEZIONEは自生種のみを使用し、6〜7ヵ月もの月日をかけて手作業で編み込まれていくという。こうして、指折りの職人でも年間で3個完成できるか否かといわれるほどの希少な逸品が出来上がるのだ。

左はEXTRA FINE、右はMONTECRISTI EXTRA FINE。いずれも手作業でしか成し得ない緻密な仕上がりだ。

ボルサリーノ社の目利きにかない、イタリアに渡った帽体はさらに熟練の職人の手によって吟味され、ようやく市場へと出回る。創業者のジュゼッペ・ボルサリーノが残した「効率のために、いかなる品質を犠牲にすることもできない」というブランド哲学は時代を経てもかたくなに守られ、世界最高品質の帽子を生み出し続けることを可能にした。

伝統的なコロニアルスタイルとも表現されるOPTIMO(筋入り)タイプ。オプティモとはクラウントップにラインがあり、おりたたみできる帽子のこと。目が粗いパナマなら割れてしまうところだが、それを可能にするのはMONTECRISTIの緻密な編み上がりだからこそ。トップが盛り上がったデザインは軽やかで、白亜の色合いと細いブラックリボンがエレガントな印象を与える。/PANAMA MONTECRISTI OPTIMO 89,250円(専用の木箱付き)
 

「いつか被ってみたい帽子」と、憧憬の念を込めて語られるボルサリーノ。品質の高さ、身につけたときのかっこよさは折り紙付きだし、一度手にすれば耐久性も実感できる逸品だ。しかしやはり、初めて手にするときは「どれを選ぶべきか」「まだ早いのでは?」と迷ってしまうかもしれない。そんな人にもおすすめしたいのが昨年登場したニューライン、Borsalino18.57。

トキヤ草を用いて手編みで仕上げるパナマハットに対し、Borsalino18.57はテープ状に加工した天然ストロー(麦)を縫う「ストローブレード」の製法を用いたもので、1.5万円程度〜という価格帯を実現した。/Borsalino18.57 BJ103 18,900円
 

創業年号を冠したBorsalino18.57は、もっと日常的に、そしてもっと多くの人たちにもボルサリーノを愛用してほしいという願いを込めて誕生したという。価格こそ低めに抑えられているが、ボルサリーノならではの上質さやかっこよさは無論、存分に味わえるとあって、要注目のラインだ。


 
ボルサリーノは、スーツやジャケットと合わせるフォーマルなスタイルにはもちろんだが、ポロシャツやTシャツでラフに着こなすのもかっこいい。短髪でも長髪でも着こなせるし、女性が被っても素敵に決まる(女性には、57cmサイズがおすすめ)。/Borsalino18.57 BJ103 18,900円
 



 

被った後にブリム(つば)を上げるとカジュアルで明るい印象になり、下げるとシャープでシックなボルサリーノらしいスタイルになる。また、ブリムが広いほうがエレガントな印象を与えるので、選ぶときの参考に。パナマであれBorsalino18.57であれ、実際に被ってみて帽子との「出会い」を楽しみたい。

ライトグリーンの色合いがさわやか。麻科の植物シゾールで編まれた、適度な張りと強さ、心地よい清涼感が特徴のパラシゾールハット。Bianchi Puri(Pure White)をテーマとする、ロマンティックなモデルだ。/PURE WHITE 35,700円

麻を使用し、ライトグリーンのリボンをあしらった2013年春夏コレクション。女性が被ればかわいらしく、男性が被ればダンディに決まる。/LINEN CONTRAST RIBBON 23,100円

 

イタリアが誇る帽子の最高傑作。「いつかは」ではなく、「今こそ」手にしてみてはいかがだろう。男性の和装にしっくりはまるのも魅力のひとつなので、夏、浴衣姿の仕上げに被るのもおすすめだ。

ボルサリーノ ジャパン

撮影 SHIge KIDOUE
取材・文 山根かおり

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