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2012.09.10

エンニョ・カパサのEdgy Chicを着る〜CoSTUME NATIONAL〜

ファッションとは、着る人自身が満足感を得るための要素であると同時に、周りに対して自己を表現する有効かつシビアな手段でもある。

たとえば「このクルマに乗るにはどんな服装がふさわしいか」という視点でファッションを解釈し、
を選んでみるのも悪くない。トレンドや流行を追い求めることなく、一貫性のある独自のデザイン。それでいて時代の流れを敏感に感じ取り、とがった感性と上品でシックなラインを併せ持つ世界観。それがAlfa Romeoにふさわしいスタイルだとすれば、ブランド創立時から「Edgy Chic(エッジーシック)」と評されるCoSTUME NATIONALはまさにぴたりと当てはまる。

前身頃がウールで後ろはレザーという、異素材を合わせたメンズジャケット。前から見ると仕立てのいいジャケットだが、背中はカジュアルなブルゾンにも見えて、着てみるとじつに味わい深いニュアンスがある。テーラリング技術の高さを物語る一着。
細かなチェック柄のメンズシャツ。前と後ろで生地が異なり、背中側はシンプルな無地のブラックで、カジュアルにもフォーマルにも着こなせる。


世界を魅了するCoSTUME NATIONAL

CoSTUME NATIONAL(CN)は、イタリア・レッチョ出身のデザイナー、エンニョ・カパサEnnio Capasaが兄カルロとともに、1986年に創立したブランドだ。同年に開かれたミラノでの初コレクションでは、独創的でセクシーなフォルムでありながら、洗練されたミニマルなレディースラインを披露。コレクションでモデルだけが着こなせるような非日常着ではなく、普段着としても通用する新たなスタイルを打ち出して見せた。以来、タイトで美しいシルエットにダークカラーとナチュラルトーンを最良のバランスで組み込み、素材にもこだわり抜いて、世界のファッションシーンから支持を集めている。

東京・青山に、アジアと日本における旗艦店CoSTUME NATIONAL Aoyama Complex(CNAC)がオープンしたのは今からちょうど1年前。エンニョ自らショップデザインのディレクションにあたり、CNの世界観を具現化した複合施設だ。ファッションシーンに向けた発信にとどまらず、アート、建築、デザインなどさまざまな分野を横断的にカバーしながら、より先鋭的で質の高いコンテンツを提供している。

エンニョ・カパサが手がけたAlfa Romeo TZ3 Stradaleのインテリア。TZ3 Stradale自体、世界に3台しか現存しない特別なモデルだが、エンニョデザインのこの車両は、世界に1台のみ。アルミ削り出しのワンオフパーツや本皮の使用で、CoSTUME NATIONALのミニマリズムに相通ずるシンプルかつ美しい高級感を打ち出している。写真右は、今回のイベントにあわせて来日したエンニョ・カパサ氏。

ちなみに今回、Alfa Romeo TZ3 Stradaleが展示されているのはCNAC内の「LAB」と呼ばれるアートスペースで、普段はコンテンポラリーの映像作品を中心に、美術や建築、デザインに関するレクチャー、シンポジウムなどが行われている。Alfa Romeo TZ3 Stradaleの展示は9月17日までなので、この機会にぜひ足を運んでいただきたい。

CNACのメイン施設であるCoSTUME NATIONAL Aoyama Storeは、コレクションの世界観にふさわしいミニマルな空間。青山店限定の商品リリースや、ロイヤル・カスタマー向けの独自サービスなども行っている。1周年記念のノベルティTシャツも登場予定。

敷地内には、屋内バーカウンターと屋外テラスを持つカフェ&バー「WALL」も併設。カウンター前面と屋外テラスの壁面にはフランスの現代美術家パトリック・ブランによる国内最大規模のグリーンウォール作品「バーティカル・ガーデン」が配され、その正面には、世界的な現代美術家 杉本博司の大判作品「Guggenheim Museum,Bilbao,2000」も展示されている。MONDO ALFAでは、くしくも以前「杉本博司 ハダカから被服へ」(リンク貼る)http://mondo.alfaromeo-jp.com/art/1996という、ファッションへの示唆に満ちた展覧会を紹介したことがあるが、CNAC内には、ほかにも杉本の作品がさりげなく飾られていて、この場所のアーティスティックな一面を効果的に演出していた。

カフェ&バー「WALL」。落ち着いた先鋭的な空間で、こだわりのワイン、シャンパン、カクテルなどハイクオリティのメニューを提供。

CoSTUME NATIONALの真骨頂、ダークカラーの世界へ

2012年秋冬のCoSTUME NATIONALは、ブランドの定番ともいえるダークカラーの世界を余すところなく表現している。フォーマルとカジュアルの境界線をなくすかのようなスタイルと、スーパースリムなシルエットも健在で、「人と同じものは着たくない、でも、一過性のトレンドを追う服やブランド名を強調しすぎたデザインは避けたい」という高感度な人に支持されるラインナップだ。

メンズは、ブラックを基調にネイビー、コバルトブルー、深いグリーン、アイスグレーなどを展開。ウールやレザー、エナメル、ファーといった上質な異素材のコンビネーションや、チェック柄など、再構成されたテーラードのジャケットをスタイルの核に据えた。マスキュリンでありながら大人の遊び心を演出するデザインが印象的。

(写真提供:CoSTUME NATIONAL)

一方のレディースも、ブラックを中心に、カパサが常に語っている「ロックなインスピレーション」をストレートに落とし込んだデザイン。ダイナミックなカッティング、パワフルでありながらフェミニンな美しさをかもしだすレザーの質感、高級感のあるウール、シャープに仕上げたブーツなど、絶妙なバランスで女性の「強さ」と「美しさ」を表現している。都会的で洗練された、CoSTUME NATIONALの真骨頂だ。

レディースのニットライダース。タイトでフェミニンなシルエットが特徴だが、素材の良さと立体的な裁断のおかげで、実際に着てみると非常に動きやすく、疲れない。
この秋おすすめのブラックレザーのアンクルブーツ。ロックな要素をただよわせながらも、シックで美しいシルエットを完成させる。


CoSTUME NATIONALが生み出すファッション。その真価は、デザインやフォルムにだけあるのではない。物づくりにおいても常にオーセンティックであることにこだわり、イタリアの伝統的なテーラード技術と、レーザーカットなどの最新テクノロジーを融合させ、ハイクオリティな仕上がりを維持している。素材、カタチ、カッティング、縫製。何ひとつとして手を抜かないからこそ、フォーマルとモダンエレガンスを兼ね備えた、「着てみたときに最もかっこいい」と感じられる衣服が生み出されるのだ。本物を知る人の本物のおしゃれが、そこにある。
 


CoSTUME NATIONAL Aoyama Complex
http://www.cnac.jp/

撮影 SHIge KIDOUE

取材・文 山根かおり

企画も手がける編集ライター。利き酒師。クッキングインストラクター。おいしいもの、こだわりの人、すてきな場所、丁寧な手仕事を目にすると、「もっと多くの人に伝えたい」と思わずにはいられない。旅と食が好き。旅先で地元の人が利用する市場やスーパーで調味料や食材を買い込み、帰国してからその味を再現するのが目下の楽しみ。Mondo Alfaでは、カメラマンの夫と共に真にすばらしいモノやコトを探して伝えている。

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