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2015.05.01

カラーリスタのセンスが伝統的に抜群なのもアルファ ロメオ。

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カラーリスタのセンスが伝統的に抜群なアルファロメオ

僕がここ数年の愛車にしているアルファ ロメオ166を手に入れることに決めた理由と今も気に入って乗り続けている理由は、とても幸せなことにイコールで結ばれています。

その第一の理由は、美しいオーケストラ・サウンドを奏でてくれる、昔から大好きだった伝統のアルファV6ユニットを搭載していることにありました。正直に当時の気分を述べるならば、実はV6ユニットを積んでいるモデルであればどれでもいいと思っていたくらいです。むしろタイプ916のGTVやスパイダーが最有力候補で、次点はもっと古いフラッグシップ・サルーンの164。166はその次、みたいな感じだったといってもいいでしょう。

なのにどうして166だったのかといえば、それこそが第二の理由でもあるのですが、他には類のない特徴的なスタイリングに驚くほどマッチしていた、“オーロラ”と名付けられている他では見たことないボディカラー、です。とあるクルマ屋さんでバッタリと出逢ってしまい、綺麗さっぱり一目惚れして、その場で購入を決めてしまいました。もしそのクルマ屋さんにあった166がそのカラーでなかったとしたら、僕は166を買ってなかったかも知れません。そのくらいのインパクトだったのでした。

“オーロラ”というボディカラーの特徴は、まさしく名前のとおりです。オーロラにも似た絶妙の色味が、オーロラのようにいつ何時どのように出てくるか、予測はつかないけれど必ず浮かび上がってくる。そんなボディカラーなのです。

例えばカンカン照りの強い光の下では、ベージュっぽい白というかオフホワイトというか、全体的にはそんな感じにしか見えないのですが、そうしたときでも光の当たり方の異なる部分──例えばドアミラーの下側だとかボディサイドを前後に貫く抉れたようなプレスラインだとかバンパーの下側など──には、妖しいグリーンともブルーともつかない微妙な色が浮かび上がります。明け方や夕方、曇りの日や雨の日などの光そのものが微妙なときには、車体全体がその不思議な色のグラデーションに包まれます。その美しさといったら、ちょっと言葉で表現することができないくらいなのです。

この“オーロラ”は、2000年と2001年の2年間だけ、166にオプションとして設定されていたボディカラーでした。そのエクストラコストは、確か30万円近くだったかと記憶しています。そのためこの色をチョイスした人は少なく、今となってはかなり希少な存在といえるでしょう。また166にはボルケーノ・ブラックという、基本的にはブラックなのだけど光の加減で暗めの赤やパープルが見え隠れするカラーが設定されていたり、オーロラがカタログから落ちてからも“ヌヴォラ・ブルー”と“ヌヴォラ・ホワイト”という、それぞれ基本的にはブルーやホワイトなのだけど光の加減で部分的にあるいは全体的にゴールドっぽい輝きを見せるカラーが用意されたりしました。そしてオーロラは唯一の例外として、それらのカラーは166だけでなく、他の一部のモデルにも設定された時期がありました。

思い返してみればアルファ ロメオには、そうした絶妙なボディカラーというのがたくさんありました。それぞれのモデルが個性的なスタイリングをしていて、それをよく活かすための印象的なカラーが用意されてきたのです。古めのところでいえば、例えばジュリアの時代のマスタードっぽい少しくすんだイエローや鮮やかな(?)マルーンなどはそうでしょうし、155のシャンパン・ゴールドというほとんどシルバーに近い微妙でキメの細かなゴールドも、ブレラや現行のジュリエッタ クアドリフォリオ ヴェルデで選べたツヤ消しグレイ辺りもその類でしょう。それらは王道に分類される色ではありませんでしたが、驚くほどクルマのスタイリングや雰囲気にマッチするのです。アルファ ロメオのカラーリスタは、伝統的にセンスが抜群なのでしょうね。

自分なりのバランス感覚で色を決める

ボディカラーに関しては、フランスはブルー、ドイツはシルバー、イギリスはグリーン、日本はホワイト、そしてイタリアはレッドといったイメージをどことなく思い浮かべる方も多いことでしょう。それは1960年代終わり頃にスポンサーカラーを採用するチームが増えるまで、FIA(国際自動車連盟)によって指定されていたナショナル・カラーに車体をペイントしたクルマでモータースポーツが争われていたことの名残、といえるでしょう。

アルファ ロメオはイタリアのクルマであり、またブランドとして情熱的なイメージがあることも影響して、日本では赤が選ばれることが多いです。またどのモデルも概して赤が似合うクルマでもあることは、認めざるを得ないでしょう。

でも、ひとつとても興味深いお話もあるのです。イタリアで街を走っているクルマや路上駐車しているクルマを観察したことのある、ちょっとヲタクなクルマ好きの方ならお気づきのことかと思いますが、現地ではあまり赤いアルファ ロメオというのを見掛けません。例えば白、黒、銀、紺、緑……というような、控え目な色であることが圧倒的多数です。……なぜ? 僕は最初にイタリアに取材にいったときからずっと疑問に感じていたのですが、あるときその疑問は呆気なく解けたのでした。

それはモータースポーツの世界とスポーツカーの世界に様々な伝説を残したとあるイタリア人の真の人物像を確かめたくて、その人物の没後20周年を迎える年に北イタリアのあちこちで関係者に聞き込み取材をしたときのことでした。その人物には右腕と呼ばれるべき人と左腕と呼ばれるべき人がいて、その左腕さんが紺色のアルファ156スポーツワゴンに乗っていたのです。僕はこらえきれずに質問してしまいました。なぜ赤じゃなくて紺なの? なぜイタリア人は赤いアルファ ロメオを選ばないの? 彼の答えは単純明快でした。

「いや、アルファ ロメオだから、私は赤を選ばなかったんだよ。だってクルマのスタイリングがこんなに華やかなのに、そのうえ赤なんていう鮮やかな色を選んだら、あまりにも派手すぎるだろう? 私の感覚ではeleganza(優美・上品・洗練)だとは思えないんだよ。私のライフスタイルにも赤いクルマは似合わない気がするしね。つまりバランスの問題だ。他のイタリア人がどう考えてるかなんて判らないけど、おそらく同じようなものだと思うよ。……日本ではアルファ ロメオは赤ばっかりなのかい? なるほど、意外だけど、まぁ解らないわけじゃないよ。そういうイメージは確かにある。アルファ ロメオのレーシングカーは確かに赤がよく似合ってたしね」

彼はその当時、おそらく70代の半ば過ぎくらいだったかと思います。でもイタリアのオヤジ達が年齢に関係なく着たい色の服を着て気に入った色のパンツを履いて……という性質を持つことは、皆さん御存知のとおり。彼も年齢を全く感じさせない伊達男っぷりで、綺麗なピンク系のパンツを身に着けていたのが印象的でした。つまり「トシだから」ではなく「バランスが悪くなるのがイヤ」で、アルファ ロメオのボディカラーに地味色を選んだというのは明白です。それがセンスというものなのかも知れませんね。

他にも何人かのイタリア人に似たような質問をしてみましたが、オモシロイように答えが似通っていたのには驚かされました。ちょっと感銘を受けました。

僕に関していうなら、元々どういうわけか赤いクルマは“嫌いじゃないけど選べない”という意味のない照れみたいな感覚があって、おそらくこれからも赤いアルファ ロメオは選べないような気がしています。だから別の選択肢の中からカラーを選ぶことになるのでしょう。今だったら、ジュリエッタに設定されている“ムーンホワイト”というカラーを選ぶでしょうね、間違いなく。光の当たり具合でホワイトにもシルバーにも、極めて淡いブルーにも限りなく白に近いグレイにも見える、とても奥ゆかしいけどその実はかなり雄弁な感じの色です。自分の166のオーロラに、ちょっと性質が似てるから気になるのかも知れませんね。

赤を選ぶのもこだわり、あえて赤じゃない色を選ぶのもこだわり。元より誰もが好きでもない色のクルマなんかには乗りたくないわけです。アルファ ロメオのデザイナーやカラーリスタは、そうした気持ちをちゃんと理解してくれているようで、生まれてくるクルマ達はそのどちらもやすやすと受け入れてくれる懐の深さを歴史的に持っています。

彼らは決して言葉でそんなことを主張したりはしないけど、そういうところに長い時間をかけて培われた哲学や美学めいたものが見え隠れして、ますます気持ちが掻き立てられてしまうのですよね。

<Alfa Romeo 105th anniversary Support>

実施期間:2015年5月1日~(ご成約かつご登録分)
対象モデル:ジュリエッタ スポルティーバ
◎「レザーシート」+「メタリックカラー」無償サポート
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