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2017.01.01

テクニックが先か、パッションが先か 「酉 black」を手掛けたアーティスト森勉氏に聞く

2017年が幕を開けた。アルファロメオは新たに「アルファロメオIQ・EQ」をスタート。その第一弾として、今年の干支にちなんで「鶏が先か、卵が先か?」を問うプレゼント企画を実施。その賞品のひとつ「酉 black」を手がけた森勉氏は、「IQが先か、EQが先か」の問いにどう答えてくれたのだろうか?

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“技術”と“情熱”の相互作用がいい作品を生む

いま、アート界で注目される若手のひとりが、ファッションデザイナーとしても活動する森勉(もり べん)氏だ。主に動物をモチーフに、点描の技法を用いて描く絵には独特の立体感があり、近年は東京やニューヨークで開かれるアートフェアでも注目を集めている。

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森勉(もり べん)氏 東京生まれ。日本人の父とアメリカ人の母を持つ。祖母はファッションデザイナーの森英恵さん。慶応中学を卒業後、イーストコーストのスクールへ。その後、RISD(ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン)に入学、グラフィックデザインを学ぶ。卒業後は帰国し、アーティスト、ファッションデザイナーとしての活動を開始する。

その森氏がSEZON ART GALLERYで個展を開催していると聞いたので、お話をうかがうために訪ねた。ちなみにこのアートスペースは、セゾン現代美術館が東京の神宮前に設立したもの。もっと普段からアートに触れるべきだという、「芸術の日常性」がテーマになっている。

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森氏が2016年12月3日から25日まで個展を開いたセゾンアートギャラリー。森氏のアトリエもこの建物の中にある。ほかに展示・販売を行うギャラリーや、対話の場となるカフェ・ダイニングバーも併設する。

今回の個展のタイトルは“A MOMENT IN MOTION”で、十二支をテーマにした連作だという。会場に入ると、カラフルで少しユーモアを感じさせる十二支の動物たちが、キャンバスから飛びださんばかりに躍動していた。さっそく森氏にお話をうかがう。まずお聞きしたかったのは、森氏が創作活動を行うにあたって何を大事にしているかだ。

「まず考えているのは、テクニックとパッション。両方が必要です。このふたつは相互作用しあいます。しっかりとしたテクニックがなければ、どんなに素晴らしい感性を持っていても表現することはできない。その一方で、こんな絵を描きたい、あんな色を表現したいという強いパッション、モチベーションがなければ、どんなに技術が上手でも人の心を打つことはできません。テクニックが備わると、さらなるパッションが生まれ、そのパッションがテクニックを高める。こうしてお互いがうまく循環して、いい作品ができるのだと思います」

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アトリエで創作活動に打ち込む。この龍を描くのに、1カ月近くがかかるという。

アカデミックな言葉を借りれば、論理的な知性を表すIQ(Intelligence Quotient)と、前向きな心の動きを表すEQ(Emotional Intelligence Quotient)の相互作用ということだろうか。

「はい、そうだと思います。絵を描くテクニックというのは努力すれば身につくものですから、常に技術を磨くよう心がけています。そうしていると、『これを描きたい! 伝えたい!』というエモーショナルな欲求が湧いてきます。面白いもので、個展を見た人から人気があるのは、心の底から描きたいと思った作品ばかり。パッションというのは、素直に作品に表れるものなんですね」

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今回のギャラリーの“A MOMENT IN MOTION”というテーマは、森さんによれば「動作のなかのひとコマ」という意味だという。イメージしたのは、干支のレースだった。

感性やセンスを表現するには、技術の習得が必要だ

森氏が、点描というスタイルに出会ったのは、小学生の時だったという。

「いまでもそうなんですが、子どもの頃から動物が大好きなんです。特に爬虫類が好きで、ワニを格好よく描きたかった。ワニのウロコを正確に、美しく表現するにはどうしたらいいかを考えて、小学生の頃に鉛筆で点描を始めたんです」

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創作にはさまざまな種類の塗料を使いこなす。その使い分けるのも技術のひとつだとか。

ワニを描きたいというエモーショナルな衝動から、点描という技術をマスターしていった。つまり森さんは、絵を描き始めた時点ですでにIQとEQが両輪になっていたのだ。

「大学はアメリカの美大に進みまして、そこでもいろんな技術を学びました。ペンキのドリッピングという技術やスプレーのテクニック、マーカーでアウトラインを描く作業、紙をカットするカッティングなどなど、僕の絵が完成するには10ぐらいの工程があります。それぞれの工程の技術すべてが大事なんですね」

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マーカーでアウトラインを描く工程。点描は仕上げの段階になってから。

今回の個展に出展した作品のなかでも、森さんが特に気に入っているもののひとつが、「酉 black」だ。

「点描の性格から言って、どうしても静止した雰囲気の絵になりがちなんですね。でも、動きを出すことにチャレンジしたかった。そこで、キャンバスの上で絵の具をスクイージー(水分を取り除く作業)した、ドライプッシュ(絵画技法のひとつ)に似た技法を試しています。結果として背景に流れが生まれて、酉に動きができたと思います」

なるほど、新しい技法によって、「動きを出したい」という想いが実現したのだ。ここでもIQとEQが両輪となっている。

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この「酉 black」を、読者にプレゼントする理由は、IQとEQが表現活動、創作活動の両輪となっていることを象徴しているからだ。

森氏のお話を聞いていると、アルファロメオのクルマづくりの理念に近いものを感じる。アルファロメオも、モータースポーツ直系の技術を市販車に惜しみなく投入し、時代の一歩先をいく走行性能やデザインが人々を魅了してきた。飽くなき探究心と技術の革新が高性能モデルを次々と生み出し、発展してきた経緯がある。

たとえば、官能的と誉れ高いエンジンも、その感性に響くフィーリングには、技術の裏付けがあった。半球型燃焼室、DOHC、ツインスパーク、Q4 (四輪駆動システム)など、その時代時代の先端技術を取り入れ、心を震わせる官能性を両立してきた。アルファロメオの各モデルもまた、IQとEQを両輪にして走っているのだ。

作品を生み出す創作力を掻き立て、さらなる高みへと向かわせるIQとEQ。そうしてできあがった作品は、人の心を打つ力を備える。そこに極致はなく、常に進化を繰り返していくのだ。

「アルファロメオIQ・EQ」プレゼント応募ページ

1830年創業、「クリストフル」のカトラリーが実現する食卓のエレガンス

文 サトータケシ
写真 荒川正幸

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