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2015.11.26

従来の“福祉”の印象を覆す超福祉展が開催 アルファ ロメオに装着可能なディーラーオプションの運転補助装置も出展

NPO法人ピープルデザイン研究所主宰による、これからの福祉が体験できる展示会「2020年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう展(超福祉展)」が、11月10日から16日にかけて渋谷ヒカリエで開催された。福祉を超えた“超福祉”とはどんなものなのか。会場の模様をレポートする。

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「超福祉展」のパンフレットには、福祉に対する従来のイメージや意識のバリアを取り除く、福祉を超えた展示会、といった内容のことが書かれていた。これは面白そうだと足を運んでみると、なるほど渋谷ヒカリエの会場には、今までの医療機器や福祉機器とは大きく印象の異なるデザインの豊かな福祉機器がずらりと並べられていた。

2020年を想定しているとあって、身体の一部をカッコよく演出する補助器具や「乗ってみたい!」と思わせるパーソナルモビリティなど、ファッションの一部になりそうなものもある。

151126_Alfa_02超福祉展の会場。「個々の人間は違いがあって当たり前」という価値感を渋谷から発信している。

Autonomy(身体障害者の自立)を重視するアルファ ロメオは、心をつなぎ、幸せを分かち合う“Share your heart”の考えのもと、NPO法人ピープルデザイン研究所をサポートし、超福祉展にも協賛している。また超福祉展では、身体障害者がアルファ ロメオ車に搭載することで自ら運転できるディーラーオプションのキットを紹介し、自立をサポートする提案を行った。

会場にはシンポジウム会場も用意されていた。登壇者は、街づくりを担う行政や鉄道会社の担当者、建築士、マスコミ、エンターテイメント関係者、パラリンピックに出場したアスリートなどさまざまで、アートやカルチャー、人やエネルギーの多様性など、様々な分野の専門家の視点を交えたトークが繰り広げられた。アルファ ロメオからもFCAジャパン株式会社マーケティング本部長のティツィアナ・アランプレセ氏が登壇し、「すべての人々が自分らしく生きていける社会」をテーマにした講演を行った。

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超福祉展を主宰するNPO法人ピープルデザイン研究所の代表理事を務める須藤シンジ氏は、次のように話す。
「今や“ダイバーシティ(多様性)”はその国が持続的に発展していく重要な要素になっています。このイベントの目的も多様性を受け入れ、マイノリティや福祉に対する従来のイメージを覆したい、というのがひとつあります。もうひとつは健常者も障害者もポジティブな気持ちになれる、かっこいい福祉機器を提案することです。みんなの意識が変わりクリエイティブな気持ちになる。それには使いたいと思えるデザインが大切です。私自身も幼い頃に視力が悪くて黒縁のメガネを掛けさせられたものですが、今やメガネはファッションとして着替えるものに変わった。福祉機器にもそういう感覚が広まれば、と思っています」

151126_Alfa_04NPO法人ピープルデザイン研究所代表理事の須藤シンジ氏(左)。

会場にはイタリア製の運転補助装置「Guidosimplex(グイドシンプレックス)」の体験コーナーが設けられていた。これは株式会社ジー・エス・ティー(アルファ ロメオ横浜町田を運営)が輸入販売を行うもの。アルファ ロメオ横浜町田では、下肢障害や片腕障害などに対応するこの装置をディーラーオプションとして用意し、地域の身体障害者バスケットボールチームから好評を得ているという。

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今回のシミュレーターに用いられていたのは下肢障害者向けのもので、アクセル操作はハンドルの奥に設置されたリングを指先で左右にスライドさせて行う。実際に試してみると、ハンドルから手を離さずにアクセル操作ができるのでクルマの動きをコントロールしやすい。またハンドル下に設置されたレバーを押して操作を行うブレーキも、慣れれば直感的に扱えそうだと感じた。グイドシンプレックスはデザインと機能性を両立させた製品とあって、インテリアの雰囲気を崩さないのもいい。

151126_Alfa_08ピープルデザイン研究所とアルファ ロメオ横浜町田のタイアップにより実現した、グイドシンプレックス補助装置のデモンストレーション。実際にシミュレーターで運転感覚を試してみた。

会場にいらした株式会社ジー・エス・ティーで輸入車の販売を行っている庄司さんは「これらの器具を使えば、事故などで障害を負われた方でも運転を楽しむためのお手伝いができます。輸入車販売というのは夢を売る仕事ですので、健常者と同様に障害者のお客様にも夢を売れることが嬉しいですね」と笑顔で答えてくれた。

151126_Alfa_09運転補助装置の取り付け加工に費やす時間はおよそ一週間程度という。運転者にドライビングポジションをとってもらい、最適な位置に取り付ける。健常者と障害者のどちらでも使用可能。車検にも対応している。

このほか会場を回っていて目についたのは、「HACK berry」という製品。喜びを“シェア”するという発想から生まれた、ひじ先の欠損を補う筋電義手だ。製品に使われているすべての部品の設計図がオープンソースで公開されており、家庭用3Dプリンターで作成可能とした。2015年度グッドデザイン金賞を受賞している。

151126_Alfa_05「HACK berry」は、手を失った人の腕の筋肉の動きを電気信号に変えて動く義手。義手は、高価な価格やユーザー自身で修理が困難、デザインの選択肢が少ないなどの課題があるなか、この製品は製造方法を見直し、部品交換の簡易化や低コスト、さらにはカスタマイズの可能性を実現した。

151126_Alfa_06低反発クッションを用いた居心地のいいシートに座り、前後左右に動くコントローラーを手の平で操作すると、自在に移動できる新しいタイプの電動クルマ椅子「WHILL Model A」。歩行が困難な障害者の「100m先の移動を諦める」という悩みを解消するために生まれた移動手段で、思わず外に出掛けたくなる楽しさを与えてくれる。2015年度グッドデザイン大賞受賞。

最新テクノロジーを駆使したさまざまな福祉機器が展示された超福祉展。2度目の開催となる今回は、会場での展示に加え、WHILL Model Aなど発売済みの最新モビリティで渋谷の街を回るツアーも開催された。また、期間中はSHIPSなどファッションセレクトショップのウインドウに、これらのモビリティが最新ファッションとともに並べられた。超福祉という新しいトレンドは、渋谷を起点に広まっていきそうだ。

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写真 荒川正幸
文 藤島知子

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