• Mondo alfa
  • “日常がイタリアに” ジュリエッタ試乗インプレッション
2016.08.18

“日常がイタリアに” ジュリエッタ試乗インプレッション

小粋に街を駆け抜ける姿が似合う『ジュリエッタ』。実際に走らせても、ドライバーの気分を高めるものを秘めているという。モータージャーナリスト山田弘樹氏に、その印象を報告してもらった。

160818_Alfa_01_1200

イタリア車には、日常の移動さえも楽しくしてくれるところがある。それはプレミアムCセグメントのコンパクトなボディを身にまとう『ジュリエッタ』も同じ。このクルマで特筆したいのは、アルファ ロメオの名にふさわしいスポーティな走り。何気ない操作が楽しく、毎日を刺激的に演出してくれるところに、イタリア車らしさを感じるのだ。

160818_Alfa_02_1200

走らせると、混じりけのない素直な動きをする。タイヤが路面を捉える感覚を伝えながら、サスペンションはとてもしなやかにロールする。ステアリングを切ればその操作に対して素直に反応する。しなやかな乗り味でありながらキビキビ曲がるから、運転が楽しく感じられるのだ。

160818_Alfa_03_1200

アルファ ロメオのクルマづくりは、エンジニアが仕上げた試作車をバロッコ(ミラノ)のテストコースに持ち込み、そこからテストドライバーたちが吟味し、まるでイタリア料理のシェフのように“味わい”を決めていく。他のメーカーのクルマとは違って、味付けの判断の多くが人に委ねられているから、心地いいと感じる乗り味が実現するのだろう。

160818_Alfa_04_1200

乗り味は『ジュリエッタ スポルティーバ』と『ジュリエッタ クアドリフォリオ ヴェルデ』とでは想定されている速度レンジに違いを感じるが、いずれも刺激を与えてくれるところは同じ。パスタで言えば、『ジュリエッタ クアドリフォリオ ヴェルデ』のほうがよりソースのピリ辛加減が増す感覚である。ちなみにイタリア車は年次改良によって見直しが重ねられ、特に乗り心地を決定づけるサスペンションについては、モデルライフを通じて細かなところにまで仕様変更が及ぶこともある。最新型となる『ジュリエッタ』もその例に漏れないのだろう。デビュー当時よりも走りは明らかに円熟味を増している。

160818_Alfa_05_1200
エンジンは2種類用意される。『ジュリエッタ クアドリフォリオ ヴェルデ』は1.75L直列4気筒ターボ(最高出力240ps、最大トルク340Nm)を、『ジュリエッタ スポルティーバ』は1.4L 直列4気筒ターボ(最高出力170ps、最大トルク250Nm)を搭載する。

エンジンも刺激的だ。D.N.A.システムのモードを「Dynamic」に入れてアクセルを踏み込めば、芯のあるフットワークと呼応して抜群の速さをもたらしてくれる。刺激が強いのは『ジュリエッタ クアドリフォリオ ヴェルデ』だが、『ジュリエッタ スポルティーバ』に積まれる1.4L 直噴ターボのマルチエアユニットも常用域で粘り強いトルクを発揮し、走りは楽しい。かつ良好な燃費を示してくれる。

160818_Alfa_06_1200

そして、この直噴ターボエンジンの生み出す力をデュアルクラッチ式オートマチックトランスミッション「Alfa TCT」がタイムラグなく路面へと伝えてくれる。一般的なトルクコンバーター式のオートマチックに比べて圧倒的に反応の鋭いこのトランスミッションが、『ジュリエッタ』の走りをさらに鮮烈にし、スポーティ感を高めている。

160818_Alfa_07_1200

デザインについてはこれ見よがしに主張することなく、美しいシルエットを崩さないイタリアの美意識にうまく整合している。陰影が際立つサイドパネルのキャラクターラインや個性的な意匠のテールランプにもこだわりが感じられ、夜見てもひと目で『ジュリエッタ』とわかる存在感を放つ。

160818_Alfa_08_1200

官能的なクルマづくりが魅力のアルファ ロメオだが、それだけではない。新技術の採用にも意欲的だ。エンジンについては、伝統の4気筒“ツインスパーク”やV6ユニットと決別し、2009年という早い段階からダウンサイジングターボ化に取り組んだ。直噴化が進んだ現代に求められる環境性能を追求した上で“味づくり”に取り組んだからこそ、時代の要請に応えながらも、人間の五感に訴えかけるエモーショナルなクルマに完成したのだろう。

160818_Alfa_09_1200
立体的なレザーシートの造形。エモーショナルな情熱を秘めつつ、シッカリとつくられており、ロングドライブでも疲れにくい形状となっている。

休日に洋服を買いに街へ行くにも、小粋なトラットリアでパートナーと語らう時も、そして毎日の通勤でさえも。『ジュリエッタ』に乗って出かけると日常がイタリアの香りを帯びてくる。『ジュリエッタ』には日々を華やがせてくれる魅力がある。

160818_Alfa_10_1200

文 山田弘樹