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2016.09.01

生ハムの王様「クラテッロ・ディ・ズィベッロ」を提供する東京・駒場の「ピアッティ」

イタリアの食文化を語る上で欠かせないサルーミ(食肉加工品、とくに豚肉)。そのなかでも“王様”と呼ばれる極上品が「クラテッロ・ディ・ズィベッロ」だ。

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世界のVIPが愛する“生ハムの王様”

イタリア産生ハムの美味しさはアルフィスタならご存知だろう。その生ハムのなかでも、クラテッロ・ディ・ズィベッロの美味しさは別格といえる。古くは、音楽家のヴェルディが演奏旅行で故郷を離れる際に持参したともいわれ、現代でも最上級かつ希少な存在とされる。そんな逸品を日本で口にするなら、ぜひともおすすめしたいのが目黒区駒場の名店PIATTI(ピアッティ)だ。

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イタリア食材専門店「ピアッティ」オーナー、岡田幸司さん。イタリアの食に関して確かな知識、こだわり、選択眼を持つ。愛車は『アルファ 147』。アルファ ロメオ100周年イベントでは、有志代表の方に依頼され、サルーミの皿盛りを振る舞った。

オーナーの岡田幸司さんは日本におけるイタリア食材のパイオニアの一人であると同時に、生ハムを極薄にスライスしたり、パルミジャーノ・レッジャーノのホールを本場同様にカットしたりできる日本屈指の職人でもある。生ハムは空気に触れた瞬間から劣化が始まるため、本来の味を堪能するにはスライス直後に食べること。原木から切り出した生ハムの味をひとたび知れば、そのおいしさに魅了されるだろう。

極薄切りで味わう、シルキーな口どけと芳醇な旨味

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選りすぐりの逸品を見事な極薄切りにするため、口のなかですっととろけ、香りと旨味と余韻が存分に味わえる。酸化した切り口表面は提供しないという真摯な姿勢、そこから生まれる絶品の味わいにファンは多い。

岡田さんがクラテッロ・ディ・ズィベッロをスライスした瞬間、芳香が広がった。少し離れたところからもマンゴーのようなメロンのような、濃厚でフルーティな香りが感じられる。ほどよい甘さと驚嘆すべき旨味がある。シルクのような口どけで、全くしつこさがない。その上、心地よい余韻が長い間楽しめる。

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「味や香りには個体差があります。果物を思わせるくっきりした芳香のものもあれば、舌に同化するかのごとくクリーミーでミルクや木香のような複雑な香りのものも。その違いも含め、ぜひ堪能していただきたい逸品です」

旨味の秘密は、ズィベッロ村周辺特有の霧と湿気

エミリア=ロマーニャ州パルマ産の生ハム、プロシュット・ディ・パルマは日本でも有名だが、今回の主役も同じパルマ県の特産品。もも全体を仕込むプロシュットに対し、クラテッロは肉質のやわらかい臀部(でんぶ)のみを使う。

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生肉を塩漬けにし、身が締まったところで皮に詰める。それを麻紐で編んで熟成庫に吊し、白カビの力で熟成を進める。バッサと呼ばれる深い霧が立ちこめる高湿度の地域でしか成立しない味わいが特徴。〈写真提供:岡田氏〉

とはいえ、臀部ならすべてが王様級の美味しさになるのではなく、パルマ郊外ポー川南岸のズィベッロ村と周辺7村で作られたものだけがDOP(原産地呼称保護制度)「Culatello di Zibello」を冠し、王様にふさわしい味になる。ポー川からの湿った空気が育む白カビが肉の表面を被い、その作用で神業とも思える発酵・熟成が成されるためだ。

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長い熟成期間を経て出荷され、岡田さんの元でさらに一手間。「水で洗う所もありますが、うちではワインで湿らせた布で被う伝統的な手法で数日置き、カビと紐を除きます。こうすることでワインも混ざった複雑な芳香になるのです」

クラテッロの名手マッシモ氏のこだわり

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「クラテッロ・ディ・ズィベッロと言えばこの人」といわれるカリスマ的生産者、マッシモ・スピガローリ氏。ミシュラン一つ星のレストラン・ホテル「アンティカ・コルテ・パッラヴィチーナ」のオーナーでもある。〈写真提供:岡田氏〉

ズィベッロの中でも世界の美食家に名を知られるのがマッシモ・ スピガローリ氏。チャールズ皇太子やモナコ大公など王侯貴族をはじめ、有名シェフがこぞって予約する特上品が氏の貯蔵庫に保管されている。ピアッティが扱うのは、ここのクラテッロだ。

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マッシモ氏所有の大農園で自由に歩き回る豚たち。普通はエミリア・ロマーニャ州かロンバルディア州で育てられた豚を仕入れるが、彼は豚の飼育・解体からクラテッロの製造まで、全工程を自らの手で行う。〈写真提供:岡田氏〉

少量でも心底満足できる味わい

豚の飼育、ハムの生産・熟成から提供に至るまで相当な手間がかかるだけに、値段は現地でもプロシュットの約4倍。「でも、味が濃いので少量でも満足できます。クラテッロ・ディ・ズィベッロは30gからお売りしていますが1-2人分ならそれで十分。30gなら1,800円+税ですので、ぜひお試しください」と笑顔で語る岡田さん。なるほど、それなら手を出しやすい。また、ピアッティでは、パスタやドライトマト等々、他にも厳選されたイタリア食材を取り揃えている。

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イタリアではプロシュットは厚めのスライスで肉らしさを楽しむが、クラテッロは薄く花びらのように並べ、そのまま、もしくは上質の無塩バターを添える。「合わせるワインは微発泡の赤・ランブルスコがおすすめです」

限られた地域で、歴史と伝統を知る職人だけが醸し出せる味わい。ぜひピアッティで、本物を堪能してほしい。

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PIATTI ピアッティ
東京都目黒区駒場4-2-17 清水ビル1F
TEL:03-3468-6542
11:00~20:00
月・火曜定休(祝日は通常営業)

撮影 SHIge KIDOUE
取材・文 山根かおり
matricaria

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