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2015.05.14

自分スタイルで行く人、集まれ ~東京レインボープライド2015レポート~

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■日本のLGBT比率は7.6%

人はそれぞれ異なる個性と価値観を持つ。性にも個性はあり、自分のアイデンティティや好きになる相手の性は多様。電通ダイバーシティ・ラボが実施した「LGBT調査2015」によると、日本では7.6%の人がLGBT、つまりレズビアン・ゲイ・バイセクシャル(両性愛者)・トランスジェンダー(心の性と体の生が一致しない人)のいずれかに該当するという。一方、LGBTではない人は、この文脈では“ストレート”と呼ばれる。

150512_Alfa_02東京レインボープライド2015のステージでは、LGBTによるライブ演奏やゲストのトークショー、ショータイムなどさまざまなプログラムが行われた。

今年で4年を迎える東京レインボープライドは、LGBTの人が自分らしく生き、またLGBTの人も“ストレート”の人も分け隔てなく、“個”を尊重して生きられる社会を目指す趣旨のもと行われるイベント。アルファ ロメオもこのムーブメントに賛同し、LGBTが住みやすい社会を目指す認定特定非営利活動法人グッド・エイジング・エールズに5年間協賛しており、LGBTをテーマとした映画のスポンサードを去年に引き続き行うなど、LGBTの権利獲得に向けた活動に参加している。

150512_Alfa_03(左)4月25日には原美術館でグッド・エイジング・エールズ設立5周年記念パーティが開催された。
(右)乾杯の音頭をとったのはFCAジャパン株式会社のマーケティング本部長ティツィアナ・アランプレセ氏。

今年アルファ ロメオブースでは、LGBTをテーマとする映画で、アルファ ロメオがスポンサードした『あかぎれ』予告編の初上映を行った。昨年上映された『カミングアウト』に続く犬童一利監督のこの作品は、バイセクシャルの女性をフィーチャーしたもの。心の揺れ動く思春期の少女を描いた短編で、主人公の少女は、“彼氏”と“彼女”の間を行き来しながらさまよう。


映画『あかぎれ』の予告編。

■LGBTをテーマとした映画『あかぎれ』の犬童監督に聞く

『あかぎれ』の制作背景は。
「『あかぎれ』の題材は、前作『カミングアウト』同様、“自分と向き合う”ことです。『カミングアウト』は、ゲイの人が自己の個性を認知し、それを肯定していく過程を描いた作品ですが、『あかぎれ』はそれよりもっと手前の、まだ自分が定まっていない、自分自身を決めていない“揺れている”段階を描いた作品です。

150512_Alfa_04犬童監督にとってLGBTをテーマにした映画は3作目。これまでに『SRS♂ありきたりなふたり♀』と『カミングアウト』を手掛けている。

「同時に、そうした人の心の揺れや現実を“知ってもらいたい”というのがありました。僕自身、映画を作る前はステレオタイプな考えがあって、LGBTの人を“別世界の人”みたいに捉えていました。『カミングアウト』の取材をする過程で、色々な人に会って話を聞き、知るにつれて自分の中で変化が起こりました」

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具体的には?
「以前は、セクシャリティという外側というか、その人のほんの一部分だけで、その人に対して先入観やステレオタイプなイメージを持ってしまうことがありました。映画をつくることによって、ことセクシャリティに関してだけではなく、その人の本質、《人》を見るということの大事さを学びました。今ではマイノリティの人に対する無配慮な発言を聞いたりすると、不快に感じます。そして、そういう発言をする人達がどうすれば変わるのかとなったときに、まずはLGBTについて知ってもらうことが大事なのでは、と考えたんです」

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■バイセクシャルという生き方

『あかぎれ』は実話をもとにしたフィクション。主人公の女子高生にはモデルとなった人物がいる。その本人にも話をうかがうことができた。

完成した作品を観てどう感じたか。
「観ていて苦しかったです。自分にとってはごく自然な、人を好きになるという行為が、相手が同性だと世間では違和感を持たれることが圧倒的に多いです。一番身近な存在の親にまで“おかしなこと”をしていると思われ、“ちゃんと”異性と付き合わないと非難されてしまいます。映画を見るとそうした過去の経験が蘇ってきて辛かったですが、ある意味、映画を通して客観的に自分自身を見ることができました」

150512_Alfa_07映画『あかぎれ』の一コマ。主人公のさつきは、両性愛について母親の理解が得られず苦しむ。

渋谷区で「パートナーシップ証明書」という同性カップルへの条例が施行されたことに代表される、LGBTに対する世間の変化についてどう感じているか。
「びっくりしました。自分にとってインパクトが大きかったのは、条例そのものもそうですが、そのニュースがYahoo!のトップページに載ったことです。世間で大きなニュースとして取り上げられるんだ、というのが意外でした。一方で、話題になってセクシャル・マイノリティに対する世間の接し方が変わるかというと、そうは思えないところもあります。大概の人はその存在は認めても、自分と距離が近いケースを想定していないんです。身内や友人がLGBTだとどうか、となるとまだ壁の高さを感じます」

150512_Alfa_08レインボープライド東京では、思い思いの衣装を身に着け、自己を表現する人の姿が多く見られた。

ご自身ではバイセクシャルであるということをどう感じている。
「LGBTのなかでもバイセクシャルというのは、一番理解されづらいと思います。男と女どっちでもいいんだろ? という見方をされるんですけど、実際はそうじゃなくて、自分でも迷いながら、もがいているんです。最終的に男女のどっちに振れるかというのは、本人もわからなくて。どっちが正解なんていう答えはないし、決めつける必要もないと思います。セクシャリティを型にはめたくない、という気持ちです」

150512_Alfa_09アルファ ロメオブースに用意されたフォトセッションコーナー。イタリアの有名な映画『ドルチェビータ』の中で、主人公の女性がキスされるシーンを再現した。

■境界線

LGBTがマイノリティ(少数派)であるからいって、自己のアイデンティティ、すなわち本当の自分を出せなかったり、表現しづらかったりするのは、本来あるべき姿ではないだろう。しかし『あかぎれ』は、現実にセクシャル・マイノリティが自己を表現しづらいと感じている現実があることを鮮明にした。パートナーシップ条例が可決するなど空気が変わり始めているのも確かだが、当事者に話をうかがうとLGBTの人は、多数派によって引かれる境界線の存在を感じているようだ。

自分らしく前向きに生きられる社会の実現の妨げとなる境界線。彼女の口にした「“身近なこと”という意識を持つ人は少ない」という台詞が耳に残る。

150512_Alfa_10FCAジャパン株式会社のマーケティング本部長ティツィアナ・アランプレセ氏をはじめとするアルファ ロメオブースのスタッフもパレードに参加。

日曜日の午後1時、東京レインボープライドのクライマックスとなるパレードに約3000人が集まった。「Be Yourself」と書かれたアルファ ロメオスパイダーもパレードに加わる。色もデザインもさまざまな衣装に身を包んだパレード参加者が、公園というクローズされた空間から外の世界へと踏み出す。沿道に集まった多くのギャラリーが声援を送り、場の空気が一体となった。パレード参加者のテンションはピークに達した。

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東京レインボープライド公式HP

取材・文  曽宮岳大

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