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2015.09.10

色使いが巧みなアルファ ロメオのインテリア

大胆な色使いでありながら、クルマの雰囲気にさらりと溶け込むアルファ ロメオのインテリア。今回はその秀逸なカラーコーディネーションと、その背景にあるイタリアのデザインの妙に注目します。

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意気揚々と新車を乗り付けたオトコ友達に向かって、「そのクルマ、ちょっとやり過ぎー」と言いながら彼女が笑った。悪気はないんだろうけれど、彼はその彼女をドライブに誘いたくて、バイトしまくって頭金を貯めた上にローンまで組んだんだから凹むよね……と、ハタチになったばかりの頃の私はココロの中でそう呟いた。

黒いボディに真っ赤な内装。バブル真っ盛りの頃は、学生でも新車を買うなんて浮かれた時代だったから、例の友達は映画の中で見た個性的なクルマに憧れて、同じカラーの内外装で新車をオーダーした。けれども、あまりにも伊達で、ハタチそこそこの若者が乗りこなすにはちょっとハードルが高かった、と思う。しかも、そんな個性的な組み合わせが似合うクルマも限られているから、友達が選んだ当時流行りのクルマでは役者不足だった。

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ふと、学生時代の思い出が頭をよぎったのは、黒光りするボティに眩い赤の革内装を持つ「ジュリエッタ クアドリフォリオ ヴェルデ」を見たからだ。今も昔も、保守的なインテリアカラーを好む日本では、そんな個性的な組み合わせを欲しければ、別注するしかないと思っていた。ところが、日本のアルファ ロメオでもスタンダードな組み合わせとして用意されていると聞いて驚いた。

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なにより、この個性的な組み合わせが似合うクルマも珍しい。ジュリエッタのメリハリのあるスタイリングを黒のボディカラーがさらに引き締め、ドアを開けると、情熱的な赤のインテリアが目に飛び込む。室内に乗り込んでみると、パンチングレザーを使ったスポーティなシート表皮に丁寧なステッチが施されており、同色のアクセントがトリムやインパネの周りにも入るなど、細部のつくり込みにも余念がない。

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そもそも、アルファ ロメオというブランドは色使いが巧みだ。アルファ ロッソと呼ばれるシグネチャーカラーにしても、毎年、少しずつ色調が変えられている。今ほど白が流行る前からずっと、ホワイトのボディカラーをラインナップしているのも洒脱だ。キャラクターラインがきりりと入ったアルファ ロメオのボディには、清楚な白が意外なほど似合う。私が所有するジュリアシリーズには、サファリイエローやグリーンなんてサイケデリックなボディカラーもラインアップされていた。内装にしても、日本人なら汚れを気にしそうなほど淡いタンを大人っぽい雰囲気に仕上げたり、目の覚めるようなレッドでスポーティな雰囲気を醸したりと、一見すると、冒険とも思えるカラーを使いこなすのがうまい。

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エッジのたったカラーコーディネートは絶妙なバランスの上に成り立っていて、一歩間違うと、過日の友人のようにハズしてしまう危険性もある。でも、イタリアのブランドは、ファッションや家具でも、“引き立てるスタイル”を良く知っていて、そのスタイルを生かす色使いにも余念がない。例えば、アルファ ロメオの内装にも使われる老舗家具メーカーのポルトローナ・フラウの名作アームチェア、「ヴァニティフェア」なんて、優美な曲線を強調する色使いで、見るたびにハッとさせられる。とても、70年以上前のデザインとは思えない。ファッションにしてもイタリアの街角のカフェで通りを眺めていると、男性がダークスーツに赤やオレンジといった明るい色合いを差し色に取り入れていて、そのセンスの良さに感心させられる。造形とカラーの織り成す独特の世界観が見る者を魅了するのだ。そういうのって、「ローマは一日にしてならず」の諺通り、長い歴史の中で均整のとれた美しさを追求してきたイタリアという国ならではの美点だ、と思う。

写真 荒川正幸

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