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2016.11.24

走り続けるレーサー青木拓磨選手が超福祉展で講演

足に障害を持ちながら、運転補助装置でレーサーとしてモータースポーツに参戦する青木拓磨選手が、「2020年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう展」のシンポジウムに登壇した。自分らしく自由に生きる青木選手のステージの模様を報告しよう。

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手前がプレゼンターを務めた青木拓磨選手。NPO法人ピープルデザイン研究所の須藤シンジ代表理事が聞き手となった。

いままでの福祉を超えた福祉を

2016年11月8日(火曜日)から14日(月曜日)にかけて、東京・渋谷ヒカリエ8階「8/(ハチ)」をメイン会場に、「2020年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう展」が開催された。あらゆる人が身体・意識のバリアを取り払った、共感・共存・寛容できる街づくりを目指すNPO法人ピープルデザイン研究所が主催するこの催しは、“障害を抱えた方やLGBTなどのマイノリティに対する理解を深めたり、福祉に対する古い意識を乗り越えたりするには、従来の福祉の枠を超えたアイデアやデザイン、テクノロジーが必要である”というコンセプトに基づき、運営される。開催されるのは今回で3回目。期間内は、柔軟なアイデアから生まれた新世代の福祉機器の展示のほか、幅広い分野のプレゼンターによるシンポジウムやワークショップ、デザインコンペが行われた。

また、会場近くのハチ公前や宮下公園では、最新モビリティの試乗会も実施された。超福祉展は、単なる福祉をテーマにした展示会ではなく、ダイバーシティ(多様性)を目指す渋谷という街を、多くの人にプレゼンテーションする場でもあるのだ。

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メイン会場となった渋谷ヒカリエ8Fのイベントスペース、「8/(ハチ)」。ほかにハチ公前や宮下公園でも関連するイベントが行われた。

アルファ ロメオが福祉やLGBTの活動を後押しする理由

今年もアルファ ロメオは、この超福祉展の協賛企業として名を連ねた。その理由について、イベントのオープニングセレモニーでFCAジャパン マーケティング本部長のティツィアナ アランプレセは次のように語った。

「アルファ ロメオは運転する楽しさや喜びを皆様にお届けしたいと考えております。同時に、“すべての人が、自分らしく自由に生きてほしい”という願いも持っています。“Be Yourself(すべての人が、自分らしく生きていける社会の実現)”を掲げるアルファ ロメオは、超福祉展のダイバーシティ(多様性)やインクルージョン(マイノリティの社会参加)に共感し、2013年より協賛させていただいています」

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アルファ ロメオは、それぞれの個性やスタイルを尊重し、民族、セクシャリティ、ハンディキャップを超えて、すべての人が自分らしく生きていける社会づくりを目指している。

一方、アルファ ロメオ横浜町田を運営する株式会社ジー・エス・ティー(GST)では、障害者に移動する喜びと自由を提供する運転補助装置「グイドシンプレックス」の総輸入販売元となり、装置の取り付け・販売のほか、デモカーも用意している。アルファ ロメオとジー・エス・ティーは、すべての人にドライビングの感動と喜びを提供したいという考えのもと、障害者が自分らしく自由に生きる社会の実現を目指すビジョンを共有している。

半身不随の僕を、「何でもできるぞ」と励ましてくれた

10日のシンポジウムでは、青木拓磨選手がプレゼンターを務め、このイベントを主催するNPO法人ピープルデザイン研究所の須藤シンジ代表理事が聞き手となるトークイベントが開催された。トークイベントで青木選手は、二輪のテスト中の事故で脊髄損傷の大けがを負った後の体験について話してくれた。

青木選手は、負傷後に訪れた米国フロリダの病院で、医師の姿勢に衝撃を受けたと話した。
「日本では、私の足は一生動かないと、死の宣告のように言われたんです。でもフロリダでは違いました。さあ何からやるか、何でもできるぞ、と言ってくれたんです」

医師からの具体的なアドバイスは、「肩を作れ」だったという。ベッドから起きるのも車椅子を動かすのも、大事なのは肩。だから肩さえ鍛えておけば、何でもできると励まされた。
青木選手は、アメリカでもうひとつのことを学んだ。クルマがもたらす自由を再認識したのだった。

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青木拓磨選手は、車椅子での生活を余儀なくされたご自身の経験をもとに、運転補助装置が生活のクオリティを高めてくれると語った。

クルマは僕らの第二の足です

「向こうでは、車椅子でもすぐにレンタカーに乗れるようにインフラが整っているんですね。我々にとってクルマは第二の足。満員電車に乗るのは厳しいけれど、クルマさえあれば食事でも家族旅行でも好きな所に行けます。半径500メートルの生活が、500kmにも1000kmにも広がるんです」

こうしてクルマの運転をすることで、青木選手は活発なライフスタイルを取り戻す。同時に、やはり根っからのレース好き。運転で競いたくなったという。レースにも使える運転補助装置を探していた青木選手は、10年ほど前にジー・エス・ティーに電話をかけた。そして現在もジー・エス・ティーは青木選手のレース活動のサポートを行っている。

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運転補助装置「グイドシンプレックス」のステアリングコントロールシステム。両手でハンドル操作をしながら、アクセルもコントロールできるので、楽しく、速く、安全にドライブすることができるという。なお、アクセルペダルの代わりとなるステアリング上のリングは、プル式、プッシュ式、スライド式など、複数のタイプが用意されている。

運転する喜びと自由

「グイドシンプレックスは、障害のレベルや目的に応じて、さまざまなタイプがあります。ただ移動するだけでなく、素早く操作できて運転も楽しめるのが特徴です」

シンポジウム終了後、青木選手はそう言って笑いながら、グイドシンプレックスが装着された運転シミュレーションゲームをプレイした。確かに操作は自然で、マシンは青木選手の手足のように動く。

単なる移動ではなく、運転する喜びを提供するグイドシンプレックスの運転補助装置。それは、すべての人にドライビングを通じたエモーショナルな瞬間を届けたいと考えるアルファ ロメオの取り組みにも通じるものがある。

ゲームではあるけれど、マシンを操り、他車と競う青木選手は、自分らしく自由に生きているように見えた。

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グイドシンプレックスを装着したゲームでドライブ。二輪出身の青木選手は、「アクセルを手でコントロールすることには慣れていますから」語った。

取材 文 サトータケシ
撮影 大沼寛行

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