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2017.08.31

北斎の晩年を辿り、秋の味覚を体験する。長野県小布施の『桝一客殿』

小布施の観光拠点としても最適な高級ホテル、『桝一客殿』で贅沢な休日を過ごす。

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夏が終わり、涼しい秋風が心地よくなるこれからの季節。たまには忙しない日々から離れ、贅沢な宿や秋の味覚で体をメンテナンスするのはいかがだろう。中でも今まさに旬を迎える“栗”を使った料理や贅沢なステイが楽しめるのが、長野県小布施町の『桝一客殿(ますいちきゃくでん)』だ。

晩年の北斎が愛した町、小布施に息づくおもてなしの歴史

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都内からアルファ ロメオ『MITO』を走らせて約4時間。高速を降りると、一面豊かな緑が広がっている。長野県小布施町は、名産品として知られる栗と、葛飾北斎で有名な“長野で一番小さな町”。晩年の葛飾北斎は小布施町の豪農商・高井鴻山(たかいこうざん)との親交をきっかけにして自然豊かな小布施を通算3年にわたって訪れ、様々な作品を残した。

その高井鴻山が祖となったのが、今回訪れた『桝一客殿』と『桝一市村酒造場』『小布施堂』。地方の町・小布施にとって、遠方からの客人(まれびと)は家主や家族、使用人にとってもハレの日であり、情報収集の貴重な機会でもあった。それを現代に組み直し、小布施に交歓の場を再現したいとはじまった『桝一客殿』には、北斎が訪れた時代から連綿と続く「本来なら我が家にお泊りいただくべきですが…」の精神が息づいている。古民家をリノベーションした外観もまた、そうしたこの地での交歓の歴史を感じさせてくれるものだ。

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▲今回案内していただいた『桝一客殿』支配人・篠原勇也さん
「『桝一客殿』だけでなく、近隣の様々な場所を回って、小布施の町の魅力を楽しんでいただけると嬉しいです。」

昔ながらの蔵をモダンに改装した客室で、ラグジュアリーな宿泊体験を

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ロビーに入ると、昔の雰囲気を大切に残しつつも、非常にモダンでラグジュアリーな空間が広がっている。まず宿泊者を迎えるのは、向かい合うように設置された北斎の浮世絵と、そこに登場する絵柄を古瓦から切り出して制作した様々なモチーフ。

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ロビーの奥に望む紅葉の側には古瓦が綺麗に積まれており、和と洋のエッセンスが見事なバランスで融合している。実は『桝一客殿』の基本設計を担当したのは、パークハイアット東京などの設計で知られるアメリカ人デザイナー、ジョン・モーフォード。空間をたっぷり取ったロビーからは建物内でも緑を望むことができ、落ち着いた照明も相まってやすらぎの空間が広がっている。

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12部屋ある客室には、長野県内から移設したかつての蔵や、もともとこの地にあった土蔵が改装して使われている。各部屋に部屋番号は表示されず、宿泊者は客室の入り口と鍵にしつらえた葛飾北斎の絵によって部屋を識別する。

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今回滞在したのは『リラックス型ツインルーム』。この部屋の宿泊者専用のテラス/坪庭までついた60平米の客室は、クイーンサイズのベッドがゆったりとした空間にしつらえられ、そこに窓から差し込む自然光が心地いい。

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まるで小布施の別荘に来ているかのような、プライベート感溢れる景観が印象的だ。また、ファミリーでの利用の際は添い寝であれば高校生以下は無料となっており、ここには「親子がじっくりと話す場を設けて欲しい」という当主の思いが込められている。

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枕は好みによって4種類から選択可能。また、ガラスで出来た印象的な浴槽を持ったバスルームが設置されており、温泉でもホテルでもない、この宿ならではのラグジュアリーな雰囲気を持っている。シャンプーをはじめとするアメニティは、植物素材を使用したフレグランス・スキンケアで知られるロクシタンで揃えられている。

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宿には江戸期の文庫蔵を改装した24時間利用可能なライブラリーも用意されており、葛飾北斎の文献を筆頭に洋邦の様々な文献が揃っている。客室内に蔵書を持ち込むことも可能となっているため、日々の喧騒を逃れ、読書でゆったりとした時間を過ごすのもいいだろう。

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旬の栗を使ったモンブラン『朱雀』や地酒など、旅館系列で味わう小布施ならではの味覚

また、庭や小径で繋がった系列グループの『桝一市村酒造場』『小布施堂』を利用することで、小布施の土地の魅力をたっぷりと楽しめるのも、この宿の魅力。『桝一市村酒造場』に併設された手盃台では、小布施のさまざまな地酒を楽しむことができる。また、『小布施堂』内の小布施堂本店レストランでは、地の伝統食材や旬の名産を使った贅沢な食体験が可能。9~10月は“栗”を使った料理をメインとしており、年間を通して一番の繁盛期を迎える。

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中でも秋の絶品グルメとして人気を集めるのが、“最上級の栗菓子”こと『朱雀』だ。獲れたての新栗を蒸してそのまま裏ごしし、砂糖を加えずに栗あんの上に押し出したこの絶品スイーツは、新鮮な栗のみを使用するため9月~10月の期間限定。新鮮な栗の甘みを存分に堪能できる。『桝一客殿』の宿泊者は、栗が実る秋の1ヶ月間のみ、小布施堂本宅の2階に用意された特別な席で朱雀を楽しむことができる。砂糖を加え洋風に仕立てた『モンブラン朱雀』は桝一市村酒造場の精米蔵を改装したカフェ、えんとつで年間を通して体験可能だ。

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系列施設での会計は、『桝一客殿』の宿泊者であれば、客室のカギを提示することでチェックアウト時にまとめて清算される。そのため財布を持ち歩く必要はなく、気の置けない友人の邸宅に滞在しているような雰囲気が、すべての空間を覆っている。

忙しい日々だからこそ、疲れた体をゆっくり休めて、リラックスできる空間で英気を養いたい。この秋は愛車に乗って、かつて日本を代表する浮世絵師を魅了した町=小布施に、極上の休息を探しに行ってはいかがだろうか。

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Information
桝一客殿
場所:長野県上高井郡小布施町大字小布施 815
TEL:026-247-1111
http://www.kyakuden.jp/

PHOTOGRAPHY: 横山マサト
TEXT: Jin Sugiyama

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