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2017.03.27

アルファ ロメオのデザインを彩ったカロッツェリア ベルトーネ編

アルファ ロメオは、カーデザインを社内で行うほかに、デザイン工房、いわゆる“カロッツェリア”を積極的に起用してきた。そのなかのひとつ、トリノで創業し100年以上の歴史を持つベルトーネは、実にクリエイティブなデザインでアルファ ロメオ車のスタイリングに彩りを与えてきた。その代表作をいくつか紹介しよう。

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アルファ ロメオと同時期にトリノで創業

イタリアには古くから、カーデザインを専門に手がける“カロッツェリア”と呼ばれるデザイン工房が存在する。彼らは優秀なデザイナーたちを擁し、自動車メーカーと連携しながら数々の名作を生み出してきた。代表的なものでは、ピニンファリーナ、ベルトーネ、イタルデザインなどがある。ザガートやギア、トゥーリングもそうだ。今回はこのなかからベルトーネを紹介する。創業が1912年とアルファ ロメオ(1910年)とほぼ同時期に誕生したベルトーネは、アルファ ロメオと良好な関係を保ちながら、半世紀以上の長きに渡り優秀な作品を世に送り出してきた。

ところでカロッツェリアを語るときに、その特徴をひとことで言い表せるといいのだが、実際にはそれは難しい。なぜならカロッツェリアは、複数のメーカーと仕事をし、プロとしてクライアントのブランドイメージやニーズに柔軟に応えつつ、時代によっても作風を変えているからだ。またデザイナーが一箇所にとどまらず、複数のカロッツェリアや自動車メーカーを渡り歩くことも多い。例えば有名なジョルジェット・ジウジアーロなどは、フィアット チェントロ スティーレからベルトーネ、ギアを経たのちに、イタルデザインを設立した。このようにカーデザイン界は常に変化を続けているのだ。

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ただ、そうしたなかにもある作品がカーデザインのトレンドを作ったり、名作と呼ばれそのモデル名やデザイナーのクレジットが後世まで語り継がれたりすることはある。ベルトーネも市販/コンセプトカーを含め、数々の名作を生み出し、世界中の自動車ファンを魅了してきた。ベルトーネ・デザインのアルファロメオも、その後のモデルに大きな影響を与え、ベルトーネ自身の名声を高める貢献を果たしてきた。その代表作を紹介しよう。

ベルトーネ・デザインの代表的なアルファ ロメオ

ジュリエッタ スプリント(1954-1965)
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「ジュリエッタ スプリント」がトリノショーでベールを脱いだ1954年という時代は、アルファ ロメオがマーケット拡大を狙い、ダウンサイジング化を進めていた時期だったが、そうした流れの中にもデザインへのこだわりや先端技術を採用するヘリテージは受け継がれていた。そのスタイリングへのこだわりを象徴するのが、ベルトーネのフランコ・スカリオーネが手がけた、クーペボディの「ジュリエッタ スプリント」。流麗なボディが人気を博し、「ジュリエッタ」シリーズのイメージを牽引した。なお、ベルトーネは、「ジュリエッタ スプリント」の開発においてはデザインだけでなく、ボディ製造も自社工場で行い、生産面からもアルファ ロメオをサポートした。

カラーボ(1968)
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「カラーボ」は、1968年のパリサロンで披露されたコンセプトモデル。デザインを手がけたのは、ジョルジェット・ジウジアーロの後任としてデザイン責任者を務めたマルチェロ・ガンディーニ。「カラーボ」は市販こそされなかったが、カーデザイン界に多くの影響を与えた。そのひとつは、スポーツカーの代表的なデザイン手法として後に定着することになる“ウェッジシェイプ”(くさび型スタイル)を取り入れたこと。さらに跳ね上げ式のシザードア(いわゆるガルウイング風ドア)も特徴的だった。これらのデザイン要素は、1971年に登場するランボルギーニ カウンタックにも採用されたが、生みの親はいずれもガンディーニで、先に登場したのは「カラーボ」の方である。アルファ ロメオのデザインがその後のモデルに影響を与えたひとつの例といえる。

モントリオール(1970-1976)
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「モントリオール」もマルチェロ・ガンディーニがベルトーネ時代に手がけた1台。1967年にカナダで開催されたモントリオール万博でショーデビュー。そこで好評を得て、1970年のジュネーブモーターショーで市販モデルが登場。車名はお披露目の舞台となった万博の開催地に由来する。美しいプロポーションの所々にスーパーカーのエッセンスを持ち、抑揚のあるフロントフェンダーや後方で跳ね上がるサイドウインドウ、切り落としたようなリアエンドの処理が特徴的だった。1977年までに4000台弱が生産され、今なおコレクターから羨望の眼差し受けている。

アルファGT(2003-2008)

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近代のベルトーネ デザインを象徴する1台「アルファGT」。デビューした2003年には、アルファ ロメオはワルター・デ・シルヴァ率いる社内のアルファ ロメオ チェントロ スティーレのデザインが主流(「155」「145」「147」「156」「166」など)となっていたが、そうしたなか周囲のモデルに融合するデザイン言語を持ちつつも、ひと味違った存在感を放っていた。とくにシンプルなラインの中に明確な個性を打ち出すリアビューは、それ以前のアルファ ロメオ・クーペのデザインヘリテージを受け継いだものでもあり、“伝統”と“個性”を巧みに調和していた。

パンディオン(2010)
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(photo by El monty CC-BY- SA, from Wikimedia Commons)

2010年のジュネーブモーターショーで発表された「パンディオン」は、アルファ ロメオの創業100周年を記念して作られたコンセプトカー。ベルトーネは、そうしたブランドにとって重要な記念碑モデルのスタイリングを手がけた。アルファ ロメオの前衛的なスタイリングを表現する一方、跳ね上げ式のシザースドアは、「カラーボ」の項でも紹介したようにアルファ ロメオとベルトーネ・デザインの伝統を受け継ぐものでもあった。

カーデザインのトレンドセッター

こうして半世紀を超えるアルファ ロメオとベルトーネのコラボレーションの変遷を振り返ると、感性に訴えかけるフォルムのなかに、時代を先取りするデザイン技術を内包していた点に気づく。例えば、航空力学を加味したスタイリングやスポーツモデルの定番ともいえるウェッジシェイプを早期から取り入れていたのは注目に値する。そうした前衛的な取り組みがカーデザインのトレンドを生み、アルファ ロメオの先進的なブランドイメージとも歩調を合わせていた点は見逃せないだろう。

冒頭でも紹介したように、ベルトーネはアルファ ロメオのパートナーのひとつであり、他にも個性的なカロッツェリアは存在する。アルファ ロメオはそうした一流のカロッツェリアと連携しながら、競争力の高いデザイン品質を維持し、自動車ファンに夢を与え続けてきた。機会があれば別のカロッツェリアについても取り上げたい。

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