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2017.10.18

アルファ ロメオ写真展<La meccanica delle emozioni>の撮影を担当した2人の写真家・鶴巻氏、田村氏にインタビュー。

アルファ ロメオの新型『ジュリア』の日本上陸を記念して、カメラマンの鶴巻育子氏と田村翔氏による写真展が開催されました。撮影時の様子やアルファ ロメオに感じた魅力について聞きました。

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9月7日(木)〜12日(火)の6日間、アルファ ロメオ『ジュリア(Giulia)』の日本上陸を記念して、寺田倉庫T-ART HALLで写真展<La meccanica delle emozioni(感情に訴えかける機械)>が開催された。この展示は、2人のカメラマンが「IQ(知性)」と「EQ(感性)」をテーマに撮影した写真を展示することで、アルファ ロメオが持つ「先進技術へのあくなき追究」と「感情に訴えかける美しいデザイン」という2つの魅力を表現するというもの。その撮影を担当したのが、カメラマンの田村翔氏と鶴巻育子氏だ。「IQ」をテーマに千葉、横浜、東京の3か所で撮影を行なった田村氏と、「EQ」をテーマにアルファ ロメオ誕生の地・イタリアのミラノに赴いた鶴巻氏。果たして2人がファインダーを通して見たアルファ ロメオは、どんなものだったのだろうか。お2人に撮影時の様子や、アルファ ロメオに感じた魅力を聞いた。

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――今回の写真展<La meccanica delle emozioni>は、お2人がアルファロメオの異なる魅力を引き出していたことが印象的でした。まずはそれぞれに撮影時のお話をうかがいたいのですが、田村さんは「IQ(知性)」をテーマに日本で撮影を行なっていますね。

田村:そうですね。僕は千葉のサーキットと、横浜の街と、東京のスタジオの3か所で撮影しました。今回撮影したサーキットは初めての場所だったので、当日まではどんな写真になるか分かりませんでしたが、僕はどんなコースでも“その場所だけの魅力”があると思っていて。今回は貸し切りでコースの中に入ることができたので、普段は撮れないような、「こんなものも撮れたらいいな」と思っていたものが撮れたんじゃないかと思います。

――田村さんの作品は「IQ」というテーマに沿って「アルファ ロメオのマシンとしての魅力」が伝わってくるような写真が多く揃っているのが印象的でした。

田村:僕はもともとクルマが好きなので、「ここはこういうイメージで作ったんだろうな」ということが想像できるんですよ。その上で、空気抵抗を意識して作られたボディの流線形と、風景とのマッチングを意識しました。一方で、横浜では街の光を意識して写真を撮っています。僕は普段のレースでも単にサーキットを走るクルマを撮るだけという撮影はあまりしないタイプで、その場の雰囲気や光の状態、クルマの色を表現したいと思っているんですよ。そこでスローシャッターで流し撮りをして、“写真でしか見られない光や色”にもこだわりました。 

鶴巻:田村くんの写真は切り取り方が独特ですよね。クルマを撮っている方はたくさんいると思いますが、ある意味そうした方々の写真とはまた違う、情景が見える写真だと感じました。「クルマの写真でもこんな風に個性を出せるんだな」と、すごく面白かったです。

田村:それは僕が“モータースポーツ”という文化を撮りたいと思っているからなのかもしれませんね。今回の展示で、鶴巻さんがアルファ ロメオをテーマにしながら、人や街の風景がイキイキと撮られていることにすごく感銘を受けました。僕自身も、普段からクルマ以外のものも含めて撮影をしているので。今回の鶴巻さんの写真は、自分が普段レースの写真を撮っていて表現したいことと一致しているように感じました。

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▲Photo by 田村翔

――その鶴巻さんの作品は、アルファ ロメオ誕生の地・ミラノで撮影されていて、田村さんも言われているように、このクルマが生まれたミラノの街や人に焦点を当てたものが多いのが印象的でした。アルファ ロメオが写っていない、現地のカップルの写真もありますね。

鶴巻:「EQ(感性)」と言うテーマでどんな写真を撮ろうかと考えていて、「イタリアに行っちゃおう」と思ったんです(笑)。そうすれば、お互いの写真の差別化もできますしね。ミラノには4日間という短い滞在でかなりハードな撮影でした。

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▲Photo by 鶴巻育子

――ミラノの街とアルファ ロメオにはどんな魅力を感じましたか?

鶴巻:現地でコレクターの方にお話を聞きながら撮影をしていて、アルファロメオのようなクルマが生まれるのは、やはりあの街ならではなんだと実感しました。たとえば、今回滞在させてもらった家でイタリアの方々の生活を見ていると、食事ひとつとってもテラスに色々と並べてきっちり準備をしていて。

――生活のひとつひとつのディテールを大切にしている、と。

鶴巻:そうです。そうした雰囲気が、スピードメーターのような細かい部分にまで行き届いたこだわりを感じる、アルファ ロメオの魅力に繋がっているんだと思いました。

田村:アルファ ロメオには、イタリアらしい自由な雰囲気がありますよね。それから、デザイナーや設計者などの感性を大切にして作っているようなイメージがあります。

鶴巻:機能性だけを追究したクルマではないんですよね。人によっては機能のみを優先して、それ以外の要素は無駄だと言う人もいるかもしれませんが、そもそも人生って、そういう余白が面白かったりすると思うんです。この余白を感じさせるのが本当の意味で愛おしいものなんだろうなって。現地のコレクターの方々がアルファ ロメオに向けた、たくさんの「愛」を見るにつけ、そんなことを思い出しました。

田村:イタリアの方は、クルマを単なる“足”だとは思っていないんでしょうね。あの国の文化の中で、自分の“相棒”のような捉え方をしている。それはもしかしたら、クルマの本来あるべき姿なのかもしれないですよね。

――今回の写真展を通してアルファ ロメオの魅力やこだわりを改めて感じることになったのではないかと思います。逆にお2人は、どんなことに楽しさや魅力を感じてカメラマンのお仕事をされているんだと思いますか?

鶴巻:写真って、誰でも撮れるものですよね。たとえば、絵を描くのとは違って、機械を使うので、撮ることは誰にでもできるわけです。でも、そこから撮った人の個性が見えるというのが不思議なところで。「鶴巻さんらしい写真だね」ということが伝わるのは、すごく嬉しいことです。

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田村:変な話、適当に撮った写真と魂を込めて撮った写真って、見る人が見ると分かるんですよ。“たかが写真”かもしれないですけど、“されど写真”というか。

鶴巻:ほんと、適当に撮るとバレてしまいます。たとえば今回の展示でも、「こっちの写真はすごく楽しそうで、力が入ってるね」と言われることがありました。さっきお話にも出てきたカップルが写った写真は、イタリアから見に来てくれた方も「いいね」と言ってくれたりして。私が楽しんで撮っていることが、見る人にも伝わっているのはとても面白いことですよね。

田村:僕は“見えない一瞬が見える”ということに魅力を感じたんだと思います。小さい頃からレースが好きで、自分でもやっていたんですが、何より5歳頃からずっとレースの写真を集めるのが好きでした。そうして色んな写真を見るうちに、「こういう撮り方の方がかっこいいだろうな」とアイディアが浮かんで、「自分で写真を撮った方が早いんじゃないか」と思ったのが、今考えるとカメラマンになったきっかけかもしれません。僕は最終的にはF1を撮りたいと思っていますが、その前に日本のレースの魅力も、より伝えていけたら嬉しいです。特にスーパーGTは5歳の頃からずっと観てきて、カメラマンとしても写真を撮ってきたレースなので、その魅力を伝えていきたいですね。もともと今の会社に入った頃は、「色々なスポーツを撮ることで、他にも好きなものが見つかるかもよ?」と言われていたんです。でも、ひとつの目標だったリオ五輪の写真を撮ったときに、「やっぱりレース以上に面白いものはない」と、逆に原点に返るような気持ちになりました。これからは、今よりもっとモータースポーツの写真を撮ってみたいと思っていますね。

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鶴巻:私は今海外で撮影をすることが多いので、日本でももっと写真を撮っていきたいという気持ちがあります。海外を舞台にしてロケーションの力だけでそれっぽく撮れてしまうと思われたくはないですし、今は五輪に向けて街の景色も変わってきているので、綺麗になりすぎる前の東京を撮っておきたいなという気持ちもありますね。自分が住んでいるところ、特に東京ではもっと色々写真を撮って、それを形にしたいですね。

――今回の写真展は、お2人にとってどんな体験になったと思っていますか。

鶴巻:プロジェクトの初期段階から関わっていたこともあって、まずは「やっと終わった」という気持ちです(笑)。でも、本当に面白かったですね。2人で「IQ/EQ」というテーマでそれぞれ撮影することで、ひとりではできなかった面白いものになったんじゃないかと思うので。

田村:僕はこれまでクルマの写真を沢山撮ってきましたけど、あれだけの点数を展示したのは初めてだったので、すごくいい経験になりました。この展示を通じて、アルファ ロメオの魅力がより伝わってくれたらいいなと思っています。

▼PROFILE
鶴巻育子
東京生まれ。広告、雑誌等の撮影、写真雑誌の執筆のほか、写真講師やコンテスト審査員など幅広く活動。ライフワークでは国内外の街スナップや人々を撮影し、個展やグループ展など多数開催している。
http://www.ikukotsurumaki.com/

田村翔
1990年生まれ。アフロスポーツ所属。光と影を生かし、アスリートやレーシングカーの「美」を表現し、報道的かつ芸術性を追及した写真を目指している。日本レース写真家協会(JRPA)会員。
https://www.shotamura.com/

▼フォトギャラリーはこちら
ALFA ROMEO IQ/EQ Photo Gallery
http://www.alfaromeo-jp.com/photo-exhibition/#top

▼鶴巻氏・田村氏の作品が抽選で貰える、プレゼントキャンペーンはこちら
http://www.alfaromeo-jp.com/photo-exhibition/entry/

PHOTOGRAPHY: 大石 隼土
TEXT: Jin Sugiyama