alfawoman 2021.07.28

年齢を重ねるに従って自由になっていく──。美のカリスマ・藤原美智子の生き方

ヘアメイクアップアーティストという職業がまだ一般的に認知されていなかった時代から第一線で活躍し続けている藤原美智子氏。2017年5月には、ライフスタイル全般を扱うブランド『MICHIKO.LIFE』をローンチ。美の世界だけにとどまらず、食や健康、ライフスタイルの提案など、活躍の場は多岐にわたる。今回、“美”の世界の第一人者として君臨する藤原氏に、FCAジャパン マーケティング本部長のティツィアナ・アランプレセ氏がインタビューを実施。彼女が考えるビューティーの本質、そして、歳を重ねることの“楽しさ”について話を聞いた。

私の仕事は、人の内面を外側に導き出し表現すること

「美智子さんは、SNSは何をやっているの?」「なんてお呼びすればいいかしら」
初対面の挨拶を済ませるやいなや、藤原氏とアランプレセ氏の会話はスタートした。なんだか2人ともとても楽しそうだ。

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アランプレセ氏は、早速、確信ともいえる疑問を問いかける。「美智子さんのお仕事は、ビューティーのエッセンスを見つけることですよね。インスピレーションの源泉はどこにあるのかしら」と。

藤原氏は間を置かずこう答えた。

「私の仕事は、人の内面を、ヘアとメイクによって外側に導き出し、表現することだと捉えています」

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▲藤原美智子氏

20代の頃から、内面の美しさを引き出せるヘアメイクアップアーティストを目指してきたという。

「もちろん見た目を美しくすることも大事です。でも、私にとって、それはゴールではないの。インナービューティーを目に見えるかたちで引き出し、メイクやヘアでその人の瞳がいきいきと輝きだすことこそが大切だと考えています」

モデルや女優だけでなく、一般の人にメイクを施す機会も少なくない。

「最初は恥ずかしがって下を向いている人もいるのだけれど、そんな人も、メイクが進むにつれ、顔を上げ、鏡に顔を近づけていくの。瞳の中に星を輝かせながら、『これ、本当に私?』って鏡を覗き込むんです」

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▲藤原美智子氏プロデュース『MICHIKO.LIFE』

そう語る藤原氏の瞳もきらきらと輝いている。そんな藤原氏は、自身のアイデンティティをどのように探し、築いてきたのだろうか。

「私も20代の頃は、自分は何者なのか、どんなものを美しいと思うのかと、自分自身を模索していました。30代で自分らしく存在するための方法論がわかりはじめ、40代で花開いた、といった感じでしょうか。自分のアイデンティティを確立するまでに、時間を要する人も多いと思います。でも、迷いながらも、一生懸命探し続ける人は、きっと花開くときがくるはず。私はそう確信しています」

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藤原氏は、自分を模索している人たちに、とても具体的なアドバイスをしてくれた。

「本や写真には、自分を知るヒントが隠されています。好きな女性の表情やインテリア、ファッション、風景の写真や切り抜きを集めてコラージュを作ってみては? 自分が好きなものが見えてくると思います。たとえば、私は、ソフィア・ローレンのようなかっこいい女性が好き、そして、マティスの人を包み込むような色合いと、迷いのないラインが好き! どちらもコラージュが教えてくれました(笑)」

アランプレセ氏は、「美智子さん、すごくパッションがあるのね。イタリア人みたい(笑)」とつぶやき、その後、藤原氏のターニングポイントについて尋ねた。

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▲FCAジャパン マーケティング本部長 ティツィアナ・アランプレセ氏

“いつか”ではなく、“今”動けばいいんだ

「34歳のときに事務所を作ったことでしょうか。そのときまで、私、“いつか”という言葉をよく使っていたんです。“いつか”こうしたい、“いつか”やってみようって。でも、“いつか”ではなく、“今”動けばいいんだという人生の真理みたいなものに気づいたの。思い悩むよりも行動する。行動すれば、必然的に状況は変わります。それまで短所だと思っていた、後先考えずに行動する性格がじつは長所だと気づきました。このときから、私の人生は違うものになったような気がします」

46歳のときには、ライフスタイルを夜型から朝型に切り替えた。

「それまでは完全な夜型で、深夜2時前には寝てはいけないと思っていたんです(笑)。でも、あるとき、思い立って、夜は15分早く寝て、そのぶん朝は15分早く起きるようにしてみたの。最初は15分でも難しかったのだけど、10日もすれば慣れてきます。今は夏は4時半、冬は5時に自然と目が覚めます」

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早く起きたことで生まれた時間は“自分がやりたいこと”に使う。現在は、起きてから8時半までを“自分のための朝時間”と定め、SNSのアップ、ピアノの練習や英語の勉強、原稿執筆や校正、バレエの練習やストレッチなどを行なっている。

「日によって時間配分は違いますが、やっていることは毎日ほぼ同じです」

私もやってみようかな、でもはたして自分にできるだろうか──。そう思いをめぐらせている読者の方も多いと思うが、「大切なのはルーティン化することです」と藤原氏は力を込める。

「私は、子どもの頃から何をやっても長続きしなくて、いつも3日坊主だったの。でも物事が長続きする方法を発見したんです(笑)。まずとにかく5分でもいいからやってみる。読書を例にとると、本を1冊読んだ後って、それに関する他の本を読みたくなりませんか。それと同じです。ひとつ何かを始めれば、別の何かが見えてくる。私はこれをローリングストーン方式と呼んでいます(笑)。もうひとつ、私は、iPadの手帳でチェックリストを作っているのだけど、これはやった、あれもやったとチェックを付けるのが楽しくて仕方ないんです。そのためにルーティンをこなしているといってもいいくらい」

人間はいつからだって変わることができる

“もう私は”と、年齢や状況に言い訳をせず、まずは行動に移してみることが大事だと藤原氏は強調する。いったい彼女は、どのようにしてその境地に至ったのか──。アランプレセ氏は、読者を代表して藤原氏に疑問を投げかけた。

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「50歳になってからです(笑)。若いときは、その若さが永遠に続くと思いがちですが、決してそんなことはありません。私は、50歳になって、人生には締め切りがあることを実感しました」

年齢を重ねることに対し忸怩たる思いを抱く人は少なくない。しかし、藤原氏は、「それもわかります。でも私は締め切りに気づいたことでやる気が出てきたの(笑)。そのほうが楽しいし、やりがいもあります」と力強い。

これまでの日常が一変したコロナ禍でも、「いま自分に何ができるか」と考えて、Youtubeやブログを始めた。Zoomでブログの会員の方とおしゃべりする企画も進行しているそうだ。

「私は締め切りを設けないと続かないので、ブログは月曜、Youtubeは金曜に更新すると決めているんです」

自ら締め切りを設け、自分をコントロールすることを始めたのは、50歳というタイミングだったという藤原氏の話を受け、アランプレセ氏は、「私、50代から60代へのステップって、とても面白いものだと思っているんです」と口にした。彼女は続ける。「自分のスピリットを守るためには、違う人と話したり、違う道を歩いたり、そんなちょっとした新しいことを続けていくことが大切なのかもしれませんね」

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藤原氏も、「私も年齢を重ねるに従って、肩の力が抜けてきたことを実感しています」と同意する。

「歳を重ねることを、若さがなくなるという視点で見てしまったら、確かにいいことなんてありません(笑)。でも私は、川の流れとともに生きていくことも大事だと考えています。無理に流れに逆行する必要はありません。でも自分をしっかり持っていれば、流されていてもなんとかなるものです。でも年齢を重ねることを恐れるよりも、目をそらさず、その利点について考え、努力を続ける──。そうすれば、年齢を重ねるほど自由になり、肩の力も抜けていきます。よく“藤原さんは変わらないわね”とおっしゃっていただくのですが、私は自分が居心地よくいられるように創意工夫をしていますから(笑)。私、若い頃を思い出して、“あぁ頑張ってたな”と懐かしむことはあっても、戻りたいとはまったく思わないんです。今の自分がいちばん心地いいと思っていたいし、心地よくいられるための努力はずっと続けていくつもりです」

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年齢を重ねるのが怖くなくなったと言い切るのは正直まだ難しい。でも藤原氏とアランプレセ氏の話を聞いていると、これからどんな未来が待っているか、少し楽しみになってくる。そして、わくわくするような未来は、ほかでもない自分自身が作るものだという提言もまた心強い。まずは後先考えずにやりたいことを始めてみる──。年齢を重ねるごとに、肩の力を抜けるようになるための、そんな第一歩を踏み出してみてはどうだろうか。

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Interviewer:FCAジャパン株式会社
マーケティング本部長
ティツィアナ・アランプレセ

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Text:aya hasegawa
Photos:豊島 望

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