alfawoman 2020.05.29

美容ジャーナリスト・齋藤 薫氏による美しい生き方の秘訣

Alfa womanインタビューの第3弾として登場いただくのは、美容ジャーナリストやエッセイストとして数々のメディアで活躍する齋藤 薫(さいとう かおる)氏だ。「アルファ ロメオには若いころから憧れているんです」と語る齋藤氏は、日本における美容ジャーナリストの草分けとして長らく活躍してきた。齋藤氏の言葉には単に外見を整えるだけではなく、内面から美しく、そして芯のある女性となるためのエールが感じられる。女性が自己実現を叶え、充実した人生を送るための心がけやアドバイスを聞いた。

30歳で雑誌社を退職し、美容ジャーナリストの道へ

女性誌『FRaU』で10年間にわたる連載をまとめた『あなたには“躾”があるか?(講談社)』や、朝日新聞での連載を書籍化した『“一生美人”力–人生の質が高まる108の気づき(朝日新聞出版)』といった著書をはじめ、現在も雑誌やメディアで数多くの連載をかかえる齋藤さん。外見だけではなく、女性の内面を磨く格言は女性から圧倒的な支持を得ている。

書籍㈪ 美容ジャーナリスト・齋藤 薫氏による美しい生き方の秘訣

そんな齋藤氏に「若いころから美容ジャーナリスト、エッセイストを目指していたのか」と伺うと、「そんなことはなく、実は100%なりゆきだったんです」という答えが返ってきた。

「私が若いころ、今となっては信じられないですが、女性には“30歳定年説”というのがあったのです。30歳までに結婚して会社を辞めるというのが一般的でした。当の私も雑誌の編集者としてがむしゃらに働いてきて、30歳を迎えると燃え尽き症候群となり、すぐに結婚する予定もないのに、退職をしました」

「退職後はライターのアルバイトのようなことをはじめたのですが、雑誌編集者時代にファッションやカルチャーなど様々なカテゴリーの企画を担当してきたこともあり、最初は美容だけでなく、さまざまなジャンルの企画の仕事をいただきました。ただ、90年代当時は美容バブルが起こり、国内ブランドだけではなく、たくさんの海外ブランドが日本に上陸してきた時期でもありました。私の元にも、とにかく美容ページの仕事がたくさんやってきて、そこに注力するような形に自然となったのです。今思えば、すべてはなりゆきですね」

書籍㈫ 美容ジャーナリスト・齋藤 薫氏による美しい生き方の秘訣▲齋藤薫氏著書『大人の女よ!もっと攻めなさい(集英社インターナショナル)』

そんな彼女の文章には、女性を勇気づける言葉が散りばめられている。

「読み手の気持ちを想像しながら書いています。言葉には言霊があるのだということを常に意識しながら、書き手の自己満足にならないよう、編集者だったときのモットーに従って、面白くってタメになるような原稿を心がけています」

「自分の勘を信じなさい」と言われたことが自信に繋がった

なりゆきではじめた仕事だというが、それを本業として突き進んでいくに至るきっかけはどのようなものだったのか尋ねると「きっかけというには小さな話かもしれませんが……」という前置きのもと、このように語った。

「元々、占いはあまり信じる方ではなかったのですが、雑誌社の仕事を辞めようかと考えている時期に、有名な占い師の先生にご意見を伺ってみたんです。その時に“あなたは勘だけは良いから、自分が思った方向に直感的に進みなさい。なりゆきにまかせて良い人なのよ”と背中を押されたことですごく自信がついたんですね。そこからは自分の勘を信じて、迷わない生き方をしようと決めたんです。それが今の仕事、私の道を走り続けていく原動力となったかもしれませんね」

とはいえ、長きにわたるキャリアのなかで思い通りにいかなかったり、辛いことも多くあったことを想像するのは容易い。そんな時にどうすれば困難を乗り越えられるのか聞いてみた。

メイン画像㈰ 美容ジャーナリスト・齋藤 薫氏による美しい生き方の秘訣

「辛いことや嫌なことがあったら、あえて全部自分のせいにするよう心がけることが私の解決方法です。なぜダメだったのかをとにかく考えます。決して相手の非を探さないことも大事ですね。なかなか難しいけれど。それと心の悩みを頭で考えてみる。胸にある嫌な気持ちを上へ上へ、つまり頭にもってきて考え、答えを見つける感じでしょうか。嫌な出来事を自分のせいにするのは辛い作業ですが、人のせいにするとずっとモヤモヤが残ったり、それが自分に返ってきてしまうので、最終的に自分のせいにした方が気持ちが楽になり、次に繋がると思います」

「悩んだり、比べたりする時間を自分に与えないことも心がけています。たとえば、悩み事で頭がいっぱいになってしまっている日の夜は湯船につからない、とか。ゆっくり湯船につかっていると、ついいろいろ考えてしまうんですね。そのままベッドの中にまで悩みを引き連れていき、どんどん苦しくなってしまいます。嫌なことがあったらとにかく早く寝る。気がついたら完全な朝型生活になっていました」 “悩む”と“考える”は似て非なる行為だと齋藤氏は教えてくれる。前者はその場に立ち止まり後ろを振り返るだけだが、後者は改善策を生み、自身を成長させ、前進を促してくれるのではないだろうか。

成功は結果であって目的ではない

ウィーン取材㈭ 美容ジャーナリスト・齋藤 薫氏による美しい生き方の秘訣
▲取材でウィーンに訪れた際の一枚

また、長年、美容業界の第一線で活躍し続けている齋藤氏に、近年働く女性の大きな関心事となっているワークライフバランスについての考えを伺った。「それこそ、50代まで結構ヘビーに仕事をしてきたので、周りからは仕事人間だと思われていました」と笑う齋藤氏だが、自身では仕事人間にならないよう常に抵抗してきたという。

「“仕事があって遊びがあって趣味があっての自分”というバランスを常に考えてきました。そのため、土日は絶対に仕事の予定を入れないと自分の中でのルールを決めて、それを長年ずっと守っています。そうは言っても、50代になったときに仕事以外に何も残っていないのでは、とも思うときがあったのです。人間にはA面とB面が必要で、仕事の裏面は休暇となりますよね。その休暇を充実させる必要性を強く感じています。人生100年あるのなら、まだまだ仕事もプライベートも楽しんで奥行きのある日々を送りたいですから。では、その休日に何をするか、どうやって充実させるか。好きなもの、幸せだと感じる時間を増やそうと思いつき、友人たちと音楽サロンをはじめました。クラシックとジャズを中心に、大画面でコンサートを見たり、プロの演奏家をお招きしてミニコンサートを開いたり。そこにはクラシックやジャズに精通した、いわゆるオタクの方も多数いらしています。オタクって素晴らしいですよね。損得勘定なく、ある意味使命感のようなものすら感じさせながら好きなものやことに没頭する。その方々のお話を伺うのもとても楽しいのです」

「自分が一体何をしているときに一番幸せなのか、それを客観的に見つめて自分を自分で幸せにしてあげる。それが大切なのではないでしょうか。不幸感を抱いてしまうのも、結局はそれを放置している自分のせい。辛い分だけ楽しいことを自分に用意してあげるべきなんですよね」と齋藤氏はまとめる。

趣味教会巡り㈮ 美容ジャーナリスト・齋藤 薫氏による美しい生き方の秘訣
▲齋藤氏は『教会巡り』も趣味の一つだという

そんな齋藤氏に、オンとオフを両立させながら、自らの人生を切り拓こうとする女性へ向け、アドバイスを伺った。

「“成功は結果であって目的ではない”という素敵な格言があります。成功というのは一時のものであって、ずっと続くものではない。そうではなくなったときに挫折やネガティブな考えを生んでしまいます。もちろん夢を持つことは大事です。いろいろなことを積み重ねていって、気が付いたら成功していた、夢が叶っていた、というのが理想ですね。あとは、誰かと自分を比べない。比べるから幸せを素直に感じられないのです。ともかく人生はそうそう楽なものではないからこそ、長い人生いろいろな側面で、自分を楽にしてあげること。それが生き方のひとつのコツなのではないでしょうか」

最後に齋藤氏は、「人生を楽しむには好きなことでいっぱいにすること」と語った。齋藤氏が輝いている理由がこの言葉には詰まっている。人生を美しく歩むには、自身の成長を促す楽しいものやことで満たすことが大切なのかもしれない。

Text:Takashi Ogiyama

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