Be yourself 2021.01.19

LGBTとアライの幸せを目指して。LLAN主催『Equality Gala』が初のオンライン開催

アルファ ロメオは “Be yourself.”プロジェクトの一環として、LGBTとアライのための法律家ネットワーク(LLAN)をサポートしている。そして同団体が主催するイベント『Equality Gala』の第5回目が、昨年9月25日(金)に初のオンライン形式で開催された。今回はLLANの理事を務める梅津立氏へのインタビューを交えたアフターレポートから、日本におけるLGBTを取り巻く課題や未来への展望を探る。

LGBTの法律や人権に関わる問題を、プロの法律家たちがサポート

1-2018年Gala LGBTとアライの幸せを目指して。LLAN主催『Equality Gala』が初のオンライン開催

Equality Gala』のアフターレポートに入る前に、まずはLLANという団体の存在を始めて知ったという方のために、設立の経緯や団体として発信するメッセージについてご紹介しよう。

LLANとは“Lawyers for LGBT & Allies Network”の略であり、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーなどの性的少数者)と、アライ(“味方”“同盟者”を意味する単語。転じて“LGBTを理解・支援する人”)を支援する法律家の団体のこと。共同代表及び創設者の藤田直介氏とアレキサンダー・ドミトレンコ氏が2016年2月に設立し、企業や法律事務所に所属するプロの法律家たちが参加してLGBTを取り巻く法律や人権に関わる問題をサポートしてきた。

10-2018年GalaでMCを務めるドミトレンコ共同代表 LGBTとアライの幸せを目指して。LLAN主催『Equality Gala』が初のオンライン開催
▲アレキサンダー・ドミトレンコ氏

4-藤田&ドミトレンコ-2 LGBTとアライの幸せを目指して。LLAN主催『Equality Gala』が初のオンライン開催
▲藤田直介氏

今回インタビューを行ったLLAN理事の梅津立氏は、2016年当時のことをこう振り返る。

「私は藤田さんと長いお付き合いがあって、LLANが立ち上がって間もない2016年の半ばぐらいに声を掛けていただきました。ちょうどその前年から私が所属するアンダーソン・毛利・友常法律事務所 外国法共同事業では、難民支援やNPO法人支援を行うプロボノ(社会貢献)委員会というものを立ち上げており、私はその委員となっていました。その時に藤田さんから『プロボノ委員会の活動の一環として、ぜひLGBTの活動に取り組んでほしい』と声を掛けていただき、LLANに参画することになった次第です」

IMG_00070 LGBTとアライの幸せを目指して。LLAN主催『Equality Gala』が初のオンライン開催
▲梅津立氏

そしてLLANが活動を開始して以来、毎年開催してきた自主イベントが『Equality Gala』。LLANの活動のアピールとチャリティーを目的とし、アルファ ロメオを始めさまざまなスポンサーと共に開催してきた。イベント内ではゲストスピーカーによるスピーチや、LGBTをテーマにしたドキュメンタリー作品の上映などを実施。協賛やチケット購入で集まった資金の一部はLLAN以外のLGBT団体へ寄付するなど、草の根的な活動を地道に続けてきた。

『Equality Gala』初のオンライン開催。感じた手応えとこれからの課題

しかし第5回目の『Equality Gala』となった2020年は、昨今の事情からリアルな場での開催がやはり難しく、初のオンライン開催という形式で9月25日(金)にYouTubeで配信された。

「どのような形で開催するかについては早くからLLANの理事会で議題に上がっていましたし、皆でたくさん話し合いました。『毎年開催してきたイベントなので継続したい』という想いについては皆が同じでしたが、これまでのようにホテルの会場に大人数を集めるのはやはり適切ではなかったため、オンラインでの開催が全員一致で決まったのです。結果的にオンラインゲストによるビデオメッセージやビデオエンターテインメントがたくさん寄せられたことで、素晴らしいイベントを開催することができましたね」(梅津氏)

リアルな場で開催できなかった反面、オンライン開催は会場に招待する人数の制約がない分、LLANの存在を新たな層に知らせることができた点を梅津氏も喜ばしく感じている。

「多くの方に観ていただけたことはとても良かったですし、海外にいらっしゃる多くの方にもオンラインゲストで参加していただきました。例えば、ミュージカルスターのJ・ハリソン・ジーさん。素晴らしいビデオメッセージと歌(“Hold Me in Your Heart” from Kinky Boots)を寄せてくださいまして、その動画は私のチームで日本語字幕を作成しました。歌詞の翻訳などは経験がなくて戸惑ったのですが、キンキーブーツを観たことがあるスタッフが上手に訳してくれましたね。これは普段の仕事とまったく違うなか楽しい経験でした。そしてイベント終了後には良い反響が各理事の元に届いていまして、私のところにも『一人一人のメッセージが我々にとって大切なことを伝えてくれていました』といった声が届いています」(梅津氏)

gara2020出演者 LGBTとアライの幸せを目指して。LLAN主催『Equality Gala』が初のオンライン開催
▲J・ハリソン・ジー氏 / 『LLAN Fifth Annual Equality GALA』動画より

設立から5年目を迎えるLLAN。さまざまな活動を通してLGBTが直面する問題のサポートを続けてきたが、現時点で梅津氏が感じている手応えと今後の課題について伺った。

「日本における企業レベルでの意識の向上については手応えを感じていますし、人材の活用と社会的意義から、積極的にLGBTの活動を支援する企業が増えてきました。また、同性婚訴訟弁護団による訴訟が開始されており、時間はまだまだかかりますが、2016年当時から比べて大幅に前進していると感じます。同性婚支援に賛同していただけているのは、今のところ外資系企業の方が多いので、これからは日本の企業にも支持の輪を広げていきたい。一方で、例えば学校教育の現場では、LGBTの子どもたちがいじめられたり、教員から適切な扱いを受けていなかったりという問題が以前からあり、まだ残っていると感じます。この問題は不適切な部活指導や校則など、生徒の人権に対する意識が薄いことが背景にあるため根が深く、LGBTに対する無知がさらに状況を悪くします。もちろん4・5年前に比べて改善されてきていますが、まだまだ十分な対応ができていないことは引き続き課題といえるでしょう」(梅津氏)

皆が“幸せ”になるために。LLANを突き動かす想いとモチベーション

gara2020の様子 LGBTとアライの幸せを目指して。LLAN主催『Equality Gala』が初のオンライン開催
▲『LLAN Fifth Annual Equality GALA』動画より

改めて2020年はすべての人々にとって予想だにしない事態に襲われた1年となり、それはLLANにとっても同様だった。LLANはこれからの未来に向けて、どのような展望を見据えているのだろうか?

「同性婚の実現に向けては、今年も積極的に活動を続けていきます。まずは訴訟に勝つことを目標とする弁護団を引き続き支援します。そして法廷での弁論のためには、海外の同性婚制度に関するレポートの作成や証拠書類の翻訳などで引き続き協力したい。また、社会的な認知が高まることも訴訟の結果に影響を及ぼすと思います。そのために我々ができる活動は、さまざまな企業に働きかけてLGBT及び同性婚に対する社会全体のサポートを増やしていくことや、大学を中心とした教育施設における講座や地方都市を回っての講演など。それらを今まで同様に行い、社会的認知の向上を目指します」(梅津氏)

これまで日本におけるLGBTコミュニティのサポートを続けてきたLLANとアルファ ロメオ。アルファ ロメオが昨年、創立110周年を迎えた際にLLANを代表してドミトレンコ氏が「アルファ ロメオは毎年、LGBTの権利や平等のために共に立ち、力強い声援とサポートをしてくれています」と感謝を伝えれば、昨年の『Equality Gala』ではFCAジャパンマーケティング本部長のティツィアナ・アランプレセ氏が、「あなた方の尽力により、このイベントが日本、そして世界にとって大切なテーマを取り上げるイベントとなっています」とメッセージを送るなど、双方がリスペクトを持って共に歩む関係はこれからも続いていくだろう。

7-2018年Gala3 LGBTとアライの幸せを目指して。LLAN主催『Equality Gala』が初のオンライン開催
▲ティツィアナ・アランプレセ氏 / 2018年『Equality GALA』より

インタビューの最後に梅津氏にアルファ ロメオの印象を伺うと、「とりわけ早くからご理解、ご支援をいただいているので非常に感謝しております」という言葉に続いて、こんな答えが返ってきた。

「実は個人的に私はアルファ ロメオが大好きでして、156というモデルに10年ほど乗っていたことがあります。デザインが特別ですし、伝統のV6エンジン、あれがとても好きなんですね。イタリアのクルマは人を幸せにしてくれますし、イタリアの方たちは“幸せ”に関して素晴らしい考え方を持っている。その点で言うと、LLANの活動も人々が幸せになるために行っています。そして、当たり前の幸せがない人もいるということを、みんなに知ってほしいという気持ちが根底にあります」

どんな人も平等に幸せになってほしい。そして日本において誰もが幸せになるためにやるべきことがある。その想いが、梅津氏を始めLLANのメンバーを突き動かすモチベーションになっているのだろう。

Text:ラスカル(NaNo.works)

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