Products 2021.12.17

ウォッチディレクター・篠田哲生氏が選定。今後資産価値が高まるであろう、ラグジュアリースポーツウォッチ7選

ロレックスの『コスモグラフ デイトナ』の価格高騰が話題となっている昨今、時計の購入の際の検討材料に“今後の資産価値”を加えて考える人が増えているという。そこで今回は、時計専門誌からファッション・ライフスタイル誌まで、幅広い媒体で活躍するウォッチディレクター・時計ライターの篠田哲生氏に、今後資産価値が高まることが予想される、タイムレスな魅力を持つ高級時計を選定いただいた。

タイムレスでオールマイティなラグジュアリースポーツを狙え

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そもそも高級時計は、丁寧にメンテナンスをする限り、一生どころか子や孫へと受け継いでいけるものである。そして一緒に時を刻んできた時計に積み重なった思い出は、何物にも代えがたい価値がある。しかし昨今は、ここに“資産価値”も加えて考える人も増えている。そのきっかけを作ったのは、ROLEX(ロレックス)の『コスモグラフ デイトナ』。昔からこのモデルは人気が高く、ヴィンテージウォッチが高額で取引されてきた。特に高額なのが、俳優ポール・ニューマンが好んだ“エキゾチックダイヤル”と呼ばれる希少モデルだが、その“本物”であるポール・ニューマン愛用の『デイトナ』が、2017年に開催されたフィリップスのオークションにて、なんと約28億円で落札されたのだ。“高級時計は資産となる”。そう認知された結果、多くの人がこぞって高級時計を買い求めているのだ。
では、資産価値は何で決まるのか? それは欲しいと思う人の数である。職人が手作業で組み上げる高級時計は、大量生産には不向き。人気が高まるほど、需要と供給のバランスが崩れ、結果として資産価値も高まるのだ。
現在最も人気が高いのは、“ラグジュアリースポーツ”というジャンルで、スポーツウォッチでありながら、ドレスウォッチのようなラグジュアリーなディテールや仕上げを取り入れているもの。ドレッシーにもカジュアルにも楽しめる時計であり、クルマに例えていうなれば高級SUVのようなオールマイティ・プレイヤー。満足度が高いので、今後も人気は落ちないだろう。つまり価値は高まる一方なのだ。

ラグジュアリースポーツの原点の進化版

AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ)『ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ』

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▲AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ)『ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ』自動巻き、SSケース、ケース径42㎜。ブティック限定。¥4,730,000(税込)

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そもそも、ラグジュアリースポーツウォッチというのは、1972年にオーデマ ピゲが発売した『ロイヤル オーク』が原点といわれている。そしてこの記念碑モデルの20周年の1993年に生まれたのが、エクストリームスポーツにも対応できるよう防水性などのスポーティな性能をアップさせた『ロイヤル オーク オフショア』である。デザイン的な特徴は、潜水服のヘルメットをイメ―ジしたという八角形のベゼルで、ビスの刻みの方向まで意匠に取り入れているのも特徴。このモデルはもはや伝説となった初代モデルのダイヤルデザインを復刻しつつ、最新型の自社ムーブメント“キャリバー4404”を搭載したもの。付属のラバーストラップへの交換も可能。

▼INFO:画像提供
オーデマ ピゲ
https://www.audemarspiguet.com/com/ja/

ジュネーブの名門らしいエレガンスがある

VACHERON CONSTANTIN(ヴァシュロン・コンスタンタン)『オーヴァーシーズ・オートマティック』

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▲VACHERON CONSTANTIN(ヴァシュロン・コンスタンタン)『オーヴァーシーズ・オートマティック』自動巻き、SSケース、ケース径41㎜。¥2,662,000(税込)

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1755年に創業したジュネーブ屈指の名門ウォッチメゾンであるヴァシュロン・コンスタンタン。エレガントなドレスウォッチを得意とするが、ラグジュアリースポーツウォッチの歴史も長い。このモデルのルーツは、創業222周年となる1977年に作られた傑作『222』であり、そのシャープな造形美を継承している。『オーヴァーシーズ』は、老舗らしい品格溢れる佇まいで人気だが、ユーザーメリットも大きい。なんとメタルブレスレット以外にアリゲーターとラバーのストラップも付属しており、道具なしで簡単に取り換えられるのだ。この一本であらゆるファッションやシーンに対応できるという使い勝手の良さは、まさに他の追随を許さない。

▼INFO:画像提供
ヴァシュロン・コンスタンタン
https://www.vacheron-constantin.com/jp/ja/

ディテールに隠れた知的な個性

Breguet(ブレゲ)『マリーン 5517』TI×ブルー

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▲Breguet(ブレゲ)『マリーン 5517』TI×ブルー 自動巻き、Tiケース、ケース径40㎜。¥2,068,000(税込)

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フランス革命期のパリで活躍した時計師アブラアン-ルイ・ブレゲは、現在の機械式時計に使用される多くの機構を開発した天才であった。彼はその功績から、当時の時計師の最高峰であるフランス海軍御用達時計師を任命され、船舶の安全な航行に欠かせない海洋高精度時計の開発を担っていた。この『マリーン』は、ブレゲの偉大な功績を現代へと伝えるもの。小さなローマ数字インデックスやブレゲ針、ケースサイドのコインエッジ仕上げなど、初代ブレゲが考案したアイコニックなデザインを取り入れているため、他とは違った知的な雰囲気がある。このモデルはケース素材にチタンを使用しているので、つけ心地はとても軽やかだ。

▼INFO:画像提供
スウォッチグループジャパン株式会社/ブレゲ
https://www.breguet.com/jp
ブレゲ ブティック銀座/03-6254-7211

時代の転換期に生まれた名作ウォッチ

GIRARD-PERREGAUX(ジラール・ペルゴ)『ロレアート 42mm』

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▲GIRARD-PERREGAUX(ジラール・ペルゴ)『ロレアート 42mm』自動巻き、SSケース、ケース径42㎜。¥1,419,000(税込)

1971年に創業したジラール・ペルゴは日本とも縁が深いブランドで、創業者ファミリーのフランソワ・ペルゴは幕末期の日本に初めてスイス時計を伝えた人物であり、その生涯を横浜で終えたという。そんな名門のラグジュアリースポーツウォッチは、1975年に誕生した『ロレアート』。当時は最新テクノロジーであったクオーツムーブメントを搭載していたが、2017年のレギュラーコレクション化を期に、自社製の機械式ムーブメントを搭載するようになった。キレのある八角形ベゼルに柔らかなカーブが綺麗なケースを組み合わせ、さらにヘアラインとポリッシュの仕上げを巧みに使い分けており、印象的な時計に仕上げている。

▼INFO:画像提供
ジラール・ペルゴ
https://www.girard-perregaux.com/jp_jp/

リッチで小ぶりなエレガントウォッチ

PIAGET(ピアジェ)『ピアジェ ポロ デイト』

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▲PIAGET(ピアジェ)『ピアジェ ポロ デイト』自動巻き、SSケース、ケース径36㎜。¥1,592,800(税込)

Piaget-Polo-36mm-Steel-Blue-Dial_G0A46018_side ウォッチディレクター・篠田哲生氏が選定。今後資産価値が高まるであろう、ラグジュアリースポーツウォッチ7選

1874年に創業した歴史ある時計ブランドでありつつ、創造的なジュエラーとしても名高いピアジェは、ラグジュアリースポーツウォッチであっても、華やかでエレガントな世界観をしっかりと取り入れている。1979年に誕生した『ピアジェ ポロ』は、王侯貴族が愛したスポーツ、“ポロ”をイメージしており、ゴドロンと呼ばれる優雅な横線デザインで有名だった。現在のモデルはケースのサイズ感や薄さなど全体的にスポーティなプロポーションを強めており、36㎜という小径モデルも用意。インデックスにはダイヤモンドをセッティングしており、ラグジュアリーさをさりげなく演出。パートナーと一緒に使えるシェアウォッチとしても楽しめるだろう。

▼INFO:画像提供
リシュモンジャパン株式会社
https://www.piaget.com/jp-ja

モダンな造形と輝きを楽しみたい

Chopard(ショパール)『アルパイン イーグル ラージ』

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▲Chopard(ショパール)『アルパイン イーグル ラージ』自動巻き、ルーセント スティール A223ケース&ブレスレット、ケース径41㎜。¥1,650,000(税込)

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現在、ショパールの共同社長を務めるカール-フリードリッヒ・ショイフレが、まだ若き青年だった1980年に考案した時計『サンモリッツ』を、現代的な解釈で蘇らせたのが、この『アルパイン イーグル ラージ』だ。ケースサイドの張り出しやベゼルのビスの配置、ブレスレットのデザインなど、対称形にこだわったバランスには、誰もが美しいと感じる普遍性がある。ちなみにダイヤルの細やかな造作は、アルプスに棲むワシの目の虹彩をイメージしたもの。ケースやブレスレットの素材は、光沢が美しい“ルーセント スティール A223”という金属。ジュエラーとしても有名なショパールらしく、細部まで美しい表現を凝らしている。

▼INFO:画像提供
ショパール
https://www.chopard.jp/

比類なきスタイルを持つ時計

Parmigiani Fleurier(パルミジャーニ・フルリエ)『トンダ PF マイクロローター』

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▲Parmigiani Fleurier(パルミジャーニ・フルリエ)『トンダ PF マイクロローター』自動巻き、SSケース、ケース径40㎜。¥2,585,000(税込)

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数々のミュージアムピースの修復を行い“神の手を持つ時計師”と称されたミシェル・パルミジャーニの修復工房を発展させるかたちで、1996年にスタートした時計ブランドがパルミジャーニ・フルリエ。歴史的な時計からアイデアを得たクラシックウォッチが代表的だが、2020年に、同社初のラグジュアリースポーツ『トンダ GT』コレクション、続いて2021年には『トンダ PF』コレクションを発売。『トンダ PF』のこのモデルはインデックスを短くしておりロゴやカレンダーも小さいので、ダイヤルに施したバーリーグレイン・ギヨシェ仕上げの美しさが際立つ。動力ゼンマイを巻き上げる回転錘をムーブメント地板に組み込むマイクロローターを採用することで、ケース厚は7.8㎜とかなり薄型。シャツの袖口にもすっと馴染む。

▼INFO:画像提供
パルミジャーニ・フルリエ
https://parmigiani.com/en/

ラグジュアリースポーツウォッチは1970年代に誕生し、そのスタイルを現代へと継承してきたタイムレスな魅力を持つ時計だ。既にマスターピースたちは極めて入手困難になっているが、ここに紹介する7モデルも同様の状況になること必至である。

PROFILE

篠田 哲生(しのだ・てつお)

ウォッチディレクター・時計ライター。
1975年千葉県出身。
時計専門誌からビジネス誌、ファッション誌やWEBなど、様々な媒体で時計記事を担当し、また様々な時計イベントやトークショーを企画、出演している。数百万円の高級時計から1万円以下のカジュアルウォッチまで、購入して体感することをモットーにする。近著の「教養としての腕時計選び」(光文社新書)は、台湾版と韓国版の発売が決定。

Text:篠田哲生

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