Products 2020.11.18

GR Ⅲでなければ提供できない価値の追求を

2020年11月18日(水)から始まるアルファ ロメオ×RICOH GR Ⅲのキャンペーン企画を踏まえ、“瞬間の記録”を追求したGR Ⅲをつくるリコーイメージング代表取締役社長の高橋 忍氏に、アルファ ロメオのスピリットにも通じるであろう、ものづくりに賭ける信念と情熱をたずねた。

趣味用品はお客様に合わせ過ぎてはならない

「写真を生涯の趣味にしたい人たちへ」
写真表現の本質とされる“瞬間の記録”を徹底追及したGRをつくるリコーイメージング代表取締役社長高橋 忍氏は、自社製品の存在意義をそう表した。この言葉の意味を理解するには、まずGRというカメラの類稀な特徴を知る必要があるだろう。

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▲リコーイメージングの代表取締役社長、高橋 忍氏

GRは、1996年に発売されたアナログ=フィルム時代の初代GR1からズーム機能を持たずにきたコンパクトカメラのシリーズだ。現行のデジタル版では35ミリ換算で28㎜ F2.8の単焦点レンズを装備している。つまりGRは、そのレンズが切り取る画角でしか撮影できないカメラである。にもかかわらず、今もってコンパクトデジタルカメラ市場で人気ナンバーワンとなるのはなぜか?
それは、軽量化や俊敏性といったコンパクトカメラに必要なスペックや、本質的な性能である高画質を備えた上で、愚直なまでに“瞬間の記録”というコンセプトを貫き通す姿勢に、高橋氏が口にした“写真を生涯の趣味にしたい人たち”が呼応してきたからだ。再び別の表現をすれば、GRがあることで写真を生涯の趣味にできる人たちを育んでいるとも言えるだろう。

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▲GR Ⅲ

そんな稀有なプロダクトまたはブランドの舵取りを任されている高橋氏は、2014年4月にリコーイメージングにジョインし、その3年後に現職に就いたという。それ以前は音響・映像機器を生産する日系企業の欧州販売責任者だったことから、製品の趣味性には一定以上の理解があったそうだ。
「道具自体の性能や価値もさることながら、それを使って何をどう楽しむか?趣味の世界はそこが重要だと知っていましたから、扱うものがカメラになってもやっていける信念を持って入社しました。趣味用品は、お客様の嗜好に直接触れられる素晴らしい商売だと思います。たとえば前職では、1枚数千円のDVDを100万円のホームシアターで見たい、この道具でなきゃダメだとおっしゃるお客様にたくさん出会ってきました。これは、GRでなければ撮れない写真を求めるお客様がいる世界観と同じと言っていいでしょう。ただ……」
一呼吸置いた高橋氏は、前の業界で日本メーカーが味わった苦悩を話し始めた。

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「以前にいた業界では、20年間というのは、お客様が欲しいと思うものを低価格で製品化する方向で来ました。しかし、やがて台頭してきた中国や韓国の製品に太刀打ちできなくなり、負のスパイラルに陥りました。その末に招いたのはブランド価値の棄損です。一方で日本のカメラメーカーは、市場自体が縮小しようとも質の高い製品を提供してきました。中でもリコーイメージングのGR、そしてPENTAX(ペンタックス)は、マーケット内でニッチな立ち位置を獲得しながら、常に新しい挑戦をしてきたことを私も知っていました。それらに鑑みると、趣味用品は利便性を求められるお客様に合わせ過ぎてはならないのでしょう。あくまでメーカー側が楽しみを提案し続ける。その努力が自社ブランドの価値を保つ秘訣だと思います」

GRとペンタックスの融合がもたらしたもの

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高橋氏が言うブランド価値の在り様には、もちろん自社の取り組みも含まれているわけだが、現職の取締役社長がそれを発言できる背景には、リコーイメージング自体の経緯が支えになっているのだろう。
リコーイメージングは、先にも出てきたペンタックス――1919年創業の旭光学工業を祖とする国産カメラブランドと融合する形で2011年10月に設立。2013年3月に現在の名称に変わった、コンシューマー向けカメラ製品の開発・製造・販売を行うリコーグループの関連会社だ。リコーと言えばオフィス関連のプロダクトで有名な企業だが、実は旭光学工業と時を同じくしてカメラをつくってきた歴史がある。そんなライバル同士が一つ屋根の下で共に働き成功を導き出す鍵を、高橋氏は「共同作業の実践」と答えた。

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「リコーとペンタックスが一緒になる前からそれぞれ開発していた製品がありましたが、そのまま分離して仕事を進めても融合は果たせません。そこで共同作業が実践できるロードマップをつくり、特にテクノロジーの部分で互いの長所を取り込む方策を練りました。実際に過去最長の4年の開発期間を設けた最新のGR Ⅲは、ペンタックスが培った手ブレ補正技術等を生かしつつ、さらなる小型化も達成しています。生産拠点も、GRⅡまでの中国リコー工場から、ペンタックスのレンズをつくっていたベトナムのハノイ工場に切り替えました。そうした変革の中では、GRからペンタックスのカメラに反映された技術もあります。GRもペンタックスもつくり手は同じ。開発は交互に行っていきます。そこで生まれたのは一体感です。何しろカメラが好きで仕方ないスタッフばかりですから、より良いものをつくりたい一心で取り組んでくれています」

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▲ベトナム・ハノイ工場での一枚

その一体感がもたらしたのはブランドの差別化だった。旧リコーの主力製品たるGRはひたすら単機能で“瞬間の記録”にこだわる不変性を追求し、新たなペンタックスは“一眼レフの未来を創る”を標榜した。さらに、明確な棲み分けを整えた先で双方のブランドブックを制作。高橋氏によると、「ブランドの特徴を5つに分けたとして、4番目がいいという人もいれば、あえて6番目を持ち出す人もいる。そのどれも間違ってはいませんが、ブランドのビジョンを鮮明にするためには、全員が同じ言葉で語れなければと思いました。ですからブランドブックは、中にいる人たちのためにこそ必要なものだったのです」
そうした企画を承認し実行に移してきたのが高橋氏なのである。

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もっとも大事なのは、尖っていること

「尖っていること。我々にとっては、それがもっとも大事です。尖らせるためには可能な限り削ぎ落さなければなりませんが、販売代理店からは、ズーム付きのGRをつくってくれたら今の10倍は売れますよと耳打ちされたりします。経営者としては心が揺らぎますよね(笑)。しかしGRは単焦点でやってきて、社内の人間だけでなくファンの方々にも“こういうもの”というイメージが根付いています。ペンタックスにしてもミラーレスにすればいいのにと言われます。我々もその技術は持ち合わせていますが、直接ファインダーをのぞいて被写体を見る一眼レフならではの楽しみを捨て去ることはできません」

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マーケットインではなくプロダクトアウトを主張する高橋氏の発言は美しい。ただ、立場的には売り上げを伸ばすという使命があるだろうし、ましてやスマホの普及でカメラ市場の縮小は顕著だ。そんな時代に尖り続けることは可能なのだろうか?
「最近はあいみょんのようなメジャーなアーティストも、あえてアナログレコード盤を出していますよね。レコードのほうが味わい深い音がするとして、アナログレコードプレーヤーが一時期の10倍くらい売れています。それは単なるレトロではなく、特に若い人たちには新しい価値として受け入れられた一例です。確かにスマホが普及して以降、コンパクトカメラの売り上げはピークの10分の1。一眼レフも同じく半分まで市場がシュリンクしています。ですが音楽を聴く人や写真を撮る人が減ったわけではありません。であれば、スマホではできないこと。あるいはGRやペンタックスでなければ提供できない価値が必ず存在します。我々はそれを追い求めながら、写真を生涯の趣味にしたい人たちのために尖った製品づくりを行っていきます」

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高橋氏が語ったリコーイメージングのものづくりにおける信念。アルファ ロメオとの共通項は、優れたプロダクトが生み出す“最高の体験”の追求ではないだろうか。おそらく製品化のプロセスで体験領域の数値化は不可能に近いかもしれない。それでも、「この道具でなければ」という言葉を超えた世界、ひいては独自の世界観を提供することに、それぞれが最大級の情熱を傾けていると思う。

最後に一つ。インタビューの最後で高橋氏に趣味をたずねたら、バイオリンという答えが返ってきた。少年時代に始めて以来、今はリコーグループのオーケストラに参加し演奏活動を続けているという。それを聞いただけでこの会社は信用できる気がした。なぜなら、趣味が人生を豊かにすることをトップ自身が知っているからだ。芳醇な人生を求めてやまないアルフィスタならこの意見に共感してくれると思うのだが、どうだろう。

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※ソーシャルディスタンスを保ち、安全に十分に配慮したうえで取材を行っております

INFORMATION

RICOH GR Ⅲ コラボレーションプレゼントキャンペーン

キャンペーン期間 2020年11月18日(水)〜1月15日(金)

進化を遂げたその走りが、ドライバーの感情に訴えかける新型 ジュリア & ステルヴィオ。そして“瞬間のきらめき”を鮮やかに捉えるため、深化を果たしたRICOH GR Ⅲ。それぞれのかたちは違えども、モノづくりに込められたクラフトマンシップには、深く共鳴し合うものがある。

人の感情をかきたて、人生に豊かなドラマを刻み込むこと。そうした信念と哲学をクルマとカメラで体現してきたアルファ ロメオとRICOHのコラボレーションが、いまここに実現。

気鋭のフォトグラファー 吉村和敏氏、コムロミホ氏の2人がGR Ⅲで捉えたエモーショナルな瞬間。それらの写真の中から、あなたの心を打つ1枚を選んでください。抽選でRICOH GR Ⅲまたはオリジナルグッズをプレゼントいたします。

https://www.alfaromeo-jp.com/campaign/ricohgr3-campaign/

Text:田村十七男
Photos:豊島 望

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