Products 2020.12.24

世界に5つのみ。真田紐ハンドストラップに込められた思いとは──。

RICOH GR Ⅲコラボレーションプレゼントキャンペーンが好評だ。抽選でハイエンドコンパクトデジタルカメラRICOH GR Ⅲ、もしくは、アルファ ロメオとJ limitedによるオリジナル真田紐ハンドストラップが当たる。ハンドストラップは現時点ではプレゼントで提供する分しか作っていない。今回はこのキャンペーンのために特別にあつらえた、世界にわずか5本のハンドストラップに込められた思い、さらにJ limitedプロジェクトや強くて美しい伝統工芸品・真田紐について深掘りした。

愛着をもってもらえるプロダクトを生み出したい

J limitedは、リコー内で立ち上がった新たなプロジェクトだ。メンバーは現在3人。そのひとりである商品企画部の鈴木タケオ氏はブランドについて、「デジタルカメラを自由にカスタムしたいという思いがきっかけでした」と立ち上げの経緯を語る。

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▲鈴木タケオ氏

「自分の道具をカスタマイズして、より愛着を持ちたいという人は少なくありません。でも、デジタルカメラの世界にはなかなかそういった文化がなくて」と、大人の遊びゴコロと愛すべきオタク精神を兼ね備えた、鈴木氏ら3人は、特別なパーツや加工を施した、同社デジタルカメラのファクトリーカスタムブランドをスタートさせる。これがJ limited だ。2019年のカメラショーでの展示も好評で、「ほかのカメラメーカーのデザイナーさんも、『こういうことをやりたかったんだよね』と声をかけてくれたのがうれしかったですね」と鈴木氏は相好を崩す。

J limitedが製品化した記念すべき最初のアイテムは、デジタル一眼レフカメラ『PENTAX KP』に特別色の塗装とカスタムパーツを装着した『PENTAX KP J limited』だった。一目見て、「かっこいい」と言葉を漏らしてしまいそうなクールさだが、カメラにくわしい人なら、よりそのすごさが理解できると思う。

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くわしく説明するとそれだけでひとつ記事が完成してしまうので、ここでは簡単に紹介すると──。まず、カスタムウッドグリップは、120年の歴史を持つ猟銃メーカー・ミロク、その木工部門を担う株式会社ミロクテクノウッドの協力のもと、北米産のウォールナットを削り、9層のコーティングを施したものだ。マウント部の表面加工には、シチズン時計株式会社の表面硬化技術・デュラテクトDLCを採用。カメラのマウント部は通常、シルバーだが、こちらは美しい艶のブラックだ。人気写真家の吉村和敏氏が風景撮影をおこなう際のカメラセッティングを再現したスペシャルモード設定『PH-mode Yoshimura』も搭載している。大量生産はできないため受注販売となるが、「驚くほどのオーダーをいただいています」(鈴木氏)

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「子どもの頃、お父さんやおじいちゃんにカメラを触らせてもらった時、大切なものを託してくれた喜びや緊張感でどきどきしたことを覚えていませんか。でも歳を重ねるにつれて、僕自身もそうですが、そういった感情が薄れてしまっています。カメラは年々進化していきます。スペックはもちろん大事ですが、スペックがすべてではありません。年月の経過とともに、たとえばその間についた傷に愛着がわいてきたりすることもありますよね。初めて写真を撮った時のことを思い出すような、愛着を持ってもらえる、それを持っていることがうれしくなるようなプロダクトを作りたいと考えています。そういった想いは、アルファ ロメオのものづくりにも通じる部分があるのではないでしょうか」(鈴木氏)

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J limitedとアルファ ロメオとのプロジェクトがスタートしたのは2019年。モノづくりに込められたクラフトマンシップに親和性を感じた鈴木氏が、FCAジャパン株式会社マーケティング本部長のティツィアナ・アランプレセ氏にプレゼンテーションを行ったところ、アランプレセ氏は、その場で、「ぜひ一緒に何かやりましょう」と快諾。そして今回、関東で唯一の真田紐の製造を行っている市村藤斉氏が牽引する市村真田紐が手がけたオリジナルストラップが完成した。

木製の織機で織られる美しい伝統工芸品・真田紐

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真田紐は、行商の荷紐やたすき、帯など生活道具として愛用されてきた伝統工芸品だ。起源については諸説あり、戦国時代の武将、真田幸村の父・昌幸が、その頑丈さから、刀の下げ緒や甲冑などに用い、また情報収集を兼ねて家臣に売り歩かせていたという説が有力視されている。関ヶ原の戦いの後、和歌山県の九度山に蟄居していた真田昌幸・信繁(幸村)父子が生計を立てるために真田紐を作っていたという説もある。

組紐と違うのは、“組む”のではなく、横糸と縦糸で“織る”織物だということだ。耐久性があり、横糸と縦糸が織りなす模様の美しい紐を、千利休は茶道具を入れる桐箱を留める紐として使用。現在も美術館や美術商で使われる桐箱を留める紐として重宝されている。

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▲真田紐職人 市村藤斉氏

1945年に高校を卒業した藤斉氏は、戦前戦後の日本の電力を司っていた日本発送電に就職。大正時代から真田紐作りを生業とする家に生まれたが、家業を継ぐつもりはなかったという。しかし、戦争が終わった直後の、同年の11月に母親が急逝。その際、真田紐を絶やさないでほしいと言い残し、藤斉氏は真田紐を織り続けていく決意をする。

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市村真田紐では、今も創業時から使用する木製の織機で真田紐を織っている。
「父が生まれた頃にはすでに使用していた織機ばかりです」と語るのは、藤斉氏の後継者である息子さんだ。
戦時中は織機を数カ所に分けて保管したそうだ。木製の歯車は不具合があるたびに修理され、今なお現役だ。以前は手回し式だったが、「20年くらい前だったかな」(藤斉氏)、電動モーターを取り付けた。

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効率化をはかるため、金属製の織機を購入したこともあったが、「厚みが出ずぺたんこになってしまうんです。ほとんど使わないまま、しまい込んでしまいました(笑)」(藤斉氏)
「真田紐の命は耳の部分。耳がきれいに揃ってなきゃ、真田の値打ちはない」と藤斉氏が語る側面部、適度な厚みは、木製の織機と職人技がなせる代物だ。使い込まれた織機は、カタンカタンと小気味良い音を鳴らしながら細やかな糸を織り上げていく。

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▲今回の真田紐ストラップを織った織機

こだわりの詰まった一寸幅のストラップ

日本一かっこいいストラップを作りたい──。そう考えたJ limitedが、藤斉氏にストラップの製作を依頼したのは当然の流れだったかもしれない。しかし、最初の返事はノー。御年92歳の藤斉氏は快活に笑う。「一寸(3センチ)幅のものを作ってほしいという依頼だったのですが、幅が広いものはそのぶん糸を多く使うから手間がかかるんですよ(笑)」
「でもカメラに取り付けることを考えると、どうしても一寸という幅が必要でした。3回目の依頼で、仕方ない、わかったよとようやく首を縦に振ってくれました」(鈴木氏)

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小さなストラップにはこだわりが詰まっている。横糸はシルク、縦糸は綿を使用。白い糸を京都で染めあげるところからはじまった。外側は赤、内側は黒となるように、このモデルだけのデザインとなっている。こうして完成したオリジナルストラップは優美で力強い。「藤斉さんの真田紐は手触りがしなやかで、独特な風合いがあるんです」と鈴木氏も誇らしげな表情を見せる。

家紋のように依頼主ごとに独自の柄が用いられる点も、真田紐のドラマチックなところだ。同じ柄を別の依頼主に提供することはできないという。藤斉氏が見せてくれた台帳には色とりどり、さまざまなデザインの真田紐が貼られていた。縦糸と横糸の組み合わせで、無限のデザインを作り出すことができるのだ。

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「色のちょっとした違いでも、まったく雰囲気が異なるものになったりするんですよ。時々、市松模様など、『え、こんなのを織るの?』と、驚くようなデザインの依頼もあります(笑)でもそんな時ほど、織機から織られた紐が出てくる瞬間は興奮するんですよね」(息子さん)

赤と黒のツートンのデザインが映える今回のストラップを手にしながら、「今度は横糸も赤にしてみてもいいかもしれない。きれいな赤が出ると思うよ」と藤斉氏は力を込める。

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昔ながらの使用用途のほか、近年、持ち手に真田紐をあしらったトートバッグや、ネックレスストラップ、真田紐を使ったサンダルなど、真田紐の新たな可能性も見出されている。「コンセプトに共感したたくさんの方々や企業様より、惜しみないご協力を頂いております」(鈴木氏)というJ limitedも、真田紐もその可能性は果てしなく広がっている。

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※ソーシャルディスタンスを保ち、安全に十分に配慮したうえで取材を行っております

INFORMATION

RICOH GR Ⅲ コラボレーションプレゼントキャンペーン

キャンペーン期間 2020年11月18日(水)〜1月15日(金)

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進化を遂げたその走りが、ドライバーの感情に訴えかける新型 ジュリア & ステルヴィオ。そして“瞬間のきらめき”を鮮やかに捉えるため、深化を果たしたRICOH GR Ⅲ。それぞれのかたちは違えども、モノづくりに込められたクラフトマンシップには、深く共鳴し合うものがある。

人の感情をかきたて、人生に豊かなドラマを刻み込むこと。そうした信念と哲学をクルマとカメラで体現してきたアルファ ロメオとRICOHのコラボレーションが、いまここに実現。

気鋭のフォトグラファー 吉村和敏氏、コムロミホ氏の2人がGR Ⅲで捉えたエモーショナルな瞬間。それらの写真の中から、あなたの心を打つ1枚を選んでください。抽選でRICOH GR Ⅲまたはオリジナルグッズをプレゼントいたします。

https://www.alfaromeo-jp.com/campaign/ricohgr3-campaign/

Text:長谷川あや
Photos:大石隼土
協力:3i株式会社

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