Diversity 2018.09.28

感動と共感を巻き起こした「Alfa Romeo – Be yourself.」イベントレポート

9月14日(金)、アルファ ロメオはダイバーシティ(多様性)推進活動“Be yourself.”の一環として、多彩な個性をたたえるイベント「Alfa Romeo – Be yourself.」を実施した。“Be yourself.”という言葉を体現する、感動と共感に満ちたイベントの様子をレポートする。

アルファ ロメオはすべての人々が人種やセクシャリティの違い、ハンディキャップの有無によって差別されることなく、自分らしく輝き、多様な価値観を受け入れる社会の実現を標榜し、2011年からCSV活動“Be yourself.”プロジェクトを行っている。

“Be yourself.”プロジェクトでは、日本におけるダイバーシティの重要性を広く知ってもらうために、これまでさまざまなNPOの活動をサポートしてきた。今回のイベント「Alfa Romeo – Be yourself.」も、その“Be yourself.”プロジェクトの一環として、東京・九段のイタリア文化会館と協働で実施されたものだ。

csv_event_2018__0385 感動と共感を巻き起こした「Alfa Romeo - Be yourself.」イベントレポート「Alfa Romeo – Be yourself.」の会場となったイタリア文化会館。

csv_event_2018__3292 感動と共感を巻き起こした「Alfa Romeo - Be yourself.」イベントレポートAlfa Romeo Stelvio(アルファ ロメオ ステルヴィオ)

9月14日(金)から16日(日)の3日間は、多くの著名人のポートレートを撮影し続けてきた写真家レスリー・キー氏の写真展 「Under One Sun – Be Yourself by LESLIE KEE」を開催。そのキックオフとして開催された「Alfa Romeo – Be yourself.」は、2部構成になっていて、前半はアルファ ロメオが支援するNPO法人によるプレゼンテーションとデモンストレーション、またレスリー・キー氏の撮影に参加した方々のパフォーマンスを上演、後半はエミリオ・インソレラ氏が主演・監督・脚本を手がけた映画「サイン・ジーン 初代ろう者スーパーヒーロー」のジャパンプレミアが行われた。

興奮と熱気に包まれた「Alfa Romeo – Be yourself.」イベントレポート

csv_event_2018_0398 感動と共感を巻き起こした「Alfa Romeo - Be yourself.」イベントレポート

14日当日、イタリア文化会館に足を踏み入れると、そこはもうレスリー・キー氏の写真展の会場となっていた。今回の写真展のテーマは、「太陽は我々みんなにとってひとつであり、私たち一人ひとりは誰にも代えられない、唯一の存在」。そのテーマのもと、性別・ハンディキャップ・人種の違いなどさまざまなバックグラウンドを持つ人々が神奈川県葉山海岸に集結し、同じ太陽の光のもと、同じビーチで、キーによって撮影されたポートレートがずらりと並ぶ。空や砂浜の色は同じでも、被写体となる人々の色とりどりの表情は、人間のダイバーシティのすばらしさをまっすぐに語っておりなかなか目が逸らせない。

17時からは、この日限りのイベント「Alfa Romeo – Be yourself.」が開始。スタートにあたり、進行を務めるFCAジャパン株式会社 マーケティング本部長のティツィアナ・アランプレセ氏は「今日はエモーショナルな一日になる」と語った。

csv_event_2018__0417 感動と共感を巻き起こした「Alfa Romeo - Be yourself.」イベントレポートFCAジャパン株式会社 マーケティング本部長 ティツィアナ・アランプレセ氏。

最初に行われたパフォーマンスは、音の出るボールを使うブラインドサッカーの実演だ。ブラインドサッカーは、2020年の東京大会で実施されるパラリンピック競技であり、アルファ ロメオでは、ブラインドサッカー女子日本代表をサポートしている。この日は、女子日本代表選手の橋口史織氏がドリブルを披露した。

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csv_event_2018__3163 感動と共感を巻き起こした「Alfa Romeo - Be yourself.」イベントレポート見事なドリブルを披露してくれた、ブラインドサッカー女子日本代表 橋口史織氏。

続いて、14歳のブラインドミュージックのシンガー、わたなべちひろ氏の歌う沖縄の伝統的な楽曲に、イタリア・シチリアのアーティスト、アレッサンドロ・リブリオ氏が運転するステルヴィオのアクセル音を合わせた「ブラインド ミュージック」プロジェクトの映像が上映された。このプロジェクトはリブリオ氏がアルファ ロメオの為に企画し、わたなべ氏とアルファ ロメオが一緒に歌い、奏でるといった、人間の新しい可能性の扉を感じさせるもの。

会場は一見、相反するようにさえ思える、ふたつの音のハーモニーが作りあげる、どこかあたたかく懐かしい世界観に魅せられた。その後、わたなべ氏が舞台に登場。わたなべ氏の音楽プロデューサーShusui氏がこの日のために作りあげた「Be yourself.」ソングをアカペラで歌いだすと、そのパワフルな歌声に観客は目を閉じて耳を傾けた。

csv_event_2018__3178 感動と共感を巻き起こした「Alfa Romeo - Be yourself.」イベントレポートわたなべちひろ氏は「Be yourself.」ソングを歌唱、観客の心をつかんだ。

次に、こころ Mojiアーティストの浦上秀樹氏が登壇。特定非営利活動法人日本車いすダンススポーツ連盟・パラダンススポーツジャパンによる車いすダンス、そして、両声ヴォーカリストのマリア・セレン氏のパフォーマンスを目の当たりにしながらの、ライブペインティングを行った。

csv_event_2018__0448 感動と共感を巻き起こした「Alfa Romeo - Be yourself.」イベントレポートこころMojiアーティスト 浦上秀樹氏によるライブペインティング。

車いすダンスは、スウェーデンが発祥といわれている、車いすダンサーと健常者のダンサーがペアで踊るダンスで、パラリンピックの競技種目でもある。最初に車いすのダンサー・大前光市氏が単独で踊るのだが、その繊細な動きと車いすを自由に繰る力強さに圧倒される。途中から、女性ダンサーの四本紀代美氏が参加。車いすの多彩な動き、躍動感、スピード感に、四本氏のダンスが加わることで、ダンスはより芸術性とエンターテインメント性を増し、踊る差別のない世の中を表現しているようにも思える。

csv_event_2018__3196 感動と共感を巻き起こした「Alfa Romeo - Be yourself.」イベントレポート車いすダンサー 大前光市氏。

csv_event_2018__0458 感動と共感を巻き起こした「Alfa Romeo - Be yourself.」イベントレポート女性ダンサーの四本紀代美氏が加わることでパフォーマンスは更にダイナミックに。

続いて、男女の声を自在に歌い分けるマリア・セレン氏が、新曲「The New Me ~栄光への賛歌」(原曲:組曲《惑星》Op.32より〈木星〉)を、ソプラノとテノールの歌唱で朗々と歌い上げた。

csv_event_2018__3205 感動と共感を巻き起こした「Alfa Romeo - Be yourself.」イベントレポートマリアセレン氏が新曲「The New Me ~栄光への賛歌」を歌い上げた。

やがて浦上氏のこころ Mojiが完成する。21歳のとき、少しずつ筋肉が衰える遠位型ミオパチーという病気を発症した浦上氏は、現在、漢字の中にひらがなの言葉をしのばせ、もうひとつの意味を持たせた、こころMojiを描くアーティストとして活動している。浦上氏が、動かなくなった手の代わりに口に筆をくわえて描く文字は、力強く、美しい。

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今回、浦上氏がライブペインティングで描いたのは「風」という漢字だ。その「風」という文字のなかには、さらに「ゆめにむかって」というひらがなが隠れている。なお、浦上氏が製作し、イベントのアートワークにも使用されていた「自由」という文字は「じぶんらしさ」というひらがなを内包している。

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csv_event_2018__0478 感動と共感を巻き起こした「Alfa Romeo - Be yourself.」イベントレポート

10分間の休憩中も会場は熱気に満ちていた。久々の再会に喜びハグを交わしている人たちもいれば、手話で盛り上がっている人たちもいる。見ていると、手話も話が盛り上がると身振りが大げさになったり、動きが早くなったりすることがわかる。

「サイン・ジーン 初代ろう者スーパーヒーロー」エミリオ・インソレラ監督が考える“Be yourself.”とは

休憩の後は、手話を使って超能力(サイン・ジーン)を繰り出すろう者のヒーローが活躍するアクション映画「サイン・ジーン 初代ろう者スーパーヒーロー」のジャパンプレミアの開催となる。同映画はイタリア・ミラノで2017年に初上映。今春、アメリカでも上映されたが、日本での上映は今回が初となる。

本作で脚本・主演・監督を務めたのは、生まれながらのろう者であるエミリオ・インソレラ氏だ。このジャパンプレミアに合わせ、インソレラ氏は同作にも出演している妻のカローラ・インソレラ氏とともに来日した。

csv_event_2018__0496 感動と共感を巻き起こした「Alfa Romeo - Be yourself.」イベントレポート「サイン・ジーン」脚本・主演・監督を務めたエミリオ・インソレラ氏と妻のカローラ・インソレラ氏。

エミリオ氏は、上映前に登壇し、「ろう者の視点の映画が作りたかったんです。最初はドキュメンタリー映画を作ろうと考えたのですが、それでは重くなってしまうと思い、アクション映画にしました」と映画製作の動機を披露。また、「みなさんに楽しんでもらいながら、ろう者について知っていただけたら」と手話で雄弁に語った。
「手話というのはろう者のためだけにあるものではありません。聴こえるみなさんのためのものでもあるのです」
エミリオ氏の言葉は会場の多くの人の心に響いたはずだ。なお、エミリオ氏はすでに新作映画の製作オファーを受けているという。

csv_event_2018__3241 感動と共感を巻き起こした「Alfa Romeo - Be yourself.」イベントレポート

イベント終了後は1階の写真展の会場にて、レセプションパーティーがスタート。イベントの熱気が続くパーティーの途中で、エミリオ氏と妻のカローラ氏に話を聞くことができた。

ジャパンプレミアを終えた感想を尋ねると、「いろいろなコメントをもらってうれしかったです。この映画をきっかけに、ろう者という“ブランド”を世の中に提示できたと思っています」とエミリオ氏。また、二人が考える“Be yourself.”についても尋ねた。

「自分で限界を作らない。なんでも自分で選択できることが私にとっての“Be yourself.”です」(エミリオ氏)

「自分で選択し、自分がなりたいものになったときに、初めて自分を変えることができるのではないでしょうか。自分以外のものにばかり目を向けていたら本当の自分の生き方が失われていくように思います」(カローラ氏)

csv_event_2018__3319 感動と共感を巻き起こした「Alfa Romeo - Be yourself.」イベントレポート

“Be yourself.”プロジェクトが目指す社会

さらに最後に、FCAジャパン株式会社 マーケティング本部長のティツィアナ・アランプレセ氏に、今回のイベントの感想を聞いた。

「とても感動しました。アート、音楽、映画──、さまざまな活動されている方、参加した方のすべての心が実現できたイベントです。企業の活動は、企業や団体と一緒に行うことが多いのですが、よりインクルーシブな社会を実現するために、個々に向き合っていくことが大切だと、改めて実感しました。
2011年からスタートした“Be Yourself.”の活動は、今年で7年目を迎えますが、これまで、みなさまの力をお借りして、日本にたくさんの変化を起こせたと思っています。ただ、今後も継続し、築き上げていくことが必要です。ずっと続けて、一歩一歩着実に前進していきたいですね」

csv_event_2018__0566 感動と共感を巻き起こした「Alfa Romeo - Be yourself.」イベントレポート

人にはみな、すばらしい個性がある。その違いを理解し、認めあい、誰もが輝ける世界をつくっていきたい──。今回のイベント「Alfa Romeo – Be yourself.」では、さまざまな輝く個性が集まり、さまざまなパフォーマンスを繰り広げたが、それは、民族、セクシャリティ、ハンディキャップの有無という概念を軽々と飛び超えるものだった。
今回のイベントに参加し、自分自身の“Be Yourself.”について改めて考えた人も少なくないのではないだろうか。

Text:長谷川あや
Photos:安井宏充(Weekend.)

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