Event 2019.10.31

F1参戦を記念した限定車が日本導入!“Born from Racing”Quadrifoglio F1 Tributoプレス発表会

アルファ ロメオのF1グランプリ参戦を記念した限定車『クアドリフォリオ F1 トリビュート』のプレス発表会が10月11日(金)に行われた。専用のチューニングや内外装アイテム、ザウバーエンジニアリングが手がけたエアロパーツ等が与えられた2モデルの全貌を、モータージャーナリストの嶋田智之氏による解説でお届けする。

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F1第17戦日本グランプリの開催ウィークを迎えてモータースポーツ・ファンの気持ちが加速度的に盛り上がり、鈴鹿サーキットではフリー走行の第1回目が行われた直後の10月11日(金)正午、東京のベルサール渋谷ガーデンではアルファ ロメオの極めてスペシャルな限定車、“クアドリフォリオ F1トリビュート”のプレス発表会が開催されました。

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会場正面の中央には、今季のグランプリを戦うアルファ ロメオ・レーシングのマシン、C38の精巧なレプリカが展示され、それを挟み込むようにして左右に赤いヴェールをまとったクルマが並びます。報道陣のために用意されたスペースがほぼ埋まったタイミングで時刻が12時を迎えると、スクリーンにアルファ ロメオ・レーシングの象徴的なショートムービーが映し出され、発表会がスタートとなりました。

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最初はFCAジャパンのマーケティング本部長、ティツィアナ・アランプレセ氏からの御挨拶。

「アルファ ロメオがF1に復帰して、今年で2年目になります。60年前にイギリスのシルバーストーンで開催された第1回F1グランプリで優勝したのは、アルファ ロメオのティーポ158でした。アルファ ロメオはF1最初のレースの勝者であり、最初のチャンピオンでもあったのです。1978年のシーズンはブラバムBT46アルファ ロメオで戦いましたが、水平対向12気筒エンジンを搭載したこのマシンは、ニキ・ラウダ選手がドライブしてスウェディッシュ・グランプリで優勝を飾りました。そして2018年、アルファ ロメオはザウバーのパートナーとして、サーキットに帰ってきました。今年からはアルファ ロメオ・レーシングとして参戦しています。」

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▲FCAジャパン マーケティング本部長・ティツィアナ・アランプレセ氏

「ここまでの道のりは簡単ではありませんでした。当時のFCAグループのCEOだったセルジオ・マルキオンネ氏は、F1の世界にアルファ ロメオの名前があることが重要であり、アルファ ロメオはユニークかつレジェンダリーなヒストリーに新たなチャプターを描くべきだと決意しました。F1という世界最高峰のレースに復帰して2年目となる今年、ベテランのキミ・ライコネン選手、そしてF1でただひとりのイタリア人ドライバーであるアントニオ・ジョヴィナッツィ選手を迎え、ポイントを積み重ねていることを、私達は心から誇りに思っています。」

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「もうひとつ忘れてはいけないのが、アルファ ロメオの輝かしいモータースポーツの歴史を飾ってきた、クアドリフォリオ。今ではレースでの幸運のお守りという以上にアルファ ロメオを象徴するモチーフになっています。2019年のF1への参戦を記念し、クアドリフォリオのバッジをつけたジュリアとステルヴィオに特別なモデルが誕生しました。クアドリフォリオ F1 トリビュートです」

そしてアンヴェールされたGIULIA QUADRIFOGLIO F1 Tributo(ジュリア クアドリフォリオ F1トリビュート)STELVIO QUADRIFOGLIO F1 Tributo(ステルヴィオ クアドリフォリオ F1 トリビュート)の2台のスペシャルモデルは、F1を走るアルファ ロメオC38と同様の、白と赤のコンビネーションも鮮やかなカラーリングが施されています。

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▲GIULIA QUADRIFOGLIO F1 Tributo

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▲STELVIO QUADRIFOGLIO F1 Tributo

続くFCAジャパンのアルファ ロメオのプロダクトマネージャーである平野智氏と、F1ドライバーとしての経験を持つレーシングドライバーで、以前ジュリエッタを愛車にしていた井出有治氏によるトークセッションを通じて、この2台の全貌が解き明かされていきます。

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▲井出有治氏

ここから先は公式情報から拾った内容も込みのお話になりますが、2台のクアドリフォリオ F1 トリビュートは、F1マシンのC38と同じくアルファ ロメオのチェントロスティーレ(デザインセンター)がデザインを手掛けたもの。とはいえ、もちろんカラーリングのみのコスメティックスペシャルなどではありません。通常のジュリアやステルヴィオのそれとは形状の異なるフロントのエアロスプリッター、サイドスカート、リアスポイラーなどのエアロパーツ類は、アルファ ロメオ・レーシングを運営するザウバー・モータースポーツのテクニカル部門というべきザウバー・エンジニアリングとの共同開発による専用パーツ。ザウバーは世界でもトップクラスの規模の最先端風洞施設を備えていて、エアロダイナミクス開発の技術力の高さも並みではないのです。

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また2.9リッターV6ツインターボは専用のチューニングが施され、チタン素材で軽く独特の快音を奏でるアクラポヴィッチ製エキゾーストシステムとの組み合わせで、パワーが10psアップとなる520psへ。そしてブレーキは軽量でより高負荷に強いカーボンセラミックスのディスクを、シートもカーボンシェル構造のスパルコ製バケットを採用。他にも各部にカーボン素材が多用されていて、諸元上には表れてはいないが、トータルで27kgもの軽量化に成功しています。フロントのV字型グリルやサイドミラーのハウジングにもカーボンがあしらわれていたり、フロントグリルやリアディフューザーがグロスブラックとされていたり、シートベルトが赤で彩られていたり、と専用アイテムもたくさん。

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価格はジュリア クアドリフォリオ F1トリビュートが1459万円、ステルヴィオ クアドリフォリオ F1トリビュートが1495万円と決して安いものではありませんが、スタンダード版のクアドリフォリオとの差額を考えると、それはむしろリーズナブルであるというべきでしょう。日本に導入されるのがジュリア6台のみ、ステルヴィオ4台のみという希少性は、コレクターズアイテムとしての価値を高めるかも知れません。

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そして発表会の最後には、ちょっとしたサプライズが用意されていました。前日の鈴鹿サーキット入りしたアルファ ロメオ・レーシングのふたりのドライバーからの映像が届いたのです。彼らはアルファ ロメオ・ファンへのメッセージの中で、ジュリア・クアドリフォリオとステルヴィオ・クアドリフォリオについて、それぞれこんなふうに印象を語っていました。

「ジュリア・クアドリフォリオはボディの剛性があって重心も低く、パワーもある。走りがゴーカートみたいで、楽しい。F1トリビュートではさらにパワーアップしているから、サーキットで走らせてみたいね。クールなクルマだね」(アントニオ・ジョヴィナッツィ選手)

「普段、家ではステルヴィオ・クアドリフォリオに乗ってるんだ。荷物もたくさん載せられて便利だし、速く走りたいときには充分なパワーが得られる。パワフルで、快適性も高いね。だからレースに行くときにもよく乗っていく。家族で出掛けるときにも使ってるよ」(キミ・ライコネン選手)

1950年からの参戦を第1期、1976年からのブラバムとのジョイントを第2期、1979年からの自社参戦を第3期とするなら、アルファ ロメオのF1グランプリとの関わりは今回が第4期。昨年はザウバー・チームのパートナーとなり“アルファ ロメオ・ザウバーF1チーム”としての参戦でしたが、このパートナーシップが功を奏して前年に最下位だったランキングを8位に引き上げることに成功しました。

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今年は公式的にはネーミングライツのかたちで“アルファ ロメオ・レーシング”とコンストラクター名を変更しての参戦となりましたが、アルファ ロメオと密接な関係にあるエンジン・サプライヤーのフェラーリからの有力エンジニア達の派遣、キミ・ライコネン選手とアントニオ・ジョヴィナッツィ選手というフェラーリとの縁が深いドライバーの移籍など、アルファ ロメオとザウバーの間柄はさらに緊密なものになっています。今回のジュリア・クアドリフォリオとステルヴィオ・クアドリフォリオの“F1トリビュート”モデルも、そうした強固な関係性から生まれてきたもののひとつです。

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今シーズンのF1グランプリの流れを振り返ると、第17戦の日本グランプリ終了時までの戦績は、ライコネン選手が7位3回、8位2回、9位2回、10位1回と8回の入賞でドライバーズランキング14位、ジョヴィナッツィ選手はルーキーながら9位1回、10位2回でランキング18位。コンストラクターズでは8位と善戦していて、もう少し上を狙える気配も漂っています。

日本グランプリは厳しい戦いとなりましたが、今シーズンは残りあと4戦を残しています。アルファ ロメオ・レーシングがどこまで行けるのか、期待しながら見守っていきましょう。

▶︎ Quadrifoglio F1 Tributoプレス発表会のライブ映像はこちらから

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Text:嶋田智之
Photos:濱上英翔

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