News 2018.11.02

待望の東北へ、<ラ・フェスタ ミッレミリア2018>開催

日本を代表するクラシックカーレース、ラ・フェスタ ミッレミリアが8年ぶりに東北地方を走る裏磐梯ルートへと戻ってきた。その出発点となる東京・明治神宮、さらに代官山蔦屋書店T-SITEでの模様をレポート。そこには貴重なアルファ ロメオの姿も──。

秋はクラシックカーのイベントシーズン。その中でも<La Festa Mille Miglia(ラ・フェスタ ミッレミリア)>はその代表格といってもいいでしょう。今年も10月19日(金)から22日(月)にかけて開催されました。

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本国イタリアではミッレミリア初優勝90周年で1位から3位を独占

Mille Miglia(ミッレミリア)>とは1,000(ミッレ)マイル(ミリア)を指す言葉で、イタリアで1927年より1947年まで開催されていた公道レースを指します。ミラノから東へ80kmほどの古都ブレシアを基点にローマまでを往復する約1,000マイル(約1,600km)を走り、当時はイタリア中が熱狂するレースでしたから、当然のことながらアルファ ロメオもワークス体制で出場。開始翌年の1928年には6C 1500 SS(スーペル・スポルト)が初優勝。その後、3年連続で優勝を飾るなど、1947年までに11勝をあげ、最多優勝メーカーとなったのです。

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その後、1977年にクラシックカーラリーとして復活したミッレミリア。今年はアルファロメオ初優勝90周年にあたり、なんとトップ3がアルファロメオで占められるという記念すべき年になりました。1位となったのは6C 1500 GS テスタフィッサ(1933年)。2位は6C 1500 SS(1928年)。そして3位は6C 1750 SS ザガート(1929年)でした。特に2位となった6C 1500 SSは、FCAヴィンテージモデルのレストアやメンテナンスを担当するFCAヘリテージから参加した車両で、通常はアルファ ロメオ歴史博物館に展示されているクルマそのものですから、アルファロメオがただ展示しているのではなく、実際に走らせることで、その魅力を多くの人に伝えたいという気持ちが伝わってきます。

181102_mondo_millemiglia2018_5 待望の東北へ、<ラ・フェスタ ミッレミリア2018>開催▲FCAヘリテージから参加した6C 1500 SS。通常はアルファ ロメオ歴史博物館に展示されている。

待ちに待った東北コースが復活

日本で開催されているミッレミリアの姉妹イベント、ラ・フェスタ ミッレミリアは1992年に初開催。1997年以降のそのほとんどが東京をスタートし、東北へ向かう裏磐梯ルートでした。現地では多くのファンが1年に一度のこの時を楽しみにしていたほどです。沿道では子供から大人まで、多くの人たちが旗を振り、歓声を上げて応援していました。

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しかし、2011年、東日本大震災がこの地方を襲います。主催者としても復興への妨げになってはいけないなどの配慮から、新潟、長野、山梨方面へとコースを変更しました。慣れ親しんだ東北からのコース変更は苦渋の決断だったに違いありません。その後も東北への復活を模索していたようですが、ついに2018年、その願いが叶い、東北方面へ向かうラ・フェスタ ミッレミリアが開催されたのです。そこには多くの参加者からの、そして、東北のファンからの声も大きく影響したことでしょう。実際に多くのエントラントからも、東北へ向かうコース復活の喜びの声が聞こえました。東京をスタートしたのち福島へと向かい、宮城県や山形県を経由し、再び東京は明治神宮へと戻るおよそ1,400Kmが今年のコースです。

さて、スタートとなる当日は、早朝から参加車両が続々と明治神宮に集合。そこで受付を済ませた参加者は早速ゼッケンを張り、係員の検査も受けて準備万端です。その後、他の参加者や、応援に駆け付けた友人たちとスタート前のその雰囲気を楽しんでいました。

181102_mondo_millemiglia2018_7 待望の東北へ、<ラ・フェスタ ミッレミリア2018>開催▲明治神宮には全国からクラシックカーが集結。

181102_mondo_millemiglia2018_8 待望の東北へ、<ラ・フェスタ ミッレミリア2018>開催▲スタート前にはレースの無事を祈念して祈祷が捧げられました。

181102_mondo_millemiglia2018_9 待望の東北へ、<ラ・フェスタ ミッレミリア2018>開催▲貴重なクルマの数々に、会場のあちこちで記念撮影をする姿が。

今年も多くのアルフィスタが参戦

アルファ ロメオは戦前の6C 1750 SUPER SPORTを筆頭に戦後のジュリエッタなど10台が参加し、大いに盛り上がりを見せました。その中から3組のアルフィスタにお話を伺うことができました。

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まずは、唯一戦前のアルファ ロメオで参加した佐藤健太さんから。

クルマの歴史を引き継いでいく楽しみ

181102_mondo_millemiglia2018_11 待望の東北へ、<ラ・フェスタ ミッレミリア2018>開催▲左から:佐藤海斗さん(Co-Driver)/佐藤公夫さん(佐藤さんの父)/佐藤健太さん(Driver)

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1929年9月11日にミラノ在住のオーナーにデリバリーされたこの6C 1750 SUPER SPORT。前オーナーが半世紀以上大切に使用され、佐藤さんが引き継いだのだそうです。「歴代オーナーが大事に使ってきた事がこのクルマのいろいろなところにちょっとずつ残っています。きれいではないかもしれませんが、それがこのクルマの歴史です。クルマは走らせてなんぼですよね。前のオーナーも家族でスキーに行ったりなど遊びにも使っていましたので、僕も息子と一緒にドライブやお泊まりに行ったりしてもいいと思っています。また将来は息子たち2人が乗って色々なイベントに出てもらうというのもいいですよね」と目を細めながら語ります。実は佐藤さん、ゼッケンがひとつ前の戦前車で出場している佐藤さんとは親子なので、将来、息子さんと2台でのエントリーも夢見ているのかもしれません。

181102_mondo_millemiglia2018_13 待望の東北へ、<ラ・フェスタ ミッレミリア2018>開催▲佐藤さんの6C 1750 SUPER SPORT前オーナー。

また、アルファ ロメオの魅力について、「歴史ですね。アルファ ロメオは戦前からイタリアを代表するメーカーで、その歴史を肌で触れることができる、それがすごく楽しいのです。多くのイタリアメーカーはありますが、接して一番パッションを感じるのはアルファ ロメオです」と佐藤さん。さらに、「いま、FCAの中でアルファ ロメオは再編して精力的に、そして積極的に新しい車種をデビューさせています。これはブランド存続も含めてとても歓迎すべきことですので、応援していかなければいけませんね」とのことでした。

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最後に今年のラ・フェスタ ミッレミリアについて、「今回は久しぶりに東北にコースが戻るのがうれしいです。実は前回に出たのが震災前でしたので、東北コースの最後でした。震災があり大変な思いを現地の皆さんはされていましたから、今回またコースが戻ることで、もう一度、そのコースを楽しみながら、現地の方々と触れ合いたいです」ととても楽しみにしている様子でした。

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生粋のアルフィスタは自ら手を汚してメンテナンスを楽しむ

181102_mondo_millemiglia2018_16 待望の東北へ、<ラ・フェスタ ミッレミリア2018>開催▲左から:増森建雄さん(Co-Driver)、増田純男さん(Driver)

ジュリエッタ スパイダーで出場した増田純男さんは、生粋のアルファ ロメオファン。これまでもジュリア TIジュリア スーパージュリア スプリント GTなどを乗り継いできたそうです。その魅力は一言“音”だそう。「このクルマはシングルキャブですが、エンジン音はとても素晴らしいです。ツインウェーバーなどにすると、より吸気音が良くなりますが、オリジナルに近いほうがいいのでシングルキャブのままにしています」とエンジンを見せてくれました。

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整備はご自身で手を汚して行うそうで、「気になるところは全部自分で治します。2007年から出場していますが、全くトラブルはありませんよ」と笑顔を見せました。

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そして、「普段クルマに乗っているときは目的地に着くことばかり考えていますが、イベント中は夢中で走っているので、あっという間に1日が過ぎ去っていきます。とにかくクルマに乗っていること自体を楽しませてくれます」とこのイベントの魅力を語ってくれました。

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何よりもエンジンとエグゾーストノートが魅力

181102_mondo_millemiglia2018_20 待望の東北へ、<ラ・フェスタ ミッレミリア2018>開催▲左から:岡野正道さん(Driver)、岡野大介さん(Co-Driver)

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最後は車検時間ぎりぎりで到着した岡野正道さん、大介さん兄弟にお話を伺いました。岡野さんはラ・フェスタ ミッレミリアをはじめとしたクラシックカーイベントの常連であり、ご自身でも<Classic Japan Rally(クラシックジャパンラリー)>というクラシックカーイベントを主宰するほか、ラ・フェスタ ミッレミリアでは各エントラント車両がリアルタイムでどこにいるかが一目でわかるIMPS(Integrated Map Position System)を開発、提供してもいるご兄弟でもあります。

今回出場する車両は、アルファ ロメオ SV ザガート。アルファ ロメオ スプリントヴェローチェをベースにカロッツェリアザガートがボディを手掛けたクルマで、製造台数はほんのわずか。岡野さんは、「2009年に出たクラシックカーラリーで、このクルマがホテルの前に止まっているのを見て、僕と兄の2人共が一目惚れしたのです。そのオーナーにずっと譲ってほしいとお願いをしてやっと譲ってもらいました」とそっとクルマに手を置きながら愛おしそうに語ります。

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「アルファ ロメオの魅力は、エンブレムをはじめラインや色使いに可愛らしさがあることですが、それ以上にやはりエンジンではないでしょうか。トルクはありませんが高回転まで引っ張った時の快感があります。5,000回転などの高い回転まで回した時のサウンドとパワーとスピード感は抜群ですね」と本当に楽しそうです。

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最後にラ・フェスタ ミッレミリアの魅力と意気込みを伺ってみましょう。「今年は東北にコースが戻ります。2009年に初出場した時も東北でした。最初は周りの人たちを誰も知りませんでしたが、回を重ねるごとにラ・フェスタのファミリーに入れたような気がしています。なので、今回再び東北コースに戻るのは、僕らにとっても古巣に戻れるような感じがしてすごく楽しみです。ゼッケンは後ろのほうですが、そこから一気に“まくって”15位以内、できれば一桁には入りたいですね」と意気込みを語っていただきました。

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サポートカーにはアルファ ロメオ ステルヴィオも登場

さぁ、アルファロメオをはじめとした参加者たちは12時過ぎから順次明治神宮をスタート、まずは一路代官山T-SITEに向かいます。

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そこで、最初のPC(PROVE CRONOMETRATE)、通称“線踏み”競技です。これはA地点からB地点までを○○秒で走れ、というもので、代官山蔦屋書店 T-SITEでは60mを13秒が指示となっていました。これを1/100秒で計測し、どれだけ13秒に近いかを競います。因みに、0.1秒ずれると、かなり順位が下がってしまうという熾烈な争いでもあります。その会場には、子供たちから子供の心を持った大人たちまで多くの見学者たちが詰めかけ、旗を振りながら応援します。その多くの人たちがアルファロメオの排気音に陶酔したことでしょう。

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参加車両が通過した最後に、サポートカーとして活躍する『Alfa Romeo Stelvio(アルファ ロメオ ステルヴィオ)』も登場しました。そう、アルファ ロメオとミッレミリアとは切っても切れない関係ですから、日本においてもしっかりとサポートしているのです。特にステルヴィオはSUVの姿をしていながら、しっかりと走りはアルファ ロメオ。サポートのドライバーもラ・フェスタ ミッレミリアを満喫したことでしょう。

代官山蔦屋書店 T-SITEでのPC競技を終えた参加者たちは、およそ200km先のチェックポイント(福島県西郷村・キョロロン村)などを経由し、この日のゴールとなる北塩原村・裏磐梯レイクリゾートに向けて元気よくスタートしていきました。

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最後に大事なことをお伝えして終わることにします。実はインタビューに答えていただいた岡野さん兄弟は、なんと7位入賞、アルファロメオで出場した中でトップの成績を収めたのでした。

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<La Festa Mille Miglia 2018>の結果はこちら
 

INFORMATION
<Mille Miglia>

URL https://www.alfaromeo-jp.com/info/millemiglia/

Text:内田俊一(Shunichi Uchida)
Photos:濱上英翔/大石隼土

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