People 2021.09.03

湯淺直樹×吉川桃 ステルヴィオを駆る2人のアスリートがひたすら前に進み続ける理由

アルファ ロメオが誇るSUV、ステルヴィオを駆る2人のスポーツ選手、アルペンスキーヤー・湯淺直樹選手とプロゴルファー・吉川桃選手が初対面。ステルヴィオ、そして、日本のスポーツウェアメーカーである、デサント社のウェアを着用しているという共通点を持つ2人がゴルフのこと、自らが向き合うスポーツのこと、これからのことを語り合った。

2人のアスリートの相棒・ステルヴィオ

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アルファ ロメオは、アグレッシブな競技スタイルで世界のステージで活躍し続ける湯淺直樹選手と、2019年にパートナーシップを締結し、オフィシャルサポートを行っている。19歳でプロテストに一発合格を果たし、2021年5月に行われた『リゾートトラストレディス』で、ツアー自己最高となる2位タイフィニッシュを決めた吉川桃選手は、2020年6月に、アルファ ロメオ池袋とのアンバサダー契約を結んだ。そんな2人が、2021年の盛夏、『G7カントリー倶楽部』で初めて顔を合わせた。まずは対談を行い、すっかり打ち解けた2人は、その後、コースに出てプレーを楽しんだ。

この日、2人は、それぞれ『Alfa Romeo Stelvio(アルファ ロメオ ステルヴィオ)』に乗って取材場所に現れた。まずは、相棒のステルヴィオについて語ってもらおう。

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▲Alfa Romeo Stelvio(アルファ ロメオ ステルヴィオ)

湯淺:僕は、日本でいちばんステルヴィオに乗っている男だと自負しています。1台目の赤いステルヴィオは、3年間で、3万5000キロ乗らせていただきました。しかも僕の場合、運転は雪道がメインです。過酷な状態で最も長い時間、ステルヴィオに乗っているのは、やはり僕なんじゃないでしょうか(笑)。ステルヴィオは、私にとっては、スポーツカーという位置づけです。ロードから入ってくる情報量が違う。まったくふわふわしません。

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アルファ ロメオの担当者によれば、返却されたクルマはとてもいい状態で、社内でも、「とても上手に乗ってくださった」と評判になったという。それを聞き、湯淺選手は、「オイル交換もめちゃくちゃ頻繁にやっていました」とにっこり。この人は、ステルヴィオ、そして、クルマが本当に好きなんだと暖かな気持ちになる。現在、湯淺選手は2台目となる白いステルヴィオとともに生活している。

吉川:やはりかっこいいですよね。先日、玄関に乗り付けるととても画になることを再認識しました。知り合いや応援してくださる方に、「似合っているね」「かっこいいね」と言っていただくことも、モチベーションになっています。サポートしていただくことで、とてもいい状態で試合に臨ませてもらっています。

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始めて2ヶ月でプロになる決意

アルファ ロメオを愛してやまない湯淺選手は数年来、ゴルフにも夢中だという。この日も吉川選手と顔を合わせた瞬間、「今日は本当に楽しみにしてきました」と破顔一笑。屋外の猛烈な日差しとは裏腹にやわらかな雰囲気のなかで2人の会話はスタートした。

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吉川:湯淺選手はどんなきっかけでゴルフを始められたんですか。

湯淺:数年前、お世話になっている方に、「湯淺、お前、息抜きとかしないのか?」と聞かれたんです。「しないですね」と即答すると、ため息をつかれ、「クラブをやるから、お前、ゴルフやれ」と言われまして。最初は、大の男が小さな白いボールを夢中で追いかけまわすなんて恥ずかしいくらいに思っていたのですが(笑)、スポーツ選手ですから、コンペティションとあっては負けられません。素人なりにも芯にあたったときの感覚が忘れられず、気づいたらすっかりハマってしまいました。

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吉川:どんなペースでやられているんですか。

湯淺:いちばん多いときで、週2、3はラウンドに出ていました。

吉川:すごい!

湯淺:今日は吉川プロに伺いたいことがたくさんあるんです(笑)。吉川プロは、いつからゴルフを始められたんですか。

吉川:11歳のときです。運動神経はいいほうだと言われていて、子どもの頃からいろいろなスポーツをやっていたのですが、ゴルフを始めたのは、先にやっていた、妹(吉川くるみ選手)の練習についていったことがきっかけです。

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湯淺:実は数か月前から、6歳の娘をゴルフ教室に通わせているんです。ただ、僕の「プロゴルファーになるといいな」という勝手な願望で通わせていることもあって、本人はあまりやる気がありません(笑)。まだコースには出ておらず、ひたすら練習なので、それも面白くないのかなとも思っています。

吉川:それはあるかもしれません。打ったボールが遠くに飛ぶのがうれしくて、練習場だけでも楽しめましたが、一度、コースに出たら、やはりコースのほうが楽しいんですよ(笑)。コースといっても、最初はパー3のショートコースでしたが、ああこんなに楽しいんだなって。湯淺選手はどうしてスキーを始めたのですか。

湯淺:僕の家は音楽家庭で、父親はギターの先生でした。私も小さい頃はピアノをやらされていましたが、両親も「こいつには音楽は向かない」とわかったようで、すぐに辞めました(笑)。その後、札幌出身という土地柄もあり、スキー少年団に入るのですが、そこがたまたまアルペンスキー主体のチームだったんです。9歳のときです。すぐに夢中になりました。でも、私の両親は年に1度か2度、スキーに行く程度。家庭内には、「なんでお前スポーツやってるの?」という空気が流れていました(笑)。

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吉川:私の両親もゴルフはやりません。ただ、ゴルフはお金がかかるスポーツです。また、父から「やるならちゃんとやれ」と言われたこともあり、ゴルフを始めて2か月くらいでプロゴルファーになることを決意しました。ゴルフは自分の実力がそのまま数字に反映されますし、体格差にもあまり影響されません。採点競技ではないところも自分に向いています。

湯淺:僕もスキーを始めて2か月後には、「この競技を続けていこう」と決めていましたね。少年団のコーチの家で、(3つの金メダル、ワールドカップで50勝を挙げた伝説的アルペンスキーヤーである)イタリアのアルベルト・トンバの映像を見たんです。ゴルフでいえば、タイガー・ウッズのような存在です。「こんな風に滑ってみたい」、「いったいこの人はなんなんだ」とコーチに聞くと、「お前らがやっていることの延長線上だ」と。「僕、これがやりたいです」と言いました。

吉川:ご両親はどんな反応だったのでしょう?

湯淺:半信半疑でしたね。海外に遠征に出るようになっても、親は僕がどこで何をしているのか把握できていなかったと思います。でも、2006年にトリノで行われた世界大会への出場を知ったのは親が先だったんですよ。遠征中に電話がかかってきたんです。僕はまったく知らなくて、コーチに確認すると、「あ、お前出るよ」と(笑)。

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自分自身をコントロールすることが大切

吉川:私はスキーはやらないのですが、過酷な状況のなか足腰を酷使してと、とてもキツいイメージがあります。

湯淺:好きじゃないとできないと思います(笑)。でもゴルフも今日のように暑い日でも3、4日間、ずっと外にいないといけませんよね。過酷ですよ! それに、下世話な話で申し訳ないのですが、ゴルフは、1ショットで何百万円が動いたりするじゃないですか(笑)。考える時間がある分、それがとてつもないプレッシャーにもなるのではないかと推察します。アルペンスキーの場合は、スタートしたらあとは滑り切るだけなので。

吉川:考える時間はないけれど、一瞬の対応力が必要ということですよね。ゴルフは、1日4時間半くらい外でプレイしますが、打っている時間は20分ほど。歩いていたり、考えたりしている時間のほうが圧倒的に長いんです。集中して、自分をしっかりコントロールすることが大切なのですが、それがなかなか大変だったりもします。

湯淺:どんなふうに自分をコントロールするのでしょう?

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吉川:私は平常心が大切だと思っているので、自分のなかで感情の起伏を起こさないようにしています。でも選手によっては感情を表に出して、それが結果に結びついている人もいます。自分が集中できる方法を身に付けるのがいちばんだと思います。

湯淺:僕は、失敗するかしないかのぎりぎりのラインを突いていくことを心がけています。やはり人によるのですが、私のような体の小さな選手は、タイトなラインを突いて、ある程度リスクを負わないとタイムがついてきません。常にピンの根本を狙っている、そんな精神でやっています。

吉川:私も勝つためには左右を狙いたいけれど怖いな、でも無難にセンターに行って、パターでバーディーを取ろうかなと考えることがよくあります。ゴルフはリカバリーできるスポーツではありますが、攻める姿勢、そして、リカバリーできる能力を持っているか、いないかはとても重要なファクターです。

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湯淺:結果は同じでも、攻めていってその結果だったほうが後悔しないと思いますし、次につながると僕は信じています。うまくいったときはもちろん気分がいいですしね。でも、ゴルフはそうシンプルではないのかもしれませんね。

吉川:基本的にはゴルフも攻めたほうがいいと思いますし、攻めていきたいなとも思っています。私は、本来はセーフティーを選んでしまいがちな性格なのですが、最近、攻めて、それを成功させないと勝てないなということを痛感しています。でも、ゴルフ、とくにトーナメントには時々罠が潜んでいるんです(笑)。「ここは攻めちゃいけないんだろうな」というポイントの見極めが必要です。

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練習にかけるストイックな姿勢

これまでのインタビューそしてこの日の会話からもわかるように、2人の共通点として、競技にかける実直さ、練習に対するストイックな姿勢が挙げられる。具体的に、どのようなトレーニングを行っているのだろうか。

湯淺:少し前までは筋力信者でひたすらトレーニングに励んでいました。とにかく走っていた時代もありましたね。いちばん速かったときは、20キロを、1時間6分で走っていましたよ。

吉川:めちゃくちゃ速い(笑)。

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湯淺:酸素量が地上の80%ほどの標高で競技を行うことも少なくありません。体力が必要だと、とにかく鍛えていました。でも、ゴルフをやって痛感したのは、ムキムキの体でも、それを伝える力がなければなんの意味もないなということです。僕はよくひとりでゴルフに行くんですよ。昨年11月に長野県小諸市に越してきたのですが、去年までは愛知県に住んでいました。知り合いは一人もいませんでしたから、ひとりでゴルフに参加するわけです。あるとき初対面の方3人とコースをまわることになったんですよ。当時の僕は、今よりも腕も胸板も分厚くて、こんな人が来たらいったいどれだけ飛ばすんだろうという体型をしていたわけです。しばらくして打ち解けてから、「意外と飛ばないね」と言われました(笑)。

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吉川:(笑)。私もプロテストを受ける前は、ひとりで予約を入れ、知らない方とよくまわっていました。湯淺選手のような方が現れたら、たしかにびっくりすると思います……。

湯淺:吉川プロがいてもビビりますよ。というか、うれしいです(笑)。それにしても、どうやったら飛ぶんですか? 普段どんなトレーニングをしているのでしょう?

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吉川:ゴルフには、総合的な筋力や体力が必要です。走ったりもしますし、下半身や体幹を鍛えることも大事ですが、私がとくに力を入れているのは、バランス系のトレーニングです。片足でマットの上に立っていろいろな動きをして、足裏の重心を感じたりしています。

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湯淺:そうなんですね。18ホールまわると、僕の場合、90打ほど打つわけですが、芯にあたるのは、そのうち2、3回です。でもその数少ない快感を求めてやっています。これだけ打ちひしがれても、いまだにやめることができない(笑)。スキーにも芯があり、芯を踏まない限り、そのスキーを最大限に生かすことはできません。わかっているのに、ゴルフではぜんぜん芯に当てることができません。

吉川:ゴルフはミスのほうが多いスポーツで、プロになっても自分の満足のいくショットはなかなか打てません。それでもやり続けられる忍耐力が必要なスポーツだとも思っています。それにしても、湯淺選手、本当にゴルフがお好きなんですね(笑)。

湯淺:はい、話をしながらできるスポーツというところにも魅力を感じます。歩いているときに気の置けない仲間と話せるのも楽しいですよね。

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2人が目指す今後の目標

ふたりのゴルフ談義は止まらない。遺跡や釣りが好きなところなど共通点も多く、時間に限りがなければ、いつまでも話題は尽きそうにない。しかし、残念ながら時間には限りがある。最後に二人に、これからの目標を尋ねた。

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吉川:私はジュニアのときからずっとゴルフを仕事にしたいと思ってやってきているので、今、プロとしてプレイできることを幸せに感じていますし、そんな気持ちを大切にしたいとも思っています。もちろんプロですから楽しいだけではやっていけません。私を支えてくれた方、私の活躍を喜んでくださる方のためにも、もっと頑張っていきたいです。

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湯淺:自分の集大成と考えている、来年2月の世界大会まで、半年を切りました。その準備にしっかりと励みたいです。僕はケガや手術を繰り返していますがモチベーションは変わりません。むしろ前よりも、上がっているかもしれません。人工の膝でどこまで戦えるかという面白さもあります。いや、むしろそれがモチベーションになっているとも言えます。

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吉川:具体的な目標は、優勝とシード権の獲得です。長いシーズン、うまくいかないことはたくさんありますが、ゴルフを楽しむ気持ちを持ちながら前を向いて頑張っていきます!

対談後に行われたプレイでは湯淺選手は、吉川選手のフォームをスマフォで撮影。今後に活かしたいと笑った。

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趣味のゴルフにも真摯に取り組む、湯淺選手の生真面目な性格が垣間見られた瞬間だ。吉川選手は、そんな湯淺選手に丁寧にアドバイスを送っていた。
「今日、いちばん楽しんでいるのは間違いなく僕ですね」

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8月末には、湯淺選手はヨーロッパ遠征に旅立つ。吉川選手も、今後、さまざまツアーが控えている。奇跡的にスケジュールが合ったこの日の、このひと時が、遥かなる高みを目指す2人にとって、楽しく刺激的な一日になったことを願ってやまない。そして、遠くない未来、2人の歓喜の表情が見られることを心待ちにしたい。

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▼今回、取材にご協力いただいた『G7カントリー倶楽部』

INFORMATION

G7カントリー倶楽部

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住所:栃木県那須烏山市森田76-1
TEL:0287-88-7711
URL:http://www.g7cc.co.jp/

取材協力

アルファ ロメオ 松本

住所:長野県松本市平田東1-3-4
TEL:0263-25-4475
定休日:火曜日・第1/3水曜日
URL:https://matsumoto.alfaromeo-dealer.jp/alfaromeo/

Text:aya hasegawa
Photos:濱上英翔

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