Vision 2019.05.31

イタリア菓子のオーソリティー・藤田統三氏が、アルファ ロメオの誕生日を祝す、世界で一つのバースデーケーキを創造

世界中のドライバーたちを虜にしてきたアルファ ロメオは、誕生からまもなく109周年を迎える。そこで今年は、アルファ ロメオへの誕生日メッセージを添えて応募した方の中から1名に、記念日の6月24日(月)に世界で一つのバースデーケーキをプレゼントする企画を実施。そのバースデーケーキを手がける人こそが、日本におけるイタリア菓子の第一人者・藤田統三氏だ。今回は藤田氏にインタビューし、イタリア菓子の道へ進んだ経緯とその奥深さを探るとともに、バースデー企画への想いを伺った。

波乱万丈の経歴の先に、偶然出会ったイタリア菓子への道

藤田統三氏は、2016年に池尻大橋でオープンしたイタリア菓子の専門店『L’Atelier MOTOZO(ラトリエ モトゾー)』のオーナー・シェフ。このお店、オープン時には長蛇の列が並び、以後も客の足が途絶えることがない。オープンから3年ほどだが、日本における“イタリア菓子の聖地”と称されている。ただし、藤田氏がここに至るまでの経歴は波乱万丈、そもそも最初から菓子の道を志していたわけではなかった。

20190523_qetic-alfa-0121 イタリア菓子のオーソリティー・藤田統三氏が、アルファ ロメオの誕生日を祝す、世界で一つのバースデーケーキを創造

「学生のときは、将来何をするかなんて決まっていませんでした。北海道の農大へ行って、バイオテクノロジーの勉強をしようと思ったこともあるけれど、受験科目の中で英語が嫌いだったので無理。そのあと、高校3年生のときにたまたま奈良へ行ったときの公園で子どもたちと遊んでいた保育士さんと出会ったことで、その道を考えたこともありました。ただ親父には、“短大へ行ってもいいけど、ダメだったら飲食の道へ行け”と言われていたんです」

それでも正直なところ、飲食はまったく興味が無かったという藤田氏。さらに厳しい修行や師弟関係があるような飲食へのイメージもあったが、菓子の世界なら、まだそのようなしきたりが厳しくないようにも感じていた。確信的なものは無いまま、ひとまず大阪あべの辻製菓専門学校へ入学。ただし、授業であった製菓理論を聞いて“面白そうだな”と思うと同時に、自分が農大を目指す際に感じていた科学への興味に近いものを感じたという。

IMG_1979 イタリア菓子のオーソリティー・藤田統三氏が、アルファ ロメオの誕生日を祝す、世界で一つのバースデーケーキを創造
L’Atelier MOTOZO 店内

「就職が近づくタイミングで父親に知り合いのケーキ屋を紹介されたけれども、そこで自分が働くイメージが湧かなかった。そこで、自分が食べ歩きをした中で一番美味しいと感じた店を突撃訪問したんです。当然、履歴書も持っていなかったので一度は追い返されたのですが、再び履歴書を持って直訴したら採用。それが菓子作りの始まりで、でもそこはフランス菓子のお店でした」

22歳でシェフとなるも、お店の都合もあり退社。そこからは食への探究心の赴くままに、イタリアンレストラン、ハーゲンダッツジャパン、そして再びイタリアンレストランを渡り歩く。ハーゲンダッツジャパンに入ろうと思った理由が、ふと客から「ジェラートとアイスクリームの違いはなんですか?」と聞かれた際に「乳脂肪の違い」と答えたものの、「それで本当に正しいのか?」と疑問を抱いたから、というエピソードからも藤田氏の自分に正直な人柄が伺える。

20代後半、大阪市内にオープンした259席の大型イタリアンレストラン『ソーニ・ディ・ソーニ』へ入社。このときもシェフとして料理を学ぶはずだったが、最初に就いた担当はデザート。しかし奇しくも、そこでイタリア人パティスリーシェフと出会い、イタリア語を一から学びながら彼の下で学んだことで、イタリア菓子の奥深さの一端をそのときに垣間見るのだった。

本場イタリアで感じた“粉ありき”の菓子の素晴らしさ

好奇心の赴くままに、藤田氏は1999年にイタリアへと旅立つ。ロンバルディア州ブレーシャにあるレストランで料理を学び、同州ヴァレーゼ近郊のパスティッチェリーア『ブオージ』では、イタリア菓子やジェラートを学んだ。

01_PC イタリア菓子のオーソリティー・藤田統三氏が、アルファ ロメオの誕生日を祝す、世界で一つのバースデーケーキを創造

「イタリアンレストランで修行しているとき、僕はイタリア菓子をどこか偏見の目で見ていたところがあった。全体的に茶色の焼き菓子が多くて、少しフルーツが乗っているぐらいのものみたいな。やっぱり菓子はフランスで、料理はイタリアだと思っていたんです。でもあるときシェフにその話をしたら、“それは間違っているよ”と。それでシェフに田舎の方にあるイタリア菓子の店へ連れて行ってもらったら、今まで食べてきたイタリア菓子とはまったく違ったんです。僕の中で順位があるとしたらフランス菓子が1位、そして日本のフランス菓子が2位、イタリア菓子は相当下の方だったのですが、それが一気にひっくり返った。それがすごく悔しかったし、同時に“日本のイタリアンレストランで僕が食べていたあのデザートは何だったのか…”と思ったんです」

image3 イタリア菓子のオーソリティー・藤田統三氏が、アルファ ロメオの誕生日を祝す、世界で一つのバースデーケーキを創造
Monte bianco(モンテビアンコ)

そんな想いを抱えながら帰国。2000 年には大阪で、『パスティッチェリア・バール ピアノピアーノ(当時。現在は別名)』のシェフに就任した。ただし藤田氏の探究心は留まるところを知らず、店に在籍している間にも再びイタリアへ。ヴァレーゼ市内のチョコレート専門店にて修行しながら、各地の郷土菓子の研究に没頭する。そこで藤田氏が感じた本場のイタリア菓子の肝は、“粉の扱い方”だった。

「粉、つまり小麦粉の扱い方が決定的に違った。小麦粉はお菓子を作る際の主となる材料ですが、例えばフランス菓子の場合は粉っぽさを感じさせず、卵や生クリームの美味しさで食べさせるイメージでデリケートに扱う。でもイタリア菓子は、まず粉ありきなんです。それはイタリア料理におけるパスタとかピザも同じ。そういったイタリアの食文化に惹かれました。イタリアから帰ってきたときは、この経験をどういった形で恩返しできるかを考えましたね」

image1-6 イタリア菓子のオーソリティー・藤田統三氏が、アルファ ロメオの誕生日を祝す、世界で一つのバースデーケーキを創造
Tartina(タルティーナ)

帰国後は、2005年に東京・表参道で『ソルレヴァンテ』をオープンし、取締役兼料理長・シェフパティシエに就任。そしてそこでの活躍が認められ、2011年はイタリア本国より、パティスリーでは初めてとなる権威ある認証『イタリアホスピタリティー国際認証マーク≪MOI≫』を取得した。さらに、イタリアの菓子、食文化の正しい知識を日本で普及するため、書籍の出版にも精を出した。

2014年春より独立に向けてフリーランスとなり、企業やメーカーのアドバイザー、レストラン・カフェ・パティスリーのメニューコンサルティングを行い、 イタリア菓子の講習会やイベントなどにも力を注ぐ。

そうして2016年、ついに『ラトリエ モトゾー』をオープン。2018年には株式会社Gloriaを創立した。藤田氏がこれまで培ってきた経験・技術のすべてを注ぎ込むイタリアの伝統や製法を生かした菓子の数々は、日本において新鮮な感動とともに広く受け入れられた。今ではイタリア菓子の第一人者と称される藤田氏だが、それでも「この先、自分が何をしているかはわからない」と語るあたりは“らしさ”でもあるが、ラトリエ モトゾーのファンは、いつまでもその作品を味わっていたいと思うところだろう。

20190523_qetic-alfa-0146 イタリア菓子のオーソリティー・藤田統三氏が、アルファ ロメオの誕生日を祝す、世界で一つのバースデーケーキを創造

「娘に言われたんですよ、“お父さん、第一人者ってどういう意味か知ってる?”って。そういったことは常に胸に刻んでこれからもやっていきたいと思います」

インスピレーションから生み出されるバースデーケーキ

イタリア菓子を通して、その土地の文化や歴史を探求してきた藤田氏。その手が生み出す作品には、イタリアに根付く伝統や製法が存分に発揮されている。その意味ではアルファ ロメオも、100年以上に渡る歴史とともに守り抜いてきた“美学”がある。これまで常にイタリアとともに歩んできた藤田氏に、アルファ ロメオに抱くイメージを聞くと、“良い意味でマニアが乗る車”という答えが返ってきた。

「マニアの中でも、イタリア好きのマニア。僕の知っているアルファ ロメオのオーナーは、みんなイタリアの文化が大好きですし、乗っている方は伊達男が多い。イタリアにいたときもしょっちゅう街で見かけましたし、最初に働いていたイタリアンのシェフも、アルファ ロメオの155のクアドリフォリオに乗っていましたね」

20190523_qetic-alfa-0099 イタリア菓子のオーソリティー・藤田統三氏が、アルファ ロメオの誕生日を祝す、世界で一つのバースデーケーキを創造

今回のバースデー企画に関して、現時点ではイメージを詰めているところ。アルファ ロメオにふさわしいバースデーケーキを開発するべく、食材探しのため『Alfa Romeo STELVIO(アルファ ロメオ ステルヴィオ)』に乗って産地に赴き、インスピレーションを掻き立てていく予定だ。

「現時点ではアルファ ロメオのカラーである赤と、話している中で“四つ葉のクローバー”というワードも出たので、それらをどう表現するかは考えています。色に関しては最初から赤が入っているのもいいですし、お客様のところへ行ってから赤に演出する仕掛けも面白いかもしれません。あと話の中で“ドルチェ・ヴィータ”という案も出てきました。ドルチェ・ヴィータは映画のタイトルにもなっていて、“甘い生活”という意味。僕はこれまでも人生を想う菓子というイメージでドルチェ・ヴィータを作っています。人生は甘いことだけでなく、酸っぱいこともあり、ときに辛い想いもする。でも最終的に甘い人生だったねと思えるような菓子というイメージで、それはハートの形をしているんですね。それを4つにして、それぞれ味が違っているのもいいのではないでしょうか」

この段階でも、イメージはアルファ ロメオらしさにあふれている。ただし、これまでの藤田氏の経歴からもわかるように、直感型のこの名パティシエが、このまま形にするとは思えない。ステルヴィオに乗った藤田氏のインスピレーションが、いったいどのような形で世界に一つのバースデーケーキを生み出すのか。きっとそれは誰もが想像のできない作品となって、一人の選ばれた人に届くのだろう。

20190523_qetic-alfa-0016 イタリア菓子のオーソリティー・藤田統三氏が、アルファ ロメオの誕生日を祝す、世界で一つのバースデーケーキを創造
FCAジャパン株式会社 マーケティング本部長 ティツィアナ・アランプレセ氏とともに

INFORMATION

アルファ ロメオ 109周年記念 バースデーケーキプレゼントキャンペーン

応募期間 2019年5月24日(金)〜2019年6月9日(日)23:59まで

人々の五感を揺さぶる『アルファ ロメオ』の美学を、食をモチーフに“味わう”プロジェクト『Art of Taste』始動。その第1弾では、イタリア菓子の名店『ラトリエ モトゾー』の藤田統三シェフがアルファ ロメオ創立109周年を祝して創造する、世界にひとつだけのオリジナルバースデーケーキをプレゼントいたします。

ご応募はこちらから
https://www.alfaromeo-jp.com/info/campaign/2019/art-of-taste/

Text:ラスカル(NaNo.works)
Photos:大石 隼土

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