vol.03 運転していてこんな楽しいクルマはない

Giulia 1300TI(1968)オーナー
松戸昭夫氏

当時のスポーツカーデザインの最新トレンドだった“コーダトロンカ”を採用するなど、空力に配慮した造形である。

ジュリア1300TIとオーナーの松戸昭夫さん

当時のインポーターだった伊藤忠オートによる正規輸入車である1968年ジュリア1300TIを手に入れてから、35年になるという松戸昭夫さん。「かつて実家がガソリンスタンドを営んでおりまして、これはお客さんのクルマだったんですよ。それを譲り受けたんです」時は1980年代初頭、日本でもクラシックカーイベントが開かれ始めた頃で、それらに参加してはサーキットランなどを楽しんだという。ALFA ROMEO DAYには、最初の数回を除いて毎年参加しているそうだ。

入手当時は床に抜けた部分があるなど傷みが目立ったというが、コツコツと手を入れながら乗ってきた。エンジンは一度載せ替えており、ボディは5年ほど前にレストアしている。「クラシックカー専門のボディショップではなく、知り合いの街の板金工場が、ぜひやらせてくれというので。預けてから仕上がるまでに1年半ぐらいかかりましたかね」

待った甲斐あって、ビアンコ(白)のボディは今もまばゆい輝きを放っている。そんな1300TIの、シンプルなところが松戸さんは気に入っているそうだ。「ジュリアスーパーに比べると、メッキのモール類なども少なく、そのぶん車重も軽いでしょう」 軽さは走りにつながっているはず、という松戸さん。話がドライビングに及ぶと、がぜん口調が熱を帯びてくる。

「よくジュリアは(コーナリングの)限界が低いなどと言われます。ですが私に言わせれば、アクセルの踏み方ひとつで容易にテールスライドさせられるのですから、運転していてこんな楽しいクルマはありませんよ」 1300TIに限らず、アルファ ロメオの魅力は走らせて楽しい、気持ちいいことに尽きると語る松戸さん。35年乗り続けたアルフィスタの言葉は、説得力が違う。

Giulia 1300TI(1968)

1962年に1.6リッターエンジンを搭載したジュリアTIがまずデビュー、1300TIは1.3リッターを積んだ普及版となるジュリア1300の高性能グレードで、65年に登場した。